4月16日、中国国家統計局は26年1Q(1-3月)の主要経済指標を発表した。実質GDPはマーケットコンセンサスを若干上回る5.0%になった。中東の状況を考慮すると健闘しているとの印象だ。
ただ、鋼材消費の過半数を占める建設関連の市況は軟化傾向が続いている。また、3月の新規投融資は3兆元とマーケットコンセンサスの3.5兆元を下回っており、今後は原油高の影響が明確に出てくるものと思われるため、足元の鉄鋼需要は意外に弱いものと思われる。
実際、WSA(世界鉄鋼協会)は、26年の鋼材消費量が+0.3%と若干ではあるが回復を予想。ただ、10月時点の見通しからは1.0ポイント下方修正されている。なお、WSAでは中国の鋼材需要は、不動産の調整が落ち着くと想定しマイナス幅の縮小を、インドおよび米国の鋼材需要が牽引するとの想定になっている。この予測は3月時点のものであり、中東情勢が6月までには収束するとの前提になっており、下振れリスクがあるとしている。
図表、中国の粗鋼生産量推移(千トン、%)

注意:伸び率は前年同月比
出所:26年3月は中国国家統計局、それ以外はWSAよりIRU作成
なお、国家統計局の発表による中国の26年3月の粗鋼生産量は前年同月比6.3%減。内需の減少に加え、輸出も低迷している。各国が中国材に対し輸入制限が行われていることが影響している。加えて、足元で中東向けの契約が取れていない状況にある。一方、内需をみても、不動産市況の下げ止まりの兆しがないことなどから、中国の減産が需要の低迷に追いついていないものと推測される。原油高による燃料コストの上昇などが今後一層のコスト悪化要因として明確になってくる。今後の中国鉄鋼需要は、ますます厳しいものとなるだろう。こうした中、中国における鋼材需要に見合った生産体制が構築されるのかにも注目したい。
(IRuniverse 井上 康)