Loading...

工作機械工業会受注速報 26年2月受注24.2%増1468億円、輸出の拡大が牽引継続

2026/03/11 14:21
文字サイズ
工作機械工業会受注速報 26年2月受注24.2%増1468億円、輸出の拡大が牽引継続

工作機械2月受注は1468億円(同月比24.2%増、前月比0.8%増)と8カ月連続同月比増加、年度として12月の1582億円に次ぐ受注金額となった。外需が1095.83億円(同月比29.8%増)と17カ月連続同月比増加、5ヶ月連続で1000億円を突破。内需は372.01億円(同月比10.2%増)と2ヶ月連続同月比増も、6ヶ月連続で400億円割れと低迷が続いている。

 

2月受注24.2%増1468億円、8ヶ月連続同月比増加、輸出が5ヶ月連続1000億円超

3/10の15時に日本工作機械工業会の2026年2月受注速報が開示された。2月受注は1468億円(同月比24.2%増、前月比0.8%増)と8カ月連続同月比増加、年度として12月の1582億円に次ぐ受注金額となった。また2月としては2018年の1552億円につぎ、過去2番目の受注額となった。

 

内訳は外需が1095.83億円(同月比29.8%増、前月比3.0%減)と17カ月連続同月比増加となった。5ヶ月連続で1000億円を突破、2025年12月の過去最高額1187.39億円に次ぐ、月次で2番目の受注額となった。中国でのNC工作機械振興策の継続に加え、半導体やデータセンタ関連投資が牽引した模様。欧米では航空宇宙、エネルギー関連などが牽引しているとみられる。また欧米では為替の円安により高性能の日本の工作機械に対する割安感も寄与している。2月として2018年の969.92億円を抜き、初めて1000億円超えとなった。

内需は372.01億円(同月比10.2%増、前月比14.0%増)と2ヶ月連続同月比増となったが、6ヶ月連続で400億円割れと低迷が続いている。内需の拡大期待は自立的な拡大を待つのでは足りず、高市政権の重点投資対象17分野、経済安全保障の強化と関連産業の育成、国内設備投資などへの優遇措置などの政策実行が必要となろう。日本機械工業連合会の2018年調査によると、金属工作機械は約46%が設備導入から15年以上経過しているとの調査結果がある。その後の国内受注推移から、現在、設備年齢が高まっているとみられる。今後、具体的な政策が提示されると見られるが、中国ではNC工作機械化率向上の補助政策で高水準の受注が継続しており、日本でも政策実行で大きなインパクトが発生しよう。

         (出所:日本機械工業連合会  2018年度生産設備保有期間実態調査より)

 ちなみに2017年当時の調査では日本国内の工作機械総設置台数は約74.3万台とされていた。その後、国内工作機械受注推移で推計すると、現在70~80万台が設置されていると推計される。この内、30~40%が保有経過年数15年以上と仮定した場合、20~30万台が該当することになる。ちなみに経済産業省の生産動態調査によると、2025年の工作機械総生産台数が53397台(前年比5.8%増)、この内、国内向けの単価が安い(輸出が2000万円~2500万円/台に対し国内向けは900~1200万円/台)。これを考慮すると、国内需要が年間で17000~18000台あるとみられる。今回、2台の15年以上のビンテージ工作機械を1台のNC工作機械で置き換える施策を想定した場合、10~15万台の潜在代替需要が発生することになる。これは内需の8年分にも相当する台数であり、仮に20%が置き換わると仮定しても内需総台数の1.2から1.5年分の上振れ要因となる。高市政権が中長期の視点に立って複数年度の予算措置を講ずるとして、インパクトとして2割程度の上振れもあり得る。そうした場合、年間で1000億円程度内需が膨らむこととなる。6月スタートの補助政策となると、内需で2026年は500億円程度の上乗せも(工業会では2025年比5%増の2026年内需予想4600億円に500億円加えて5100億円は前年比16%増)あり得る。この場合、2026年の工作機械受注総額は、工業会輸出予想1兆2400億円(6.5%増)と加え、ピーク時の2018年の1兆8158億円には届かないものの、2022年の1兆7596億円に並ぶ1兆7500億円(前年比9%増)程度まで拡大する期待も出てくる。

 

鍛圧機械2月受注は同月比42.3%増210.32億円と200億円大台を回復も水準は低い

金属加工機械である鍛圧機械の2月受注(3/10発表)は210.32億円(同月比42.3%増、前月比28.6%増)と、200億円の大台を回復した。ただし水準としては25年度で5番目の金額であり本格回復とは言えず、一進一退の状況が続いている。

国内が127.3億円(同月比36.1%増、前月比68.7%増)と3ヶ月ぶりに同月比増加に転じ、2025年度の中では6月の129億円に次ぐ3番目の数字となった。鉄鋼3.9倍、電気52.4%増、一方で金属は24.5%減となった。輸出は83.0億円(同月比56.0%増、前月比5.8%減)と同月比4ヶ月連続増となったが、2ヶ月連続前月比減となり、2ヶ月連続で90億円大台を割り込んでいる。中国36.4%増、北米6.2倍、インド2.2倍、東南アジア4.0倍など拡大し、韓国・台湾のみ37.6%減となった。

機種別でプレス系が127.4億円(同月比65.0%増、前月比36.4%増)で4ヶ月連続同月比増となり。2025年度に入り11月の130億円に次ぐ水準となった。製品別では、小型プレス2.1倍、大型29.4%増、超大型2.9倍、油圧プレス50.9%増、中型プレスが減少した。板金系は83.0億円(同月比19.3%増、前月比18.1%増)と2ヶ月ぶりに同月比増となった。レーザー・プラズマ5.7%増、パンチング39.5%増、ブレーキ・シャー14.1%増など。

 

工作機器1月生産は同月比14%増と9カ月連続増、ボールネジ、直動軸受も2ヶ月連続増

工作機械に関連する工作機器について、日本工作機器工業会が3/5発表した26年1月生産額が、同月比14%増の127.75億円と9ヶ月連続で同月比増を記録した。この中で主力ボールネジは28.03億円(同25%増)、直線運動用軸受も43.9億円(12%増)となった。ツバキ・ナカシマが統計から抜けた影響を除くと17カ月連続同月比増加となっている模様。両製品とも工作機械が緩やかに回復する中で、半導体製造装置向けの受注拡大の寄与、医療機器向けの拡大などを受け、今後、伸び率が高まる可能性もある。

 

米国の26年1月金属加工機械受注は同月比24.4%増4.414億ドルも、台数は低迷続く

 3/9に発表されたUSMTOの26年1月の米国金属加工機械受注は前年同月比24.4%増の4.414億ドル(同月比24.4%増、前月比45.8%減)となった。12月の受注額が過去最高額であり、前月比では反動減となっているが、1月としては2022年以来の高い受注額となっている。ただし受注台数は2024年7月以来の低水準となり、金額と台数の乖離が激しい。この背景はサプライチェーンのあらゆる場面での自動化需要の増加で複合機の比率が高まっていることが挙げられる。また、航空・宇宙メーカーからの受注が高水準であること、さらにデータセンタからの電力需要拡大に伴うエンジン、タービン、その他電動機関連向けに大型工作機械が増加したなどが寄与している。特に1月は自動車トランスミッションおよびパワートレイン部品メーカーからの受注が多く、EV生産から内燃機関車やハイブリッド車への転換投資などが含まれている模様。

 

            (*図は日本工作機械工業会、日本鍛圧機械工業会、日本工作機器工業会発表資料、米AMSからIRユニバース加工)

 

(IRuniverse Okamoto)

 

関連記事

新着記事

ランキング