【概況】
5月18~22日のLME非鉄相場は総じて底堅く推移。銅は米金利高やドル高で調整を挟みながらも、AI・半導体需要期待を背景に1万3,600ドル台を回復し高値圏を維持。アルミは中東供給懸念や在庫減少を背景に3,600ドル台へ続伸。ニッケルは一時反落後、需給引き締まり観測から1万9,000ドル近辺へ持ち直した。ドル円は159円台中心の円安圏で推移し、国内建値の下支え要因となった。
(為替概況)158円台後半~160円近辺へ円安進行 米金利高がドル支援(NY)
5月18日から22日にかけてのドル円は、158円台後半から159円台後半へ水準を切り上げ、一時160円近辺を試す展開となった。週初は米高金利やFRB高官のタカ派発言を背景にドル買いが優勢となり、20日には158.80円台、21日は159.30円台まで上昇。22日も159円台前半~後半で底堅く推移した。もっとも、160円接近局面では日本当局による介入警戒感が引き続き意識され、上値を抑える構図も継続。総じて、ドル高・円安基調が非鉄国内建値の支援材料となった週となった。

東京外為市場
5月22日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=160.19円
前週末
5月15日(金)
東京TTS(基準値)
1ドル=159.56円
に対して63銭のドル高円安に。
【LME概況】
(カッパー)高値圏維持も伸び悩み 1万4,000ドル台定着はなお持ち越し
5月22日、3Mは13,667.5ドルが終値。前週末(5月15日)終値13,555.0ドルに対しては112.5ドル高と反発。週前半は米長期金利上昇やドル高を嫌気して一時13,394.5ドルまで下落したものの、その後はAI・半導体関連需要期待や米株高を背景に買い戻しが優勢となり、20日には一時13,676ドル、22日も13,689.5ドルまで上昇した。ただ、米・イラン和平協議進展期待による供給懸念後退や利益確定売りが上値を抑制し、1万4,000ドル台定着は次週以降へ持ち越しとなった。
COMEX銅先物は1万4,000ドル前後で乱高下 NYプレミアムは再拡大後に縮小
5月18~22日のCOMEX銅先物は、13,600~14,000ドル台で乱高下。週半ばにはAI・半導体関連需要期待や米株高を背景に14,000ドル前後まで反発したが、週後半は利益確定売りで伸び悩んだ。NYプレミアムは週初200ドル台まで縮小後、21日に500ドル前後へ再拡大したものの、22日には300ドル台へ再低下。一方、COMEX在庫は62万9676トンから63万3977トンへ一貫増加したが、需給逼迫観測や関税懸念が引き続き相場を支えた。
LMEカッパー相場推移(オフィシャルUSD/T)1カ月
キャンセルワラント比率は前週14%から17%へ上昇し、2週連続で需給引き締まり観測が強まった。一方、総在庫は前週40万1000トンから39万3400トンへ減少し、40万トン台を割り込んだ(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。COMEX在庫は前週62万7195トンに対し、週後半には63万3977トンまで一貫して増加した。
また、COMEXプレミアムの発生を背景に、LME在庫から米国向けへの現物流出(LME→COMEX)が進んでいる可能性も意識されており、LME在庫減少とCOMEX在庫増加の対照的な動きと整合的との見方も出ている。
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国内銅建値は、18日にLME銅急落を受け70円引き下げの2,240円へ改定された後、20日に20円安の2,220円まで続落。ただ、その後はLME銅の反発を映し、22日に30円引き上げの2,250円へ切り返した。ドル円は160円前後の円安圏を維持し下支え要因となったが、LME銅の乱高下を受け、国内建値も高値圏で調整色の強い展開となった。
LMEカッパーVS国内建値推移 1カ月
(アルミ)続伸し高値圏維持 供給懸念和らぐも3600ドル台定着
5月22日3Mは3,649.5ドルが終値。前週末(5月15日)終値3,563.0ドルに対しては86.5ドル高と続伸。週前半は米・イラン和平交渉進展期待による供給懸念後退を受け上値を抑えられる場面もあったが、中東湾岸地域からの供給引き締まり懸念や米株高を支援材料に買いが継続し、一時3,684ドルまで上昇。現先バックワーデーション縮小により供給逼迫感はやや後退したものの、3,600ドル台を定着させる高値圏推移となった。
LMEアルミ(CASH/3M USD/T)1カ月
キャンセルワラント比率は前週6%から17%へ急上昇し、低水準圏から大きく切り返した。総在庫は前週35万3350トンから34万1775トンへ減少し、16週連続の取り崩しとなった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。中東供給不安後退で現先バックワーデーションはやや縮小したものの、在庫減少基調は継続しており、需給引き締まり感が相場を下支えする構図に変化はない。

