日本自動車工業会(自工会)は17日、経産省の脱炭素燃料政策小委員会の会合に出席し、軽油系カーボンニュートラル燃料(CNF)に関する要望を行った。同会は同燃料の本格的な社会実装におけるメリットや課題を示したうえで、政府に対し、燃料の価格差への支援やインフラ支援のほか、産官のステークホルダーが一体となった「軽油系次世代燃料TF(タスクフォース)」(仮称)の設置などを提案した。
自工会は、「車両の電動化と液体燃料の活用は共存が可能である」と前提を述べ、社会へのエネルギー安定供給とカーボンニュートラルとの両立のためには、車用のCNFの早期導入が不可欠であると強調。自工会として、「既販車への適用の可能性も含め、2020年代にHVO・合成燃料などの軽油系CNF100%に対応した車両の販売を目指す」と意欲を示した。
既に、商用車を主に扱う自工会大型車委員会では新たに「商用車CN燃料/ガス政策分科会」を立ち上げ、CNFの推進のための戦略立案機能を強化したという。
一方、CNFの社会実装に向けた課題としては、コストや品質(既販車への適用も含めた規格化・世界標準化)、供給性などを挙げ、「車両の技術対応だけでなく、次世代燃料を十分な量と適切な価格で安定的に供給できる体制の整備が不可欠であるが、普及途上においては軽油への低濃度の混合から段階的に導入を進めるなど、トータルコストの観点も踏まえた現実的な普及プロセスの検討が必要である」と主張した。
その上で、軽油系CNFが広く使用されるために、ユーザーへの啓発(安全性・CO2削減効果・燃費影響等)、燃料の価格差への支援、インフラへの支援、円滑な流通のための法整備等の施策を要望した。
また、軽油に関するアクションプランの具体化や産官のステークホルダーが一体となった推進体制の構築も求めた。具体的な例としては、官民協議会の傘下での軽油系次世代燃料TF(仮称)の設置を挙げた。
SAFを含めた供給総量をいかに確保するか
なお、同会合には定期航空協会もオブザーバーとして参加し、持続可能な航空燃料(SAF)について要望を実施。2035年以降の脱炭素燃料の社会実装に向けて⻑期的な国益を⾒据えた戦略 (グランドデザイン) の必要性を訴求した。
同協会は、「国際線を中⼼に航空燃料の需要が増加する⼀⽅で電気⾃動⾞の普及等により化⽯燃料全般の需要は減少傾向にある」と報告。ガソリン等の連産品である従来の航空燃料の減産が⾒込まれるなかで、SAFを含めた供給総量をいかに確保するかが、産業競争⼒やエネルギー安全保障の観点から極めて重要な課題だと伝えた。
(IRuniverse K.Kuribara)