金相場を巡り、主要金融機関や市場識者の見通しにやや温度差が広がっているようだ。2026年初には高値更新シナリオが相次いで打ち出されたが、4月に入り一部では予想引き下げも見られ始めている。もっとも、日本国内では三菱UFJ信託銀行系サイトで発信を続ける豊島逸夫氏が、引き続き中長期上昇基調を唱えているとみられる。
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JPモルガンは2月時点で6,300ドル予想を維持
米金融大手 JPMorgan Chase は、2月25日付の顧客向けノートで、2026年末の金価格目標を1オンス=6,300ドルに据え置きつつ、長期見通しを15%引き上げて4,500ドルとしたと報じられている。(Reuters)
同行は背景として、
• 中央銀行による継続的な金購入
• 米国債保有削減の動き
• ドル依存の低下
• 人民元など他通貨への分散
を挙げ、「基軸通貨体制の転換」と「投資家の大規模分散化」が進んでいるとの見方を示したとされる。(Reuters)
現時点でJPモルガンがこの6,300ドル予想を正式に取り下げたとの報道は確認されておらず、少なくとも公表ベースでは強気見通しが維持されている可能性が高い。(Reuters)
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JPモルガン、金の長期価格見通しを15%引き上げ 4,500ドルへ
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モルガン・スタンレーは4月23日に5,200ドルへ下方修正
一方、Morgan Stanley は、4月23日報道ベースで、2026年後半の金価格見通しを従来の5,700ドルから5,200ドルへ約9%引き下げたと伝えられている。
同行は、
• 年初高値5,600ドル近辺から約25%下落した調整局面
• FRB利下げ先送りによる実質金利上昇
• 流動性環境の変化
• 供給ショック
などを重視し、金は今後「不確実性ヘッジ」よりも、金利・流動性・金融政策を映すマクロ指標として動く局面に入りつつあるとの見方を示したようだ。
これは、JPモルガンの構造強気論とは対照的に、足元の金融環境悪化をより重視した慎重論と見ることもできそうだ。
Morgan Stanley cuts gold price forecast by almost 10% - MINING.COM
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日本では豊島逸夫氏がなお中長期強気スタンス
日本国内では、三菱UFJ信託銀行系の貴金属情報サイトでコラムを続ける 豊島逸夫 氏が、比較的一貫して強気スタンスを維持しているとみられる。https://kikinzoku.tr.mufg.jp/ja/blog/market/archive.html
同氏は2025年後半から2026年にかけて、
• トランプ再登場による政策不透明感
• 地政学リスクの長期化
• 中央銀行買いの継続
• 円建て金価格の底堅さ
などを繰り返し指摘してきたとされる。
また、2026年4月の急落局面後も、ETF主導の短期売りと現物保有層を切り分け、中長期トレンドは崩れていないとの趣旨の論調が目立つようだ。
市場では、日本の個人投資家向け金市場において、同氏の見方が一定の影響力を持つとの評価もある。
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予想が分かれる理由――制度変化か、金利環境か
各社の見通しの違いは、金価格を何で説明するかの差とみられる。
強気派(JPモルガン・豊島氏など)
• ドル体制への不信
• 中央銀行買い
• 地政学リスク
• 長期資産分散需要
慎重派(モルガン・スタンレーなど)
• 高実質金利
• 利下げ先送り
• 流動性縮小
• 急騰後の調整圧力
つまり、
金を「制度変化の受け皿」と見るか、
「金利敏感資産」と見るか
で、価格予測に差が出ている可能性がある。
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現実の相場は二層構造か
足元の金価格は、年初来では依然高水準を維持しつつも、過去最高値5,500ドル台からは調整し、4,600〜5,200ドル近辺で不安定に推移しているとされる。
この値動きを踏まえると、
• 長期資金・中央銀行はなお強気
• 短期資金は金利や政策材料で揺れやすい
という二層構造に入っている可能性もある。
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結語――強気一色ではなくなったが、弱気にもなり切れていない
2026年2月時点では6,000ドル超予想が相次いだが、4月にはモルガン・スタンレーが下方修正に動いた。一方、JPモルガンは現時点で6,300ドル予想を維持しているとみられ、日本では豊島氏もなお中長期強気論を崩していないようだ。
金市場はいま、
「通貨秩序の変化」と「高金利の現実」
この二つの力がせめぎ合う局面にあるのかもしれない。
次の大きなトレンドは、どちらが勝つかで決まりそうだ。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。