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2026年2月フェロシリコン輸入統計分析 中国主導に回帰、単価はミックス高で反発

2026/04/27 21:08
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2026年2月フェロシリコン輸入統計分析 中国主導に回帰、単価はミックス高で反発

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【貿易統計/日本】 2026年2月のフェロシリコン輸入統計
鉄鋼生産概況月次:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)

為替相場推移 TTS 3か月


 

(詳細分析)
■数量では、2月単月は2万3,360トンと、前月1月の2万6,273トンから減少し、前月比89%と反落した。一方で、前年同月比では128%と前年水準を大きく上回っており、年初2カ月の需要は底堅さを維持している。
1月は急伸したマレーシア向け流入が全体を押し上げたが、2月はその反動減が表れ、総量はやや調整した格好となった。
輸入先別にみると、上位2国では、
・中国は9,407トンで、前月比134%と増加、前年同月比でも169%と大幅増。1月の減少から回復し、再び主要供給源として存在感を高めた。
・マレーシアは6,328トンで、前月比51%と大幅減。ただし前年同月比では227%と高水準で、1月の突出した供給の反動調整とみられる。
・ロシアは当月も実績ゼロで、供給停止状態が継続した。
第2グループでは、
・ブラジルは2,217トンで、前月比672%と急増。ただし前年同月比では54%にとどまり、回復途上の域。
・カザフスタンは3,391トンで、前月比92%とやや減少ながら、前年同月比では167%と高水準を維持。安定供給源として存在感を示した。
・アイスランドは1,463トンで、前月比154%と増加したが、前年同月比では62%となお低調。
・その他は554トンで、前月比28%と減少、スポット供給は縮小した。
1-2月累計数量は4万9,633トンとなり、前年同期比102%と前年並みを確保した。内訳では、マレーシア1万8,675トン(前年比157%)、カザフスタン7,086トン(同148%)が伸長。一方、中国は1万6,411トン(同90%)とやや減少、ブラジルは2,547トン(同31%)と低迷した。ロシアは累計ゼロで、供給構造から事実上消失している。
総じて、2月は中国の回復とブラジル急増がマレーシア反動減を補う構図となり、全体数量は小幅調整にとどまった。累計では前年並みを維持しているものの、ロシア不在を中国・マレーシア・カザフスタンで埋め合わせる再編構造が続いており、月次で供給国構成が大きく変動する不安定な局面が継続している。

(表―1、グラフ―1)。



 

■国別数量構成比では、1月→2月で次のような変化がみられる。
・中国は27%→40%と大幅上昇し、再び最大供給国の地位を奪回した。数量ベースでも増加しており、主導権が中国側へ戻った形である。
・マレーシアは47%→27%と急低下。1月の突出した流入の反動減が鮮明で、最大供給国の座を中国へ譲った。
・ロシアは0%→0%で、引き続き実績ゼロ。供給不在の状態が継続している。
・ブラジルは1%→9%と大きく上昇。数量でも急増しており、補完供給源として存在感を回復した。
・カザフスタンは14%→15%と小幅上昇。安定的な第3極として一定のシェアを維持している。
・アイスランドは4%→6%と上昇し、周辺供給源として持ち直した。
・その他は7%→2%と大幅低下し、スポット調達は縮小した。
結果として、2月は1月のマレーシア主導型から、中国主導+マレーシア補完型へ再転換した月といえる。中国・マレーシアの2国合計シェアは74%→67%へ低下した一方、ブラジル・カザフスタン・アイスランドが比率を高め、供給構造はやや分散化した。もっとも、依然として中国・マレーシアの二大供給国が過半を占めており、基軸構造自体に大きな変化はない。

(グラフ―2)

 

