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2026年3月 SUSスクラップ輸出入統計分析 数量回復も単価調整続く――韓国偏重に一服、中国・ASEAN向け拡大

2026/05/20 13:02
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為替相場推移 TTS 3か月

 

(輸出分析・3月更新)
■数量面
3月単月は1万9,733トンと、前月(1万7,652トン)から増加し前月比112%。前年同月比でも129%と高水準を維持し、年初からの回復基調が一段と鮮明となった。
内訳を見ると、インド向けが4,059トン(前月比158%)、中国向けが4,910トン(同123%)と増加し、回復を牽引。台湾向けも2,925トン(同206%)と急回復した。一方、タイ向けは1,589トン(同53%)へ反落、韓国向けも4,941トン(同78%)と減少し、従来主力市場には一服感がみられる。インドネシア向けは500トンと新規出現。
■1-3月累計
累計は5万4,292トン、前年同期比118%と増加基調を維持。2025年通年の低迷局面からは明確な持ち直しが続いている。
【総括】
3月は韓国・タイ向けの減少を、中国・インド・台湾向けの増加で補う構図となり、輸出先の分散が一段と進行。累計では、中国(前年比254%)とインド(同146%)が成長ドライバーとなる一方、台湾・タイはなお前年割れ圏にある。総じて、ステンレススクラップ輸出は「総量回復+アジア向け多極化」が進む局面に入りつつある。

(表―1、グラフ―1)。


 

■数量構成(2月→3月)
・韓国向け:36% → 25%(低下)
・中国向け:23% → 25%(上昇)
・台湾向け:8% → 15%(上昇)
・タイ向け:17% → 8%(低下)
・インド向け:15% → 21%(上昇)
・インドネシア向け:0% → 3%(新規出現)
・その他:2% → 4%(上昇)
整理
3月は韓国向け比率がさらに低下し、中国とインドが並ぶ主力市場へ浮上。台湾向けも回復し、輸出先の分散が一段と進んだ。一方、2月に存在感を高めたタイ向けは縮小。結果として、
「韓国依存の後退+中国・インド主導の多極化進行」
という構図がより鮮明になった。
(グラフ―2)。


 

■金額面(単月)
3月単月は30億61百万円と、前月(26億92百万円)から増加し前月比114%。前年同月比でも146%と高水準を維持した。韓国向けは9億72百万円(前月比81%)へ減少した一方、中国は6億92百万円(同115%)、台湾は5億57百万円(同205%)、インドは3億94百万円(同149%)と増加し、構成が分散。タイ向けは1億61百万円(同68%)へ反落した。
■1-3月累計
累計は89億05百万円、前年同期比129%と増加基調を維持。韓国が40億73百万円(前年比130%)で最大を維持する一方、中国(18億46百万円、同270%)の急拡大が続く。台湾・タイはなお前年割れ圏だが、インドは回復基調。
【総括】
3月は韓国向け減少を、中国・台湾・インド向け増加で補う構図となり、金額面でも「韓国偏重の緩和+中国・インド軸の多極化」が進展。数量同様、回復基調は維持しつつ輸出先の分散が鮮明となっている。
(表―2、グラフ―3)。



 

■FOB単価推移(2月→3月)
全体平均FOBは152円/kg→155円/kgへ小幅反発。3月は円安再進行に加え、国内304系ステンレススクラップ価格が185円→186.25円/kgへ上昇し、輸出単価を下支えした。一方、LMEニッケル3カ月物平均は17,132.75ドル→17,093.18ドルと小幅安にとどまり、国際相場はほぼ横ばい圏だった。このため、3月のFOB改善はニッケル国際価格というより、国内スクラップ市況と為替要因の寄与が大きかったとみられる。
仕向け地別では、韓国向けが191円→197円/kgと回復、中国向けは150円→141円/kgへ低下、台湾向けは191円→190円/kgと高水準維持、タイ向けは80円→101円/kgへ上昇。インド向けは103円→97円/kgと小幅調整となり、地域別の強弱が鮮明となった。
【整理】
3月は「数量回復+単価底入れ」の局面と整理できる。LMEニッケルが横ばい圏にとどまる中でも、国内304系スクラップ価格は上昇しており、輸出FOBも反発。とくに韓国向けの持ち直しが全体を支えた一方、中国向けは弱含みで、価格動向には地域差が広がっている。


