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Dr.WONGのプラスチック市場レポート

2026/03/17 08:50
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Dr.WONGのプラスチック市場レポート

Dr.WONGのプラスチック市場レポート:

イランと米国・イスラエルの軍事衝突は産業界にも大きな影響を及ぼしており、プラスチックリサイクル業界も例外ではない。ここではフクトミ社のDr. WONGによるプラスチック市場動向を報告する。

原油急騰、中東情勢が影響

WTI先物98ドル台に上昇 石油化学・再生材市場にも波及

国際原油市場で価格上昇が鮮明になっている。ニューヨーク原油先物市場(NYMEX)では、米国産WTI原油が1バレル=98.71ドルで取引を終え、週初の水準を大きく上回った。この背景には、中東情勢の緊迫化がある。イランを巡る衝突やホルムズ海峡でのタンカー航行の混乱が原油供給の不安を高め、市場では地政学リスクを織り込んだ買いが膨らんだ。ホルムズ海峡は世界の原油の約3分の1が通過する主要ルートだ。ここでの障害が長期化すれば、世界のエネルギー供給体制に深刻な影響を及ぼすことになる。専門家は「原油市場のボラティリティ(価格変動性)は今後も高まる」と警戒感を示す。

アジアの石油化学、供給網に混乱

中国・台湾・シンガポールで「不可抗力」宣言相次ぐ

原油高は石油化学産業にも影響を広げている。アジアの主要化学メーカーでは、ナフサなど原料供給の遅延を受け、生産調整が相次いでいる。中国の万華化学は中東向け供給契約で「フォース・マジュール(不可抗力)」を宣言。台湾のフォルモサ石化も一部製品の出荷を停止した。さらにシンガポールのAster Chemicalsや東南アジアのTPCが操業率を引き下げ、地域全体でポリマー供給の停滞が広がりつつある。この結果、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)など主要ポリマーの価格は10~30%上昇。原料コストの高騰が、加工業者や再生材メーカーの採算にまで及んでいる。

再生プラスチック市場に追い風

原料高で再生材への注目 価格も上昇傾向に

一方、再生プラスチック市場では明るい兆しが見られる。バージン材価格の急騰を受け、コスト対策として再生材を利用する動きが中国や東南アジアで活発化している。リサイクラーの間では「価格差が拡大すれば再生材の競争力が高まる」との見方が広がり、ABSやPS、PC、PMMAなどの再生樹脂価格が平均10~15%上昇した。

市場関係者によると、取引活動は依然慎重ながら、「高値を試す動き」が広がっているという。特にマレーシアでは再生材価格の上昇を背景に活発な商談が進みつつある。

ベトナム・マレーシアは規制が壁

輸入制限や在庫不足で取引量伸びず

ただし、アジア各国の事情は一様ではない。ベトナムではスクラップ輸入許可を持つ業者が限られており、多くの中小リサイクラーが原料を確保できない。マレーシアでは米国からの廃プラスチック輸入規制が強化されたほか、政府による汚職防止や不正取引の摘発が進み、調達が難航している。加えて、昨年後半の需要低迷を受けて輸入を控えていた企業が多く、手元在庫が不足。さらに、中国向け取引では年度末の在庫整理が重なり、販売余力を抑える要因となっている。

今後の見通し

原油100ドル超なら再生材価格を下支え

専門家の間では「原油が100ドルを超えて高止まりすれば、バージン材コストが一段と上昇し、再生材の価格を押し上げる」との見方が強い。逆に中東情勢が緩和し、供給が正常化すれば、上昇傾向は早期に収束する可能性もある。市場はなお不安定な状況にあり、原油の動向と各国の政策対応が、今後の環境素材市場の行方を左右しそうだ。

 

Translated by Y.SCHANZ

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