■金額では、2月単月は48億06百万円となり、1月(50億70百万円)から減少、前月比95%と反落した。前年同月比では99%と、ほぼ前年並みの水準まで回復している。
数量面では2月輸入量が2万3,360トンと前月比89%へ減少した一方、平均単価は高めの水準を維持しており、金額の下げ幅は数量減ほど大きくならなかった。市況は弱含みながらも、調達ミックスの変化が金額面を下支えした格好である。
輸入先別にみると、
・中国は17億31百万円で最大。前月比136%、前年同月比159%と大きく増加し、数量増加と構成比上昇を背景に主導権を回復した。
・マレーシアは10億67百万円で、前月比51%と急減したが、前年同月比では203%と依然高水準。1月の急増の反動減が鮮明となった。
・ブラジルは7億40百万円で、前月比526%と急増。ただし前年同月比では48%にとどまり、水準訂正の範囲とみられる。
・カザフスタンは6億21百万円で前月比93%と小幅減、前年同月比144%と堅調。安定供給源として存在感を維持。
・アイスランドは4億80百万円で前月比123%と増加したが、前年同月比では53%。
・その他は1億68百万円で前月比34%と縮小し、スポット案件は一服した。
1-2月累計金額は98億76百万円となり、前年同期比83%。数量累計が前年並みを確保する一方、単価水準の切り下がりが響き、累計ベースではなお前年割れとなっている。
総じて2月は、中国の回復とブラジル・周辺国の持ち直しが下支えした一方、マレーシアの反動減が全体を圧迫した。累計では数量は底堅いが金額回復は鈍く、「数量維持・単価低迷」の構図が続いていると整理できる。

(表―2、グラフ―3)。



 

■輸入CIF単価は、全体平均で前月193円/kgから当月206円/kgへ上昇し、2月は再び切り返す展開となった。為替面では月中にやや円高方向へ推移したが、それにもかかわらず円建て単価が上昇しており、ドル建て価格要因に加え、数量構成の変化(中国・高単価ブラジル比率上昇)が平均単価を押し上げたとみられる。
国別では、
・中国は182円→184円と小幅上昇。数量も増加しており、主力供給国として価格・数量の両面で存在感を回復した。
・マレーシアは170円→169円と横ばい圏ながらやや低下。数量は大きく減少しており、前月の主導的ポジションから後退した。
・ロシアは引き続き実績なし(0)で、評価対象外。
・ブラジルは426円→334円と反落したものの、依然として主要国中では高値圏。数量急増とあわせ、平均単価押し上げ要因として作用した。
・カザフスタンは180円→183円と上昇し、安定高値圏を維持。
・アイスランドは411円→328円と大きく低下。数量増加もあり、高単価供給源ながら調整色が強まった。
・その他は257円→303円と上昇。ただし数量は縮小しており、スポット案件中心の高単価化とみられる。
総じてみると、2月は円高進行が本来なら円建て単価の抑制要因となる局面だったが、中国比率の上昇、ブラジル・カザフスタンなど比較的高単価材の増加、マレーシア比率低下がこれを打ち消し、全体平均は上昇した。価格面では市況そのものより、調達ミックス主導で切り返した月と整理できる。

一方、ベンチマークとなる中国品の国際価格は、
1月 $1150.00/t→ 2月 $1145.00/tと反落、輸入CIF単価の上昇とは反対の動きとなっている。

フェロシリコン(75%min FOB China)1年

 

(グラフ―4)。


 

主要税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

 

■今後の展望
フェロシリコン輸入市場は、数量面では2月も2万トン台を維持しており、国内需要が急減している局面ではなく、当面は底堅い調達需要が続く公算が大きい。一方で月次数量は2万3千~2万6千トン程度のレンジ内で振れやすく、積み地や船積みタイミングによる変動も続きそうだ。
供給構造では、1月のマレーシア主導型から2月は中国主導型へ再転換し、主力供給国の入れ替わりが続いている。中国・マレーシアの二大供給源を軸に、ブラジル・カザフスタン・アイスランドが補完する多極構造は維持される見通しだが、ロシア材の不在継続により、従来の三極体制には戻りにくい。結果として、安定供給は確保されつつも、月ごとの構成変動が大きい市場が続くとみられる。
価格面では、2月は円高進行にもかかわらずCIF平均単価が上昇しており、為替よりも調達ミックス(高単価材比率)の影響が強いことが確認された。今後も中国材増加時には平均単価は比較的安定しやすい一方、ブラジル・アイスランド・カザフスタン比率が高まる局面では平均単価が跳ねやすい。したがって、相場は市況単独で動くというより、数量構成次第で上下するレンジ相場となる可能性が高い。
需要面では、鋼材・鋳物向けの実需回復がなお力強さを欠くため、急激な輸入増勢や価格急騰シナリオは描きにくい。一方、電力コストや還元材コストなど生産側コストは依然として下支え要因であり、価格の大幅下落にもつながりにくい。
総じて、当面のフェロシリコン輸入市場は、「数量は横ばい圏で推移、価格はミックス主導で上下」という展開が基本シナリオとなろう。市場を見る上では、国際相場そのもの以上に、中国・マレーシアのシェア変動と高単価補完材の流入状況が重要な判断材料になる。

 

(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

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