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山一電機 26/3期は高速光トランシーバ用コネクタがデータセンタ向けなどで活況、16.3%増収40.5%営利増で最高収益更新、27/3期も先端半導体用検査ソケット、DC用光伝送用コネクタで最高益更新続く

2026/05/14 04:51
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山一電機 26/3期は高速光トランシーバ用コネクタがデータセンタ向けなどで活況、16.3%増収40.5%営利増で最高収益更新、27/3期も先端半導体用検査ソケット、DC用光伝送用コネクタで最高益更新続く

山一電機の26/3期決算は、半導体向けやデータセンター(DC)向け光通信コネクタの好調により、16.3%増収40.5%営利増で最高収益更新。27/3期も先端半導体用検査ソケット、DC用光伝送用コネクタで最高益更新予想。また、新中期経営計画では、先端半導体や高速通信分野への注力により、3年累計で前中計比売上高45%増、営業利益85%増という成長目標を掲げるも、上振れ期待大きい 。

 

26/3期16.3%増収40.5%営利増と上振れ最高益更新、27/3期も収益上伸続く

 

株価11180円(5/13) 時価総額2440億円 発行済株21,829千株

PER(27/3期DO予21.1X)PBR(4.67X) 配当(27/3DO予)160円  配当利回り1.4%

 

要約

 

 

 

26/3期半導体向けに加えDC向け光通信コネクタ活況で16.3%増収40.5%営利増と上振れ

半導体テストソケット、高速光通信トランシーバ用コネクタなどを中心に事業展開。26/3期決算が5/13に開示され、同日説明会が実施された。26/3期は高速光通信トランシーバ用コネクタが伸長、売上高526.99億円(2/4修正予想比6.99億円上振れ、16.3%増)、営業利益115.56億円(同5.57億円上振れ、40.5%増)、経常利益121.26億円(同9.77億円上振れ、57.7%増)、税引利益90.73億円(同10.23億円上振れ、73.1%増)と3度目の増額修正値を上回って着地した。収益すべての項目で過去最高額更新となるだけでなく、売上高総利益率、営業利益率など、収益性指標も過去最高更新となった。

 

 セグメント別では半導体テストソリューション(TS)が売上高264.25億円(2/4修正予想比7.25億円上振れ、5.2%増)、営業利益55.75億円(同9.25億円未達、21.6%減)と、売り上げ増額ながら利益は未達成に終わった。これはクアルコムを中心とする主力のスマートフォン向け及びPC,自動車向けやウエラブル機器向けが好調に推移した。一方、バーンインソケットではロジック向半導体向け製品中心に投資先送りが影響、ただしメモリ向けは下期に急回復した。利益面では金や銅の高騰など原材料高が直撃し営業利益で6億円程度の減益要因となり、MIX悪化もあり利益が未達成に。

 

コネクタソリューション事業(CS)は売上高247.43億円(同0.57億円未達、30.6%増)、営利44.0億円(同0.87億円上振れ、3.6倍)に。FA関連がシーメンスを中心にCNC装置向けやPLC向けなどFA向けが緩やかに回復、車載向けはテスラ向けなど計画を下回り低調に推移した。一方、通信向けはAIデータセンタ向けなどが繁忙、加えて収益性が高い基幹系も好調に推移した。利益面では超高収益の基幹系通信向けの増額、DC向け800G対応の光トランシーバ向けの活況からMIX良化で営業利益率が前年度対して13.0ポイントも上昇し17.4%に達した。これはファーウェイ向けで活況だった19/3期の12.3%を大きく上回る高収益率となっている。

四半期推移ではQ4で通信向けCSの上伸が全体を牽引した。26/3Q4は売上高131.03億円(同期比43.0%増、Q3比1.9%増)、営業利益22.45億円(同期比2.2倍、Q3比22.4%減)と,同期比では大幅増も、利益はQ3比で大幅減となっている。

 

 

 

