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様々な視点から「亜鉛」の現状・未来が語られる――2026年IZA市場連絡会

2026/03/12 21:12
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様々な視点から「亜鉛」の現状・未来が語られる――2026年IZA市場連絡会

 日本鉱業協会・鉛亜鉛需要開発センターは11日都内で「2026年IZA市場連絡会」を開催した。主要需要セクターの動向や注目テーマを個別に取り上げ、詳細な分析を行う形で、午前・午後のセクションに分かれて進行した。講師はMartin van Leeuwen 国際亜鉛協会(IZA)技術・市場開発担当理事が務めた。

 

Martin van Leeuwen 氏

 

 午前の部では第1、第2セッションが開催され、主要需要セクター別の分析結果が紹介された。まず第1セッションからである。テーマは、「亜鉛合金市場と亜鉛ダイカスト製品市場の需要」、「自動車鉄鋼市場と需要」などだ。

 

 2035年までに世界の亜鉛合金消費量は年平均約17%増加すると予測されており、この成長は住宅・建設、自動車・モビリティ向け亜鉛ダイカスト製品需要の拡大に支えられる形となる。住宅・建設分野が最大市場で、次いで自動車・モビリティ分野が続き、両分野で世界消費の半数以上を占めると指摘された。

 

 なお、2025年時点での 地域別亜鉛合金消費 は、北アジア(中国、台湾、日本)が約92.5万トンで最大であり、インド市場は約10万トンで、今後数年以内に北米市場を上回る可能性があるとされた。

 

 技術進化により内燃機関車向けの亜鉛使用は減る一方、電子部品、センサー、コネクタ、車載通信機器向けの微細亜鉛ダイカスト需要は増加。また、人口増、都市化、小規模世帯増加により住宅設備、家電、医療・セルフケア機器向け需要も拡大するとしている。

 

 自動車分野では、車体構造材として鉄鋼が依然として主要材料であると指摘された。特に車体骨格やボディ構造では鉄鋼の使用が広く続いており、自動車材料の中でも重要な位置を占めているという。

 

 また、安全性や軽量化への対応から高強度鋼(AHSS)の採用が拡大しており、車体設計の高度化に伴い鉄鋼材料の性能向上が進んでいると説明された。アルミなど他材料との競合はあるものの、自動車用途における鉄鋼の役割は引き続き大きいと分析している。

 

 第2セクションは「亜鉛電池市場および需要」と「亜鉛メッキ鉄筋市場と開発」をテーマに進行した。

 

 亜鉛電池市場では、IZAの取り組みにより開発企業や材料供給企業の連携が進み、技術開発と市場認知の拡大が進んでいる。一次電池では亜鉛粉末や亜鉛板が、二次電池ではさまざまな亜鉛系材料が使用されるという。用途としては定置型エネルギー貯蔵やデータセンターのバックアップ電源などが想定されている。

 

 亜鉛電池はリチウムイオン電池と比べエネルギー密度では劣るものの、安全性やリサイクル性、供給網の安定性に優れると指摘。その上で、アジアを中心に2030年までに約12万トンの亜鉛が電力貯蔵用途に投入される可能性があるとした。米のEOS Energy Systemsなどが先行して商用化を進めているという。

 

 亜鉛メッキ鉄筋は腐食対策としてコンクリート構造物の耐久性を高める材料として注目されている。インフラの長寿命化や維持管理コストの低減につながる技術として、建設分野での活用拡大が期待されていると説明された。

 

 午後の部の第3セクッションでは、「亜鉛ライフサイクル評価」、「亜鉛の脱炭素化制作」、「健康」、をテーマに講演が行われた。

 

 ライフサイクルの分野では、自動車や電子機器メーカーなどの企業がサプライヤーに対し、製品のカーボンフットプリントやリサイクル含有率などを求めるようになっており、市場との関係が密接になっていると述べた。IZAはこれを受け、8年前から専門家を迎え、ガイドラインの策定を進めてきた。

 

 ガイドラインはサプライチェーンの川上から川下までを網羅する内容となっており、さらに亜鉛の循環状況を把握するためのロードマップの作成も行った。これらはガイドラインではあるものの、サステナビリティへの対応状況が製品の販売や企業が投資を受ける際の重要な条件になっている。

 

 IZAでは現在、組織内でLCAを独自に実施できるようサービスを提供している。LCAガイドラインは業界慣行に沿った内容で、参加企業の品質や活動状況を維持することを目的としている。サービス内のダッシュボード機能では、企業内のプロセスにおける環境影響を可視化し、自社と業界平均の比較が可能となっている。

 

 健康分野では、亜鉛は必須栄養素であり、健康維持に欠かせないと説明した。先進国では本的な食事から摂取できるが、アフリカなどでは植物性食品中心の食生活のため亜鉛不足が深刻になっている。

 

 IZAでは「亜鉛が子どもを救う」プログラムを支援している。このプログラムはザンビアを中心に亜鉛欠乏対策を行うもので、これまでに約5万人の子どもが支援を受けている。

 

(IRUUNIVERSE G・Mochizuki、Oshiro)

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