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住友金属鉱山:26/3期決算説明会を開催。中東要因は200億円織り込む

2026/05/11 21:46
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住友金属鉱山:26/3期決算説明会を開催。中東要因は200億円織り込む

 5月11日16時、住友金属鉱山は14時半に発表した26/3期決算を受けて、電話会議を行った。説明に使われた資料はこちら。説明は清水広報IR部長が行った。

 

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<25年度実績>

〇税前損益(資料9P)

 25年度の金属価格及び為替レートの実績。資料の左下の表。3月決算会社に適用される4月から3月平均の前年対比については、銅と金の価格は上昇、ニッケルの価格は下落、為替は円高となった。

 12月決算会社に適用される1から12月平均の前年対比についても、銅と金の価格は上昇、為替は円高となった。

 資料上段のグラフの通り、税前利益は、前年同期間に比べ2,243億円の増益となる2,557億円となった。これは過去2番目に高い利益水準。増益の主な要因は、24年度に計上した▲1,127億円の減損損失の影響がなくなったこと、銅価格と金価格の上昇、期を通して金属価格が上昇基調で推移したことによる在庫評価影響の好転、また、材料事業の好転などが増益の主な要因。

 資料右端に25年度の実力損益を掲載しているが、25年度実績から、金属価格や為替の変動局面において発生する要因とその他の特殊要因を除いたもの。25年度の実力損益は1,700から1,600億円となり、24年度の実力損益と比べると500億円の上方修正となった。銅価格・金価格の上昇といった外部要因の好転などが上方修正の主な要因。

 

〇トピックス(同4P)

 26年度の業績予想を説明する前に、その前提となる中東情勢の影響、レアアース調達の状況について説明。いずれも現時点では生産や販売への影響はないが、事態が長期に及んだ場合には影響が出ると見込んでいる。

 現在、原料や操業資材の安定調達に向け、ビジネスパートナーと交渉を進めている。このような状況の中、これから説明する26年度の業績予想は4月上旬の状況を踏まえて作成したが、エネルギーを含む操業資材等は中東情勢を受けてその後も価格が上昇しており、その損益影響は別途各セグメントの業績予想に追加で約▲200億円を織り込んでいる。具体的には、資源セグメントで約▲150億円、製錬セグメントで約▲50億円。なお、資源セグメントの損益影響額は、JVパートナーであるオペレーターの見通しではなく、同社の見通しであること、また、持分法適用会社で見込まれる影響も総利益の段階で織り込んでいる。

 

〇26年度の概況(同14P)

 資料左下の表。3月決算会社に適用される4月から3月平均の同金ニッケルの価格は上昇、為替は円安と想定。12月決算会社に適用される1月から12月平均の銅と金の価格は上昇、為替は円安と想定。

 この前提のもとで見直した今回の業績予想では、税前利益は2,290億円と、前年度から267億円の減益を予想。

 その主な増減要因は、資料上段のグラフで示ししている通り、価格条件、為替差は損益を押し上げるものの、25年度に大きく損益を押し上げた在庫評価影響が剥落すること、操業材等の値上がりによるコスト単価差の悪化、材料セグメントにおいて電池材料のハイニッケル系NMCへの切り替えにかかる販売量減少と切り替え費用の増加などを見込んでいる。また、先ほど説明した通り、業績予想作成後に織り込んだ中東情勢の影響約▲200億円はその他に織り込んでいる。

 資料のグラフの右端に26年度の実力損益の予想を掲載している。今回の業績予想における26年度の実力損益は、2,400億円から2,300億円と想定。25年度の実力損益に対しては、金属価格の上昇や円安といった外部要因の好転のほか、QB銅鉱山稼動の増産効果などにより、700億円の上方修正となる。

 

〇株主還元(同5-6P)

 同社は、財務戦略の基本方針として、財務健全性の観点から、自己資本比率を50%超とし、また、資本コストを意識した経営を推進するため、その適正水準を55%と位置付け、株主還元等を強化し、28/3期までに58%とすることを目指すとしている。

 また、株主還元方針については、剰余金の配当は原則、配当性向35%以上とし、自己資本比率が同社の適正水準とする55%を上回る間は、下限指標をDOE3.5%とする。

 本日発表した26/3期配当予想の修正関するお知らせと合わせて、説明資料の6ページ参照。25年度の配当予想は、配当性向35%が下限指標DOE3.5%を上回るので、配当性向35%を適用し、1株当たりの年間配当金の予想は、前回から45円増加の228円とする。その結果、期末配当の予想についても、前回から45円増加し、163円となる予定。

