2月12日16時、UACJは14時に発表した25年度3Q決算を受けて、16時から決算説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら(https://ssl4.eir-parts.net/doc/5741/ir_material_for_fiscal_ym16/198203/00.pdf)。

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<決算概要>(資料1ページ)

〇3Q総括
グローバルでの缶材需要が堅調に伸長したことで、販売数量、売上収益ともに前年を上回る結果となった。利益面では、米国でのスクラップ処理能力拡大によるコスト削減効果に加え、日本からの輸出増や価格改定の効果なども発現してきた。一方で、為替変動や足元の北米自動車産業の不透明さが急拡大してきたところの要因も重なり、事業利益は非常に、上期では▲131億と大きくマイナスをたが、3Q累計では、前年同期比で改善はしてきており、▲78億いう結果で終わった。
〇25年度通期業績予想
25年度の通期業績予想は、足元この3Qの板の事業環境が継続すると見込み、上方修正。前回からの事業利益は20億円増の480億円、最終利益は40億円増の270億円と、それぞれ上方修正した。
これに伴い、年間配当金見通しについても、前回から3円増額し、1株当たり45円に上方修正した。
<25年度3Q実績>
〇実績(同4ページ)
売上収益8,416億、対前年+1,032億、事業利益340億、同▲78億、棚卸資産、営業利益等含めて最終利益については249億と、ほぼ対前年度同額の結果となった。
Adjusted EBITDAにつきましては637億円、同▲64億となった。
図表1、25年度3Q実績(百万円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇事業利益・Adjusted EBITDA 分析
●前3Q累計vs今3Q累計(同5ページ)
右側の25年度の事業利益の推移、Qごとに示している。
上期は、非常に厳しいということで、1Q、2Q、非常に小さな伸びではあったが、3Qは期初想定通り事業利益は進捗した。
左側のウォーターホールは、前回の上期の報告のところから少し変化点があったところを説明する。特にTAAのところが▲9億、対前年でなっているが、上期では▲56億だったので非常に伸長した。あと、販売関係者のところについては、上期では▲7だったが、今回+11億ということで改善をした。コスト操業度差についてはまだ少し悪化して、▲47億から今回▲51億となった。今回、この3Qの171億と非常に大きく伸長した内容については、次の66ページで、24年度33Q単独と、この25年度3Q単独の事業利益の分析をしている。
●前3Qvs今3Q(同6ページ)
ポイントとなるのは、やはりTAAが+47億いうことで、特に販売数量の増加及びリサイクル原料の効果、この効果が発現したことで+47億と大きく伸長。次に、販売関係で+18億出た。ここについては、販売数量の構成・増加に加えて価格改定の効果が発現し始めているというような内容で、トータルで+18億。あと、コスト・操業のところは▲4億、板事業はかなり効果を出してきているが、少し、板事業以外の事業及びグループ会社の損益が少しマイナスに出たことで、対前年に比べて▲4億円という結果になった。あと、その他の▲10億は、前年に比べて人件費等インフレの影響で▲10億という結果になった。
〇アルミ板 品種別売上数量(同7ページ)
3Q累計で合計99.3万トンと、対前年に比べて+4.8万トンの増販。図表の右側の増減でみると、缶材がやはり5.1万1000トンと伸長した。それから、IT材、自動車材関係がそれぞれ+3,000トン、自動車材で+1,000トンいうことでプラスに転じたが、まだ厚板は対前年に比べて▲5,000トンいうような状況。
〇財政状態計算書(同8ページ)
掲載の通り。
〇キャッシュ・フロー計算書(同9ページ)
右側に財務体質を記載しているので参照。
〇UATH(タイ)(同10ページ)
「販売量は伸長、収益性改善に向けて価格改定への注力」と表題を付けているが、右上のところに記載している通り。24年度からQごとの販売数量及び事業利益の推移を示している。
販売数量は、確実に増加しているが、やはり事業利益は非常に厳しい状況。ここについては説明したとおり、バーツドルのバーツ高の影響で、非常にロールマージンを圧縮している状況が続いている。これについて価格改定も含めたロールマージンの確保に向けて取り組んでいく。
〇TAA(米国)(同11ページ)
需要は極めて好調に推移している。高い生産・稼働、販売を維持している。需要は、同社想定通りCAGR3%の伸びということで需要動向について変更はない。
生産・販売については熱間圧延、生産面においては熱間圧延の増強及びシュレッダーライン能力増大投資の稼働の開始が始まった。トータルのコスト削減にも付与している状況になっている。あと、顧客との強固な信頼。販売は引き続き高水準で推移するものとみている。
損益については、右下に、シュレッダーラインの本格稼働ということで写真を付けた。特に、シュレッダーの能力を拡大したことによって、このリサイクル原料の使用規模拡大で、米国の、こういった関税の影響等々の価格に関わらず、しっかりとスケールメリットを、今後価値創出をできるような体制がしっかりと準備が整ったということで、戦略的なリサイクル材の原料の調達面も含めて、今後注力していく。
〇UWH(米国)(同12ページ)
北米自動車市場の急変ということで、厳しい環境下で収益確保に注力しなければならない状況になっている。
右下の棒グラフが北米でのBEVの生産台数の推移を示しているが、3Q級については非常に落ち込んだ。特に、9月末でIRAの税額控除終了によって、9月までは駆け込み需要があったが、やはり3Qからは、非常に厳しいような状況。徹底したコスト改善、削減活動に注力していく。
<25年度業績予想>
