米国の企業団体が米商務省に向け、タングステンスクラップの輸出規制を要求している模様だ。米鉱物リサイクル専門メディアのリソース・リサイクリング(Resource Recycling)が4月9日に伝えた。タングステンは中国の輸出規制でバージン材料の流通が枯渇し、スクラップも品薄だ。取り合いの様相が強まり、囲い込みに動く国も出始めたことになる。
■中国やロシアへの輸出を認可制に
リソース・リサイクリングが受け取った声明によると、要求しているのはタングステンカーバードなどへの鉱物リサイクルを手掛けるアメルミン(AMERMIN、本社:米テキサス州)が率いる企業団体。米商務省に対し、中国やロシア、その他敵対的とみなす国々へのタングステンスクラップに輸出許可要件を課すべきだとしている。米国で収集されたタングステン含有物質が外国の買い手によって高値で購入され、海外に出荷されているため、国内の加工業者や最終利用者への供給が減少している現状を反映したという。
■「スクラップ」の定義づけや処理能力の問題も
過去3か月間のタングステンAPTと純タングステンスクラップ価格の推移($MTU)($/kg)

タングステン価格はバージン・スクラップともに過去最高値圏での推移が続く。ベンチマークであるAPT価格は4月8日に$3190/MTUを付けた。ただ、仲値では微調整して$3000を割り込み、スクラップは3月19日から横ばいが続くなど、さすがに過熱感も強まっている。
特にスクラップについては価格のピークアウト感も滲む。取り合いや囲い込みの動きはあるものの、単純に廃材料を入手すればよいものでもないからだ。
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リソース・リサイクリングも今回の要求について、「タングステンスクラップの定義づけと、米国内のスクラップ処理能力という大きく2つの問題がある」と指摘する。まず、米政府がどこまでタングステンを含むスクラップを輸出規制の対象にするか、線引き基準が問われる。さらに、米国内のスクラップ処理企業は現時点では数が少ないため、輸出規制によりタングステンスクラップ原料を米国内に残しても処理が追い付かない可能性があるという。
(IR Universe Kure)