鉛蓄電池業界の動きが慌ただしい。その震源地は4月1日に社名変更し、新たなスタートを切ったエネソルブホールディングス。株式上場を目指すとの報道が一部出る一方、傘下の古河電池とエナジーウィズは相次いで、6月1日出荷分からの産業用鉛蓄電池などの値上げを発表した。リチウムイオン電池に話題を奪われがちだが、鉛蓄電池の潜在成長力は市場関係者から高く評価されており、成長シナリオ実現に大きく舵を切った形だ。慌ただしい動きからしばらく目が離せそうにない。
株式上場を巡る報道について、事情通の一人は、「1日の社名変更を背景に、資金調達、ブランド力の強化を一気に目指す。それが理由だろう」と指摘する。具体的な上場手続きがどう進むのか、今後のスケジュールをしっかり押さえておく必要があるだろう。
傘下の古河電池とエナジーウィズがそろって値上げ発表に動いたのも、直接のきっかけは主原料の地金高と中東を背景にした硫酸の国際市況の高騰やエネルギーコストの上昇などとしても、事業体質強化を目指す動きと位置付けた方がよいだろう。
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28日に値上げを発表したエナジーウィズによると、6月出荷分より順次、産業用鉛蓄電池、産業車両用鉛蓄電池、自動車用鉛蓄電池、電源機器を対象に、値上げする。改定率は10%以上になる見通し。
先行して22日に古河電池も値上げを発表しており、それによると値上げ対象は、産業用鉛蓄電池、産業用電源システム(直流電源装置・無停電電源装置・電池盤等)になる。改定率は10%以上で、6月1日 出荷分から実施としている。
「硫酸の国際価格の高騰による国内価格の連れ高や、近年の国内製錬の縮小も需要家として懸念している。それ以上に(これも厳しい製錬のTC/RC事情を反映しているが)地金のプレミアム高の要因が見逃せない。廃バッテリーを原料にしている二次精錬メーカーについては、国内の厳しい原料事情も加味して、契約交渉に臨んでいる」(電池メーカー関係者)という。
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厳しい製錬事情による地金高や中東情勢の緊迫化で業界に変革が起きる中、鉛蓄電池の巨人の動向に注目が集まりそう。
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(IRuniverse G・Mochizuki)