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2026年2月 コバルトくず輸出統計分析 急反落、1月特需剥落でほぼ停止――価格高止まりも実需弱く

2026/04/27 08:36
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2026年2月 コバルトくず輸出統計分析 急反落、1月特需剥落でほぼ停止――価格高止まりも実需弱く

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(詳細分析)
■輸出数量の動向(2026年2月アップデート)
コバルトスクラップの輸出数量を見ると、2月は1トンと、1月62トンから急減(前月比2%)し、年初の増加は一時的な動きにとどまった。前年同月比でも2%と大幅減少で、極端な低水準に落ち込んだ。
2月の実績は、米国向け1トンのみで、1月に全体を牽引したシンガポール向け57トンはゼロとなり、英国向けもゼロ、その他主要向け地も出荷実績が見られなかった。1月の大口スポット出荷の反動減がそのまま表れた格好である。
2026年1-2月累計は63トンとなり、前年同期比77%。年初2カ月では前年を下回る推移となっている。内訳では、シンガポール向け57トンが累計の大半を占め、米国向け5トン、英国向け1トンにとどまる。シンガポール向け累計は前年同期比139%と増加した一方、米国向けは同29%、英国向けは同8%と大きく減少した。
■分析・評価
2月は1月のシンガポール向け大口案件の反動で、輸出数量が急失速した。累計でも1月単月依存の構図が鮮明で、継続的な需要回復とは言い難い。米国・英国向けの基調はなお弱く、コバルトスクラップ輸出は単発案件主導・仕向け地偏重・月次変動の大きい不安定な市場構造が続いているとみられる。


(表―1、グラフ―1)。



 

■数量構成では、1月→2月で、
国・地域    2026年1月    2026年2月    変化
シンガポール    92%    0%    ▲92pt
米国    6%    100%    +94pt
英国    2%    0%    ▲2pt
その他    0%    0%    ±0pt
2月は輸出数量そのものが1トンまで急減する中、仕向け地構成も再び激変した。1月に全体の92%を占めたシンガポール向け57トンがゼロとなり、代わって米国向け1トンのみで全体の100%を占める構図となった。英国向けも1月の1トンからゼロへ減少した。
結果として、1月のシンガポール一極集中型から、2月は米国向け単独・極小規模出荷型へ急転換した形である。ただし、2月は総数量が極端に小さいため、構成比の変化は実需拡大を示すものではなく、1月のスポット案件剥落後に通常の低水準へ戻った動きとみるのが妥当である。
総じて、コバルトスクラップ輸出は継続需要に基づく安定フローではなく、単発案件で月次構成が大きく振れる不安定な市場構造が引き続き鮮明となっている。
(グラフ―2)。


 


■金額面では、2月は急減、1月のシンガポール特需剥落で極小水準に
2月単月の輸出金額は1百万円(0.8百万円)となり、1月135百万円から急減(前月比0.6%)した。前年同月比でも1.2%にとどまり、ほぼ輸出停止に近い水準まで縮小した。1月に見られた急回復は単月要因だったことが鮮明となった。
内訳を見ると、米国向け1百万円のみで、1月に全体の大半を占めたシンガポール向け125百万円はゼロとなった。英国向けも1月2百万円からゼロへ減少し、その他地域も実績は確認されなかった。
数量面でも、2月輸出数量は1トン(前月62トン比2%)まで急減しており、金額急落は価格要因ではなく、大口出荷案件の消失による数量要因が主因とみられる。1月はシンガポール向け57トンの集中出荷が金額を押し上げたが、2月はその反動が全面的に表れた格好である。
■1-2月累計では前年超えも、実態は1月依存
2026年1-2月累計金額は136百万円となり、前年同期比136.7%と前年を上回った。もっとも、その大半は1月のシンガポール向け125百万円によるもので、累計の約9割超を単月で占める。
累計内訳では、
•    シンガポール向け125百万円(前年比364.9%)
•    米国向け9百万円(同26.2%)
•    英国向け2百万円(同7.6%)
となり、従来の主力だった米英向けは低調が続く。
数量累計も63トン(前年比77%)にとどまっており、金額累計のみ前年超え、数量は前年割れという構図である。高単価スポット案件の寄与が大きく、基調的な需要回復を示す内容ではない。
■総じて
2月は1月のシンガポール向け特需が剥落し、金額・数量とも急失速した。累計では前年超えを維持するものの、実態は1月単月依存であり、継続的な輸出回復とは言い難い。コバルトスクラップ輸出は引き続き、単発案件主導・仕向け地偏重・月次変動の極めて大きい不安定市場と整理できる。
(表―2、グラフ―3)。
 


 

■輸出FOB単価では、1月→2月で大きく低下した。
全体平均は、1月のキロ2,181円から2月は772円へ急落した。もっとも2月は米国向け1トンのみの実績であり、平均単価も米国向け単価そのものとなっている。
国別では、
米国向けが1,996円→772円へ大幅低下。
英国向けは1月1,912円から2月ゼロ。
シンガポール向けも1月2,198円から2月ゼロとなった。
一方、LMEコバルトは1月55,857ドル/トンから2月55,848ドル/トンとほぼ横ばいで、高値圏を維持した。にもかかわらず日本の輸出FOB単価が大きく下落したのは、LME連動というより、1月のシンガポール向け高単価スポット案件が剥落し、2月は米国向け小口・低単価案件のみとなった構成要因が大きい。
総じて2月は、国際コバルト市況は高値圏で安定していたものの、輸出実績が極小化したため、FOB単価は統計上大きく低下した。継続的な市況下落というより、品位・契約条件・仕向け地構成の変化による単月要因と整理できる。

(グラフ―4)。
 

税関別実績数量・FOB(JPY/Kg)カッコ内は前月

 

■今後の展望
コバルトスクラップ輸出は、引き続き特定仕向け地へのスポット案件依存という不安定な構造が続く見通し。1月はシンガポール向け大口出荷で急回復したが、2月はほぼ消失しており、継続的な輸出需要の強さを示す内容ではなかった。数量面では今後も単月ごとの振れが大きく、低水準と急増を繰り返しやすい。
価格面では、DRコンゴの輸出割当による供給抑制効果がなお市場の下支え要因となっており、LMEコバルトは高値圏を維持している。ただ、市場では既に割当ショックを相当程度織り込んでおり、追加的な上昇材料は限られる。中国硫酸コバルトや現物指標も横ばい色が強く、需給逼迫による一段高というより、供給制約を背景にした高止まり局面とみられる。
一方で、EV販売の伸び鈍化や電池材料需要の弱さが意識され、最終需要面には依然として不透明感が強い。スクラップ需要も精錬・電池材向けの慎重調達姿勢に左右されやすく、価格だけが先行して数量が伴わない展開も想定される。
総じて、当面のコバルトスクラップ輸出は、「数量は不安定・価格は高止まり・需要回復は鈍い」という三層構造で推移する公算が大きい。市況は強気一辺倒ではなく、供給制約と需要停滞が綱引きする神経質な局面が続こう。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

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