 

【今後の展望】
足元のステンレススクラップ市場は、「数量回復+価格底打ち」局面へ移行しつつある。4月入り後、国内304系スクラップ価格は186.25円→194円/kgへ上昇し、特殊鋼メーカー各社もキロ5円程度の買値引き上げに動いている。市中価格は200~205円レンジを視野に入れ始めた。
背景には、LMEニッケルが3月平均17,093ドル/tから4月18,006ドル/tへ反発し、17,000ドル台で下方硬直性を示していることに加え、円安進行がある。さらに、良質スクラップ不足を受けたリターンスクラップ価格と市中実勢価格の乖離是正も、国内価格を押し上げる要因となっている。
輸出面では、インド向け304系価格(CFRムンドラ)が1,380ドル近辺まで上昇し、国内価格200円台前半と競合する水準に達している。フレート高で採算妙味は限定的ながら、海外需要が国内価格の下値を支える構図だ。
総じて短期的には、「数量は底堅く、価格は緩やかに反発」の展開が有力。輸出先の多極化が進む中、価格形成はLMEニッケル以上に国内需給と輸出採算に左右される局面が続きそうだ。

主要税関数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

 

(輸入分析)
■数量面では、2026年3月単月は4,647トンと、前月(3,670トン)から増加し前月比127%、前年同月比でも126%と回復基調が鮮明となった。1-3月累計は1万3,285トン、前年同期比121%と増加基調を維持。
主要輸入先では、韓国が2,897トン(前月比113%、前年同月比148%)と再拡大し、引き続き最大供給源。台湾は520トン(同182%)と前月から持ち直し、米国も467トン(同252%)と急増した。一方、「その他」は763トン(同122%)と底堅く推移。
総じて3月は、2月の調整局面から反発し、韓国・米国向け増加が全体を押し上げた。累計でも韓国中心の構図は変わらないが、米国やその他地域の伸長により、輸入構造はやや分散化の兆しもみられる。

「その他」763トンの主成分は、タイ161トン、シンガポール280トン、UAE(アラブ首長国連邦)110トン、インドネシア57トン、フィリピン28トン、ベトナム24トン、サウジアラビア21トンなどで構成される。

(表―3 グラフ―6)。



 

■数量構成では、2月→3月で、
韓国が70%→62%へ低下、
台湾は8%→11%へ上昇、
米国は5%→10%へ回復、
「その他」は17%→16%とほぼ横ばいとなった。
整理
3月は韓国依存がやや緩和し、2月に強まった集中構造に一服感がみられた。特に米国が数量回復を背景にシェアを倍増、台湾向けも持ち直した。一方、韓国は依然として6割超を占め最大供給源の地位を維持している。
(グラフ―7)。
 


 

■金額面では、2026年3月単月は13億38百万円と、前月(11億40百万円)から増加し前月比117%。前年同月比でも120%と前年を上回り、数量増に伴って回復基調が再び鮮明となった。
国別では、韓国が8億73百万円(前月比113%、前年同月比125%)と増加し全体を牽引。台湾向けは1億46百万円(同136%)、米国も1億16百万円(同200%)と回復した。「その他」は2億03百万円(同102%)と底堅く推移。
1-3月累計では38億15百万円、前年同期比109%と増加基調を維持。総じて、3月は韓国中心ながら台湾・米国向けも持ち直し、2月の調整局面から再拡大へ転じた月と整理できる。
(表―4、グラフ―8)。
 


 

■CIF価格の推移を見ると、全体平均は2月のキロ311円から3月は288円へ低下し、前月の急騰から反落した。3月は円安基調が再び強まったものの、ドル建て価格では調整色が残り、輸入単価の押し下げ要因となった可能性がある。
国別では、韓国品は301円で横ばい。台湾品は374円から280円へ大幅下落し、2月の高単価小口案件の反動がみられる。米国品も315円から249円へ低下し、主要輸入先で調整が鮮明となった。
一方、指標となるLMEニッケル価格は1万7,133ドルから1万7,093ドルへ小幅続落し、弱含みで推移。ただし国内310系価格は420円で高止まりしており、国内需給の底堅さが引き続き輸入採算を下支えしている。


(グラフ―9)。


 


主要税関数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・CI(JPY/Kg)F実績 ( )内は前月実績

 


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
 

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