 26年度の年間配当額は、配当性向35%よりもDOE3.5%の方が大きくなる見込みであることから、DOE3.5%を適用することとし、その結果、1株当たりの年間配当金の予想は、25年度から21円減配となり、1株当たり207円となる予定。

 

〇自己株式取得(同6P)

 財務戦略の基本方針と株主関連方針に従い、25年度に続き、自己株式の取得を実施する。今回は200億円400万株を上限とし、26年5月12日から7月31日の間で実施。また、今回取得したすべての自己株式については、26年9月30日付で焼却する予定。

 

 以下、ポイントのみ説明

 

〇曽於益分析、セグメント別

●資源セグメント(同26P)

 資源セグメントの売上総利益は、683億円増益となる1,415億円となった。菱刈鉱山は、25年度は年間販売金量を3.5トンとし、計画的に操業を行った。その結果、24年度と比べて減産・減販となったため、数量差とコスト単価差は悪化したが、金価格の上昇により価格差が好転した。

 コテ鉱山は順調に操業を行い、金価格の上昇の追い風を享受した。なお、コスト単価差の▲86億円やその他の▲32億円については、24年度の費用認識が8月の商業生産開始以降であったことによる差異が主な要因で、トラブル等に起因するものではない。

 モレンシー銅鉱山は、12月決算会社に適用される1-12月の銅価格の上昇により価格差が、また、創業コスト削減や効率向上の取り組みの成果等によりコスト単価差が好転した。

 次に、持分法投資損益について。セロベルデ銅鉱山、カンデラリア銅鉱山は、ともに、おおむね計画通りの操業を行い、主に12月決算会社に適用される銅価格上昇により価格差が好転し、いずれも増益となった。QB銅鉱山は、尾行体積上の設備不調等はあったが、12月決算会社に適用される銅価格上昇により価格差が好転し、増益となった。

 次に、セグメント損益について2点補足する。まず、QB銅鉱山開発に際し、同社が現地の銅鉱山運営会社に対して必要資金の融資を行っており、その融資に対する受取金利が、24年度の実績、25年度の実績ともに含まれている。また、24年度の実績には、アイアムゴールド社によるコテ金鉱山権益買い戻しオプション行使による同社の譲渡損益67億円が含まれているが、25年度実績には含まれていない。

●製錬セグメント(同27P)

 製錬セグメントは、946億円の増益となる1,199億円となった。増益の主な要因は、前年度に計上したニッケル系の減損損失約▲554億円の影響がなくなったことだが、それ以外の要因について説明する。

 まず合計で、価格条件差、加工収入、TCRCが低下したことにより悪化した。在庫評価は、主に金や銀の価格の上昇などにより好転した。その他は、硫酸などの価格上昇などにより好転した。なお、硫酸価格の上昇は合計では利益に貢献するが、硫酸はフィリピンのHPALにおける主要操業資材のため、ニッケル系ではコスト単価の悪化につながる。

 続いてニッケル系。価格条件差はニッケル価格低迷により悪化した。コスト単価差は、硫酸価格の上昇などはあったものの、各拠点の操業コストの低下や、昨年減損損失を計上したCBNCの減価償却費の減少などにより好転した。在庫評価は、コバルト価格の上昇のほか、ニッケル価格の下落の速度が前年度よりも緩やかであったことが好転の主な要因。

●材料セグメント(同28P)

 電池材料については、順調に操業を続けたが、販売価格に連動する金属価格が下がったため減収となった。機能性材料については、パッケージ材料の事業環境悪化による減収はあったが、データセンター関連の電子部品向け部材、粉体材料や結晶材料については堅調に推移し、増収となった。

 次に、セグメント損益について。電池材料の好転については、225/3期決算において減損損失を計上したことによる減価償却費の減少や、金属価格上昇による受払差の好転が含まれている。能性材料事業は、データセンター関連の電子部品向け部材の需要が堅調であったため、増益となった。

 

<26年度予想>

〇損益分析(同29P)

 6年度予想の前提となる価格と為替は、3月決算会社に適用される価格は、銅は1万1,000ドル/トン、ニッケルが7.5ドル/ポンド、金が4,200ドル/トロイオンス、為替は155円/ドルと、25年度の実績と比べ、銅、ニッケル、金の価格は上昇し、為替は円安の水準での推移を想定。