セグメント別ではTS事業が売上高60.36億円(同期比48.3%増、Q3比2.9%減)、営業利益は4.21億円の営業赤字(同期比8.37億円減、Q3比20.48億円悪化)となった。Q4で金価格や銅価格などの影響を処理したとみられ、この分を6億円としても、MIX悪化が重なり、赤字となったとみられる。

一方、CS事業は売上高66.85億円(同期比41.5%増、Q3比6.0%増)、営業利益12.94億円(同期比2.1倍、Q3比4.0%増)となった。基本的に通信向け基幹系の好調とエヌビディアイスラエル向けのDC用800G対応品の伸長が収益を稼ぎ出している。

 全体として、半導体向けは原材料高とMIX悪化で利益減となったが、コネクタ事業で高収益の基幹系、DC向けの伸長で補い、過去最高収益更新となった。

 

27/3期半導体、DC向け活況続き13.0%増収12.5%営利増は上振れ期待

27/3期予想は売上高600億円(13.9%増)、営利130億円(12.5%増)、経常利益128億円(5.6%増)、税引利益92億円(1.4%増)予想(為替1$=150円、0.75円円高想定)とした。また半期予想では上期が20.4%増収、18.4%営利増予想に対し、下期が7.1%増収、5.1%営利増予想としており、下期に成長鈍化予想となっている。会社側では昨今の中東情勢の影響は考慮していないとしているが、半導体生産の動向、DCの設備投資拡大を勘案するとむしろ下期に伸び率が高まるとみられ、下期増額で会社予想を上回るとみられる。

 

事業別ではTS事業が売上高311億円(17.8%増)、営利78.4億円(12.0%増)、上期が24.9%増収、14.9%営利増、下期が9.4%増収、営利2.3倍予想となっている。現状、上期に車載向けなどで期ずれ分が入るとしても、下期の同期比1けたの伸びにとどまる予想は多少慎重な予想とみられる。バーンインソケットではメモリについて下期は推論型DCの設備投資の活発化から、DRAM設備投資の本格寄与が見込まれる。また推論型DCでは超多層NANDフラッシュ搭載の大容量SSDも多用されることから、メモリ向けバーンインソケットが大幅に伸びるとみられる。車載ロジックについては26/3期のクアルコム向けの反動減が懸念されるものの、ウエラブル向けなどは伸びるとみられ、全体としてバーンインソケットの伸びが高まろう。またテストソケットではクアルコムが引き続き高水準の設備投資を行うとみられ、全体として下期の大幅増額が見込まれる。利益面ではバーンインメモリ向けは採算的に利益率が低いとみられるが、MIX悪化があっても売上増額で収益全体では増額が期待できる。

CS事業は売上高274億円(10.9%増)、営利50億円(13.6%増)予想、上期が16.6%増収、33.8%営利増、下期が5.4増収、1.5%営利減予想となっている。現状、DC向けが年度を通じて増加するとみられる。通信向けは生産能力に余裕があるということで、27/3H1が26/3H2比5.4%増にとどまる予想から上振れが見込める。さらに下期が上期比横ばい予想は通信分野の伸長で、CS事業は上期から増額修正が見込まれる。利益面でもMIX良化が進むとみられ、利益の上振れが高まろう。

新中計発表し3年累計売上高1950億円(前中計比45%増)、営利420億円(85%増)目標

 同社は新中計として26/3期をスタートに、3か年総額の収益目標を掲げた。新中計は2030年、2035年の利益成長を実現するための土台つくりとしての位置づけとしている。

 

 

具体的には3年間累計の売上高1950億円(前中計3年は実績値比45%増)、営業利益420億円(同85%増)を目指すこととし、売上成長と収益性向上を掲げた。

  現状、同社を取り巻く外部環境は、IT社会の到来を見据え、AI、データセンター、自動運転、フィジカルAIなどの進展を背景に、先端半導体やAIデータセンターなどの需要が爆発的に伸びることを想定している。これに対し、要素技術としての半導体検査治具、超高速大容量通信用接続機器の主要供給者として事業のさらなる拡大を目指すとしている。

