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日本冶金工業:「中期経営計画2026-2028」の説明会を開催

2026/05/20 12:06
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日本冶金工業:「中期経営計画2026-2028」の説明会を開催

 5月20日に開催した日本冶金工業の決算説明に続き、8日に発表した「中期経営計画2026-2028」について説明をした。説明に使われた資料はこちら。説明は浦田社長が行った。

 

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<「中期経営計画2023」のレビュー>

〇数値目標の達成状況

●高機能材部門売上高比率(単体)

 目標50%に対し実績41%で未達。高機能材の販売数量の伸び悩みやLMEニッケル相場下落が影響した。

●収益指標

 EBITDAは目標200億円に対し実績172億円、ROEは目標10.0%に対し実績7.3%と最終年度は未達だったが、23年度および24年度は目標を超過達成した。

●株主還元・環境・財務

 総還元性向は機動的な自己株取得等により実績42%で目標(35%)を達成した。CO2削減率は25年度見込で60.6%削減と目標(46%削減)を前倒しで達成し、ネットD/Eレシオも0.65で目標範囲内。

 

〇3つの基本戦略のレビュー

●基本戦略①(産業素材の開発・提供)

 成長分野への拡販は外部環境の変化により低迷したが、インド現地法人の設立が完了し、一般ステンレス製品は安定的な収益基盤を維持した。総合評価は「△」。

●基本戦略②(効率的な生産体制の構築)

 戦略設備投資は概ね計画通り実行したものの、投資効果の刈り取りが不十分だった。一方でカーボンレス・ニッケル製錬プロジェクトや都市鉱山由来のリサイクル原料活用は進展した。総合評価は「△」。

●基本戦略③(持続可能な経営基盤の確立)

 純資産1,000億円超を達成し財務基盤が強化された。DX推進や新人事制度の運用は進捗しているが、さらなる高度化が課題。総合評価は「△」。

 

〇コストダウン・設備投資

●コストダウン実績

 原料多様化や都市鉱山比率拡大は計画を大幅に超過達成したものの、品質・操業改善は受注減の影響で未達となり、合計で目標58億円に対し実績34億円。

●設備投資

 計画310億円に対し実績294億円と、概ね計画並みに実施。

 

<事業環境と当社ポジション>

●マクロ環境とニッケル相場

 ニッケル相場は直近8ドル/ポンド前後で推移しており、中長期的には生産者コストを考慮し7ドル/ポンドをボトムとした底堅い値動きを想定。

●市場環境とリスク

 高機能材需要は分野別で濃淡があり、欧米に加えて中国・インドメーカーとの競争も激化。国内の一般材需要は縮小傾向にあり、輸入材の市場定着により国内シェア争いが激化するリスクがある。

●機会(チャンス)

 同社の特色である「小ロット多品種」を活かせる分野や、輸入材の影響を受けにくいニッチ市場において、拡販・シェア拡大の機会があると認識。

 

<「中期経営計画2026-2028」のコンセプト>

●10年後の将来像

 「信用格付A格」、純資産1,500億円以上、EBITDA 400億円、ROE 10%を継続的に満たし、結果として「PBR 1倍以上」の達成を目指す。

●目指す姿

 ニッケル鋼合金・ステンレス市場の「トップサプライヤー」として、新領域へ挑戦し進化し続ける「レジリエントカンパニー(回復力・弾力性のある企業)」を目指す。

 

<「中期経営計画2026-2028」の基本戦略と施策>

●基本戦略①:新たな領域での市場ニーズの探求と、必要なアイテムの開発と提供

・組織力強化と拠点の再強化

ソリューションマーケティング部の立ち上げによるマーケティング機能の強化や、インド拠点の陣容拡充による中東・インド市場への拡販を推進。

・新プロセス・新合金の開発

スラブ型再溶解設備(ESR)を導入し、次期中計期間中での製品供給本格化を目指す。また、水素環境材料の評価・開発や、Fe-Niルッペ製錬法の開発なども進める。

・事業ポートフォリオの見直し

 従来一般材に分類されていた商品のうち、競争力優位に立てる機能性付与材や特殊用途向け製品(+280トン/月)を高機能材部門へ区分・拡販展開。

・一般材部門の強化

 ニッチ材や極薄品など、輸入材にはない価値を提供する国内優位品へシフトし、グループ会社との連携を深める。

●基本戦略②:技術を追求し、あらゆるニーズに対応可能な生産体制を構築

・生産技術と調達力の強化:高合金連続鋳造技術の追求や納期競争力の向上を図り、QCD(品質・コスト・納期)競争力トップの生産体制を確立へ。また、安価リサイクル原料やカーボンレス・ニッケル製錬ルッペの活用を拡大し、フレキシブルで安定的な原料調達を行う。

●基本戦略③:環境変化に対応し、持続可能な経営基盤を確立

・カーボンニュートラル計画の深化:管理指標を従来の「排出量」から、生産量の影響を受けにくい「CO2排出量原単位(t-CO2/t)」に変更。28年度までに原単位を48%削減(13年度対比)し、50年度の実質ゼロを目指す。

・人的資本とDX・AI活用:経営戦略と連動した人的資本計画の遂行、社内のエンゲージメント向上を図る。また、DX推進ロードマップの遂行やAIを活用した業務改善を行う。

・財務基盤強化:30年度までの「信用格付A格」を目指す。

 

<設備投資計画>

●3ヵ年累計で、前中計対比30%増となる382億円の設備投資(意思決定ベース)を計画。

 内訳として、戦略投資に158億円(ESR付帯装置や還元炉移設・更新など)、更新投資に117億円、グループ会社に76億円、基盤強化に31億円を振り向け、競争力強化とカーボンニュートラル関連の投資を推進する。

 

<コストダウン計画>

●3ヵ年累計で36億円のコストダウンを計画。

 主な内訳は、安価原料調達(原料多様化)で12億円、操業改善で10億円、前中計の設備投資効果の最大取得で4億円、省エネ・CO2削減で4億円など。

 

<資金配分(キャッシュ・アロケーション)>

●中計期間中の収入合計817億円に対し、その55%にあたる451億円を将来の成長(設備投資397億円、研究開発費54億円)へ配分。研究開発費は全中計対比で80%増となる。

●株主還元には104億円、運転資金増および納税等に262億円を支出する計画。

 

<達成目標(28年度)>

●高機能材部門売上高比率:全中計の目標50%から引き上げ、60%を目指す。オイル&ガスや半導体関連分野などが牽引し、25年度対比で月間1,130トンの販売数量増を計画。

●収益指標:EBITDA 300億円、ROE 10.0%を目指す。

●株主還元:利益配分をより明確にするため指標を「総還元性向」から「配当性向」へ変更し、配当性向35%以上とする。また、安定的・継続的な配当の還元方針を示すため、DOE(株主資本配当率)2.8%以上を下限の目安として設定した。

●財務健全性:ネットD/Eレシオは0.5~0.7を目指す。

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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