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中東情勢と内外石化製品市況 国内2次値上げの可能性が一段と高まる

2026/04/03 16:26
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中東情勢と内外石化製品市況 国内2次値上げの可能性が一段と高まる

米国・イスラエルのイラク爆撃による中東情勢の緊迫化、イランによるホルムズ海峡の実質的封鎖から2ヵ月目に入り、米トランプ大統領の思惑に反し長期化、市況上昇のリスクが高まってきた。2月末までに原油・石化製品の海外市況は急騰し、4月初めにかけては高止まりの様相もあったが、トランプ大統領の2日の演説を受け長期化懸念が再燃、市況が上昇に転じている。国内でも石化原料の急騰を受け、3月中・下旬以降はフィルム、繊維など合成樹脂関連製品の値上げ発表が相次いでいる。ただ、足元の原油・ナフサの調達・市況動向からは再値上げの必要性の可能性が高まっている。

 

アジア合成樹脂市況は4月に入り再上昇基調に

アジア合成樹脂市況は3月に入り低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの合成樹脂市況が急騰し、塩ビ樹脂が強含みとなった。3月第4週にかけては米国とイランの和平交渉の進展の報道(米国からでイランは否定)による中東情勢の緩和期待もあり各樹脂の上昇ペースは鈍化し、塩ビ樹脂は横ばいとなった。

4月2日までの市況を3月第4週と比較するとポリプロピレン、ポリスチレンが1%前後の上昇となり、低密度ポリエチレンが0.3%程度の上昇となるも、塩ビ樹脂は横ばいとなった。中国国内市況を見ると低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの3樹脂は上昇基調にあるが、塩ビ樹脂は3月末かけて軟化し、4月に入り盛り返すもわずかに下落した水準にとどまった模様だ。

 

ナフサ市況の上昇圧力は継続

トランプ大統領のSNSや記者会見の発言による情報で原油市況が大きく変動する状況にあり、米国のWTI原油は一時、バレル100ドル割れもあったが、4月には戻り高値のバレル110ドル台まで上昇している。これを受け、海外ナフサ市況は直近平均ではトン1,069ドル~1,126ドルと前週比7.2%の上昇と中東情勢緊迫化後の最高値圏に入っている。これに連れ、樹脂の原料となるエチレン、プロピレン、スチレンモノマーも数%だが上昇基調にある模様。足元の海外ナフサ市況は6月の日本の輸入ナフサ価格、引いては国産樹脂や関連製品価格のフォーミュラ制のサンテ基準となる国産ナフサ価格を押し上げることになる。

国内ではサーチャージ制の導入機運が高まり、5月からの加工製品の値上げの動きに

国内合成樹脂では3月17日以降、原・燃料高に伴う緊急価格是正の公表が相次ぎ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンでは4月1日出荷分からの値上げとなる。塩ビ樹脂では時期は異なるが4月中には出荷価格が引き上げられる。

3月末以降は樹脂加工製品での値上げ表明に移り、包装用フィルム類、合成繊維や食品トレイや断熱材などに使用される発泡性ポリスレンビーズでは先行メーカーが4月中の値上げを表明、後発メーカーも5月からの値上げを打ち出し始めている。

これらの価格是正は5月までの数量、価格の両面からの原料調達の条件で値上げ幅を決めている。そのため各社とも値上げの案内書には「今後の国際情勢の動向により、追加のお願いをさせていただく可能性もございます」と但し書きを入れている。足元の海外ナフサ市況はトン1,100ドル前後と安値から倍近い水準にあり、円安基調が続くと6月の国産ナフサ価格は12万円台半ばになると試算され、6月入着ベースの水準が続くだけでも7~9月の国産ナフサ価格が26年1~3月比90%超の上昇となる。政府、業界は輸入ナフサの6割の中東依存度を引き下げるべく米国など他地域からの調達に目途をつけたとするがそれも6月以降は不透明な状況であり、韓国など他諸国との引き合いで市況上昇のリスクもあるだけに、既に公表されたものの2次値上げの公算が高まっている

 

 

 (叶 一真)

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