 事業別ではTS事業を673億円から1001億円(48.7%増)、営業利益254億円(59.7%増)、CS事業を売上高900億円(43.1%増)、営業利益160億円(2.5倍)に高める計画。

 TSにおいてはバーンインテストでは自動運転などに対応したADAS、さらにはAIサーバー向けなどエンプラスと並ぶ成長分野への展開を図る。高シェアのバーンインメモリ向けでは推論AIの増加に伴いDDR-6,DDR-7などの本格拡大に対応、加えて27年後半以降は超多層NANDフラッシュメモリ対応で超多ピン、温度制御などの付加価値製品の強化などを図る。一方のテストソケットでは主力のスマホ対応で主力のクアルコム、さらにはアップル向けのSLTソケットでAIスマホ対応を進める。さらに高周波特性、多ピン、微細化、高耐久性で差別化しているスマホ分野以外に、ヨコオなどが強みを持つPC分野や、車載・ウエラブル・ネットワーク分野にも分野を拡大する計画。

 コネクタ分野では、ハイパースケールDC向けソリューションをさらに強化する。現在、NVIDIA向け800G対応ネットワークで実質的に NVIDIA Israelが独占的に納入、同社は800G対応で100%シェアを獲得している。しかも25年12月に1.6T対応のCN176スタックタイプを拡充、次世代ルービン対応で1.6T仕様の製品投入が27/3期下半期には四半期ベースで3~4億円程度が上乗せされてくる見通し。このため28/3期には1.6T対応がメインとなる見通し。さらにその後も3.2T対応の規格がソケット対応で可能となっているとのこと。なおデータセンター内部に注目すると、IPトラフィックの飛躍的な増大の要請から、ラックが電気配線から光配線へと一気に置き換わった。現在、メガデータセンターの消費電力の問題からデータセンター内通信に係わる電力削減のため、光通信の範囲がさらに拡大し、ラック間、ラック内の短距離データ転送にも光通信技術の導入が加速している。同社はデータセンターにおける高速化、高密度化のボトルネックになっていたASICと光トランシーバI/Oの距離を解決するために、Nubisと共同で業界初の垂直型OSFP(VLC)を発表、ASICと光トランシーバI/Oの距離を3~4インチ内に抑え込んだ。配線距離短縮×冷却効率向上で高密度化・低消費電力に寄与する提案型に対し、すでに複数ユーザーから高評価を得られている。なおNubis社は、AIワークロード向けに超高密度・低消費電力の光インターコネクト技術を開発する企業で、2025年にCienaによって買収された。通信キャリア網やクラウド・プロバイダー網向け光伝送システムで高いシェアを持つリーディングベンダーであるCienaの傘下となったNubisとの共同開発であり、Cienaによりデファクトスタンダード化するようなこととなれば、同社への収益寄与がさらに高まろう。

 

上記のように、半導体、光通信ともに同社は最先端分野に傾注したビジネス展開を行っており、27/3期予想が早くも上振れ期待があり、今回の中計計画は前倒しでの達成が期待される。

 株価は先端半導体の拡大、AIデータセンター設備投資の莫大な設備投資実行などを背景に、四半期ごとの上方修正もあり、一気に2倍の株価水準、5/13には11330円と4/21の11300円を抜いて高値更新し、1/9の年初来安値5720円の倍の水準にある。現在、27/3期会社予想EPS498.46円に対しPER22.4倍は、東証プライム電機平均PER23.5倍に対し、ほぼ同水準、また類似企業のエンプラス(6961)の28.7倍、ヨコオ(6800)の40.7倍に対し割安となっている。エンプラス同様、27/3期は増額修正が期待され、しかも先端半導体、光トランシーバではエヌビディアイスラエル向けで独占供給するなどが評価できる。このため、増額修正、新中計の前倒し達成の期待もあり、評価としてポジティブ継続としたい。

 

 

 

             *ヨコオ(6800)、エンプラス(6961)、日本マイクロニクス(6871)と6か月の相対株価比較

 

                                                        *図表については決算説明会資料、ニュースリリースなどから添付

       

H.Okamoto

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