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イーレックス、小売や燃料事業の拡大順調で売上高1.1%増―取引先の民事再生手続などで減益も「業績は堅調」

2026/02/12 21:58
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イーレックス、小売や燃料事業の拡大順調で売上高1.1%増―取引先の民事再生手続などで減益も「業績は堅調」

日本有数のバイオマス発電事業者であるイーレックスは12日、2026年3月期第3四半期決算短信のオンライン説明会を開催した。小売や燃料事業が順調に拡大し、売上高はほぼ計画通りに推移した。

 

売上高は前年同期比1.1%増の1279億7900万円で、売上原価は1.8%増の1131億6000万円、売上総利益は4.1%減の148億1800万円。営業利益は41.9%減の46億5500万円、四半期利益は44.3%減の34億4300万円。

 

電力の市場価格が前年同期比で低水準に推移した影響を受けたものの、小売事業が計画を上回るペースで推移。販売電力量は増加したことから、売上高は僅かながら増加した。営業利益は、取引先の民事再生手続開始に伴う損失の計上に加え、前年度に買付約定評価引当金を計上した未購入の棚卸資産が当第3四半期において精算された際、持分比率に応じた負担を合意している非支配株主からの損失補填の認識にタイムラグが生じたため計画を下回った。

 

同社公表資料から引用

 

電力小売事業全体としては社内計画を上回る進捗状況となった。高圧分野の販売電力量は22.4%増の22億300万kWh、売上高は市場価格の下落に伴う販売単価の低下により4.9%増の 440億4900万円となった。低圧分野においては、2024年末の販売子会社譲渡の影響で供給件数は9.9%減の26万3000件、販売電力量は20.1%減の8億4200万kWh、売上高 は23.9%減の264億4900万円となった。

 

トレーディング事業は卸電力取引市場(JEPX)での取引が減少したものの、他社の調達・販売をサポートする相対取引が大きく増加し、売上高及び販売電力量は伸長しました。一方で、取引先一社の民事再生手続開始に伴う損失の計上により、営業利益は減少した。また、JEPXでの取引、他社との相対取引及び電力デリバティブ取引など、トレーディングで培ったノウハウを電力小売事業向けに活用し、独自の電力小売販売プランやスキームの立案、組成にも取り組んだ。

 

発電・燃料事業は小売・トレーディング事業と比べると未だ規模は小さいが、増収増益を達成している。売上高は16.3%増の422億円。営業利益も2億円のプラスとなった(前年同期は6億円の損失)。なお部門別の数値はいずれもIFRS調整前の社内試算数値。発電事業については、佐伯、豊前、大船渡、中城の各バイオマス発電所が概ね計画通り稼働した。一方で、糸魚川発電所は電力市況価格等を考慮し25年度は休止している。

 

燃料事業については、PKSを前年値や計画を下回る価格で調達できたことに加え、他社への販売数量が増加したことに伴い、売上高及び利益が大きく伸長し、利益については計画も上回った。また、イーレックスグループ初の木質ペレット工場であるベトナム・トゥエンクアンペレット工場で製造した木質ペレットを、国内の他社バイオマス発電所向けに販売したことも大きな成果として挙げた。

 

説明会では、ベトナム初の商用バイオマス発電所となるハウジャンバイオマス発電所の進捗も報告された。同発電所は2025年4月に運転開始する計画で、来期にはトゥエンクアンペレット工場も含めて営業黒字化を見込んでいる。

 

ただ、ハウジャンバイオマス発電所での燃料である「もみ殻」が米価格の下落に伴う生産量の抑制により、

価格が高騰しているほか、トゥエンクアンペレット工場で使用する木材・木質残渣も雨期や度重なる台風の影響で原料費と調達コストも上がっており課題も多い。同社は、「燃料調達先の多様化および燃料備蓄設備の整備を推進し、収益改善を進める」としており、その成果が期待される。

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

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