〇事業利益見通し(同14ページ)
直近3Qの販売状況を踏まえて、通期の事業利益の見通しを480億円へ上方修正。事業環境は、北米関税の政策の影響は、このまま4Qも推移する。あと、半導体性装置向けの厚板は少し回復の兆しが出てきた。板事業以外の押し出し加工品等の需要が、少し減少してきているような状況。為替の変動は、バーツドルの影響については引き続き注視が必要。
4Q以降の施策については、しっかりとコスト上昇に伴う価格改定の施策を継続していく、あと、北米内で発生しているサプライチェーンの混乱を緩和するために、UACJグループとして、日本、タイから出荷対応していきたい。あと、航空宇宙・防衛材の事業は、活動は強化することで取り組んでいく。
左側のところの進捗状況をQーごとに並べているが、4Qは、3Qの171億から少し減少するとみている。事業環境は変わらないが、一過性の処理が発現するので、少し紹介する。
約30億円、事業利益が落ちるとみており、その1つの要因が、IFRSの固定資産税の時期の調整が入る。あと、年末年始の補修が全グループでやっているが、そこの補修費が4Qで発現することで、製造関係で少しマイナスが出る。各グループ会社の事業利益が少し板事業以外のところで少し苦戦をしており、その分がマイナスするという見方をしている。4Qは、3Qほどの事業利益は出ないとみている。
<25年度業績予想>
〇通期見通し(同ページ)
25年度の売上収益が1兆1,400億と、11月の見通しから+400億の増収と計画している。
事業利益は、480億ということで、+20億、11月の公表から増え、増益。あと、棚卸資産の影響180億ということで、+90億で、営業利益は660億で、11月の見通しからは+10億。当期利益は270億と、11月の見通しから+40億の計画。
これに伴い、年間配当は、45円と、1株あたり11月の公表からさらに+3円の計画。
図表2、25年度の業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇事業利益分析(前回vs今回)(同16ページ)
事業利益460億の見通しから、まずUATH▲8億は、11月から少しバーツ高が進行しているということで▲8億、TAAは+20億、リサイクル原料の効果が想定よりも発現したことと、為替換算、円の換算のところが少しプラスになるということで+20億。販売関係者は、板の数量は非常に好調に出ているということと、あと価格改定の効果が出ているが、板事業以外の販売が少し低調しているということで、そこのマイナスを考慮して、販売関係者としてとしては+13億。それから、コスト・操業は、+10億とみている。想定よりも生産量が少し多いというところから、コスト・操業のところは改善したことが1つ大きな要因。あと、その他の▲14億は、間接費等インフレの影響を少し見込んでおり、その分で▲14億とみており、最終的には事業利益480億いうことで、+20億の増益と上方修正した。
17ページは24年度と25年度の比較なので参照。
〇アルミ板 品種別売上数量(同18ページ)
25年度通期見通しは133.4万トンいうことで、11月のところからは▲1.3万トン。缶材については少し、1.2万トンほど販売数量が減るかなとみているが、自動車・厚板は、少しプラスに寄与してくるとみているのが足元、通期見通しの状況。
24年度の実績に比べ+6.8万トンということで、大きく伸長する。主に飲料缶・缶材が非常に、6.4万トンと大きく伸長しているのが販売の状況。
〇株主還元方針
11月の公表から、+3円の増配ということで、年間45円/株に上方修正する。通期のところで45円。配当性向は30.2%ということで、株主還元、配当性向については、当期利益の30%以上を目指すということで、しっかりと取り組んでいく。
<企業価値の向上>
〇資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて(同21ページ)
足元、非常に株価好調、PBRは1倍を超えたような状況になっているが、同社といたしましては、エクイティ・スプレッドの創出に向けて、資本コストの低減及びROEの向上に注力していく。
〇航空宇宙・防衛材分野等、成長分野での活動強化(同22ページ)
トピックとして、航空宇宙・防衛財分野の成長分野での活動強化ということで、この航空宇宙防衛については、今年度、合計230億円の設備投資を決定した。
左側のところの国内最大リングリング材製造設備導入ということで、2月10日にリリースした。小山の工場に約120億円の設備投資をして、特に重要分野としては、H21ロケット、H3ロケットの、宇宙関連のリング材の設備投資を行う。JAXAの技術開発テーマに採択されて、宇宙戦略基金の補助を受けながら、しっかりと対応していきたい。
右側の厚板焼入れ製材製造装置は、5月の13日にリリースしたもの。特に、航空宇宙・防衛関連の半導体製造装置向けの増強の焼入れ設備。特にここは、深谷の製造設備によって日本最大規模の高効率な設備を導入することで、しっかりとこの2つの大きな投資を、確実に利益に結びつけるという取り組みで注力している。
〇CDP2025スコア 「気候変動」、「水セキュリティ」で2年連続「A-」を取得(同23ページ)
持続的な企業価値向上に努めていく。
〇事業利益・Adjusted EBITDA 推移(同24ページ)
この25年の見通し、880億のEBITDAを、1,000億、それから事業利益480億を2027年には600億という目標に向けて、26年度をしっかりと利益の創出に努める。
〇今後のイベント(同25ページ)
25年度の本決算が5月14日の14時公開予定。IR-Dayを5月29日に開催予定
<参考>
図表3、四半期別業績推移(億円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
図表6、連結会社の業績推移

出所:LMEよりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)