 1点補足する。先ほど説明した通り、業績予想は4月上旬の状況を踏まえて作成しているが、エネルギーを含む操業資材等について、中東情勢を受けて当初想定よりも価格が上昇しており、その影響は各セグメントの業績予想に合計で200億円、具体的には資源セグメントで約150億円、製錬セグメントで約50億円を盛り込んでいる。繰り返しになるが、この影響はJVパートナーであるオペレーターの見通しではなく、同社の見通しであるということ、また、持分法適用会社で見込まれる影響も売上総利益の段階で織り込んでいることに注意。なお、現在も計画通りの操業に向け、ビジネスパートナーと安定調達に向けた協議を進めており、感応度等の詳細の開示は控える。

 

〇セグメント別

●資源セグメント(同30P)

 資源セグメントの売上総利益は、45億円の増益となる1,460億円と予想。菱刈鉱山、コテ金鉱山ともに金価格の上昇による好転を予想。菱刈は26年度も年間販売金量3.5トンとし、計画的に創業を行う。コテ金鉱山も、年間販売金料は25年度と同水準を見込んでいる。

 モレンシー銅鉱山は、銅価格の上昇により価格差の好転を予想。コスト単価差は、操業コスト削減や効率向上の取り組みの成果を見込む一方で、エネルギーを含む操業資材の価格の上昇により悪化を見込んでいる。その他、調整の▲173億円について説明する。このうち、▲150億円が中東情勢を踏まえて追加した影響額。

 次に、持分法投資損益について。セロベルデド銅鉱山、カンデラリア銅鉱山は、各種操業資材等の値上がりの影響はあるが、生産量・販売量に大きな変化はない。なお、セロベルデ銅鉱山は減益予想となっているが、その大きな要因である価格差について補足する。12月決算会社に適用される1-12月の銅価格は、先ほど説明の通り、25年度よりも上昇すると想定しているが、足元の価格からは下落する想定となっている。そのため、海外動向山とその顧客である銅製錬所との間で契約上発生する銅精鉱の代金の生産差が鉱山側にとって減益方向となり、その結果、セロベルデ銅鉱山が減益予想となっている。

 QB銅鉱山は、尾行体積場設備への対応の進捗を受け、増産増販を見込む。現在進めている尾行堆積場への対応は、おおむね計画通りに進んでいる。JVパートナーと引き続き協力し、操業の安定に取り組んでいく。

●製錬セグメント(同31P)

 製錬セグメントの売上総利益は、519億円の減益となる680億円と予想。まず、数量差の悪化は、使用する銅精鉱に含まれる金の減少によるもので、原料の構成差。価格構成差は好転を想定。これは販売プレミアムの好転による効果など。コスト単価の好転は、各種操業資材等の値上がりはあるものの、定期炉修のあった25年度に比べ、生産量・販売量の増加が主な要因。その他では、金、銀、硫酸など産品の価格上昇等による好転を予想。

 ニッケル系について。数量差はニッケルの減販を想定しているが、コバルトの増販を想定。価格条件差はニッケルとバルト価格の上昇を想定しているが、ニッケルの販売条件の悪化を想定。コスト単価の悪化は、硫酸等の資材価格の上昇による単位コストの悪化を予想。その他、調整の▲2億円について。このうち約▲50億円が中東情勢を踏まえて追加した影響額。なお、在庫評価損益が大きな減益要因となっているが、これは、25年度は金属価格の上昇と円安が進行したのに対し、26年度の予想では金属価格や為替の変動を想定していないため。

●材料セグメント(同32P)

 機能性材料の売上高の開示方法の変更について。これまで、粉体材料、パッケージ材料、結晶その他消去の3分類で開示してきたが、同社の組織変更に合わせ、資料に記載の通り粉体材料とデバイス材料その他消去に変更する。

 電池材料事業については、ハイニッケル系NMCへの切り替えを予定しており、NCAの販売数量の減と切り替え費用の発生により減収減益を見込んでいる。

 機能性材料事業については、電子部品市場における需要には濃淡があるが、全体としては前年同様、データセンター関連の電子部品向け部材の堅調な推移を見込んでいる。

 

<参考>

図表、新前提とメタル価格の推移(前提を100、%)

出所:LME、COMEX、NYMEXよりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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