PFUは20~22日にかけて東京ビッグサイトで開催中の環境展に出展し、同社が得意とする光学・画像処理技術を応用し開発した検知AIエンジン「Raptor VISION BATTERY」の参考展示を行っている。ブースでは高い検知率とコンパクト設計を訴求。初日から、廃棄物処理の安全性向上を目指す多くの関係者が足を止め、最新の検知技術がもたらす可能性に熱い視線を送っていた。
「Raptor VISION BATTERY」は独自のアルゴリズムにより、一般廃棄物や産業廃棄物に混入したリチウムイオン電池等を検知するAIエンジン。廃棄物処理施設のベルトコンベア上を流れてくるごみをX線装置にて撮影し、透過したごみのX線画像に対し、画像認識処理を行い、リチウムイオン電池の有無を高精度に検知する。
2025年に実施した同社実証実験結果によれば、リチウムイオン電池の検知率94%以上。プラスチックごみだけではなく建築廃材や不燃物にまぎれた電池も高い精度で発見することが可能だ。同社スタッフによれば、「プラスチックごみの中での検知を得意とする検知システムは他社にも多いが、建築廃材や不燃物の中でも精度を維持できるシステム・機器は少なく、その部分に特にこだわって開発した」という。
また、社会実装された後に検知率が向上していくのも強みといえる。AIエンジンはモデルアップサービスで継続的にアップデートするため、今後新しく登場する多様な形状の製品や新型電池に対しても、柔軟に学習を繰り返して対応することができ、長期にわたって高い検知性能を維持し続けることが期待される。
なお、同システムはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の懸賞金活用型プログラム「NEDO Challenge, Li-ion Battery 2025」でも1位を獲得している。
また、コンパクト設計であることも、導入側にとっては大きな魅力となる。新たな検知システムを既存の処理施設に導入する際、大規模なラインの改修や新たな設置スペースの確保は大きな負担となるが、同システムはそのような懸念を払拭する。既存のベルトコンベアに後付け可能な設計であるため、スペースを節約可能なほか、導入コストも抑えることができるというわけだ。
既存のベルトコンベアに後付けできる検知システムは他社にも存在するとのことだが、「コンパクト設計と高い検知率を兼ね揃えていることが『Raptor VISION BATTERY』の武器」(同社スタッフ)と強調する。現場での実用性を極限まで高めたかたちだ。
販売開始は来年中を予定しており、リチウムイオン電池の混入に起因する発火トラブルを防ぐなど、 廃棄物処理業界が直面している課題の解決に向けた大きな一手となりそうだ。