NSPは週初、前週末7213,6円から反落し、18~19日は707円で横ばい推移。その後、LMEアルミが3,600ドル台を維持し、21日に3,649.5ドルまで続伸したことを映して、20日に711円、21日には719円へ切り上がった。中東供給懸念後退で上値は抑えられたものの、現先バックワーデーション維持や円安基調が支援材料となり、国内価格は高値圏を維持する展開となった。
LMEアルミVS NSP推移 1カ月
(ニッケル)高値圏も戻り鈍い 2万ドル手前で失速続く
5月22日3Mは18,913.0ドルが終値。前週末(5月15日)終値18,497.0ドルに対しては416.0ドル高と反発。週前半は他非鉄高や需給引き締まり期待を背景に一時19,165ドルまで上昇し、再び1万9,000ドル台を回復したものの、その後は米長期金利上昇やドル高、米・イラン和平期待によるリスク後退を背景に転売が優勢となり伸び悩んだ。もっとも、LME非鉄全般の反発や米株高が支援材料となり、週末にかけては1万9,000ドル近辺を回復する底堅い展開となった。
LMEニッケル(CASH/3M、USD/T)1カ月
キャンセルワラント比率は前週5%から4%へ小幅低下し、低位安定推移が続いた。総在庫は前週27万9672トンから27万9072トンへ小幅減少し、引き続き取り崩し基調を維持(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。在庫水準自体は依然高いものの、需給引き締まり観測が下支え要因となり、ニッケル相場は1万9,000ドル近辺で底堅く推移した。

(鉛・亜鉛・錫)鉛は2,000ドル台定着ならず 亜鉛高値維持、錫は反発挟み乱高下
―鉛3M は前週末(5月15日)終値 1,978.5ドル に対し、5月22日終値は1,997.5ドルと19.0ドル高。週半ばには一時2,011.5ドルまで上昇し再び2,000ドル台に乗せたが、週末は反落。もっとも、LME銅反発や在庫減少基調を背景に底堅く推移した。
LME鉛価格推移(オフィシャル,USD/T) 1カ月
在庫は前週26万5925トンから26万4250トンへ小幅減少し、9週連続の取り崩しとなった。水準自体は26万トン台前半へ低下(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週2%から2%へ横ばいで、低水準推移が続いた。需給面では引き締まり感が維持される一方、現物逼迫感は限定的な状況が続いている。

国内鉛建値は週初、前週末387円の水準を維持してスタート。その後もLME鉛が2,000ドル近辺を維持し底堅く推移したものの、国内建値の改定は見送られ、週を通じて387円で据え置かれた。ドル円は160円前後の円安圏で推移し下支え要因となったが、LME鉛の上昇一服もあり、高値圏での様子見色が強い展開となった。
LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月
―亜鉛3M は前週末(5月15日)終値 3,534.0ドル に対し、5月22日終値は3,543.0ドルと9.0ドル高。週内は3,555ドル台まで上昇後に反落したが、LME銅反発やLME・SHFE在庫減少を背景に高値圏を維持した。
LME亜鉛(オフィシャル,USD/T) 1カ月
在庫は前週11万0300トンから10万9925トンへ小幅減少し、11万トン台近辺で高止まりとなった(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週14%から15%へ小幅上昇し、需給引き締まり観測がやや強まった。LME・SHFE在庫はなお低位圏にあり、相場の下支え要因として意識される状況が続いた。

亜鉛国内建値は、18日まで631円で据え置かれた後、20日にLME亜鉛反落や中国景気指標の弱さを受け9円引き下げの622円へ改定。22日は据え置かれた。LME亜鉛は3,500ドル台を維持し底堅かったものの、国内建値は高値修正後の持ち合い局面入りとなった。
LME亜鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月
―錫3M は前週末(5月15日)終値 52,347ドル に対し、5月22日終値は54,174ドルと1,827ドル高。週半ばに急反発し一時54,495ドルまで上昇、その後乱高下したものの、AI・電子材料需要期待や東南アジア供給不安を背景に5万ドル台前半を維持した。
LME錫価格推移(セツル,USD/T) 1カ月
在庫は前週8,360トンから7,985トンへ減少し、2週連続の取り崩し。8,000トン台前半から7,000トン台後半へ水準を切り下げた(週初値、weeklyでの動き、以下同様)。キャンセルワラント比率は前週8%から5%へ低下し、現物引き合いはやや後退。もっとも、東南アジア供給不安が意識される中、在庫水準自体は依然低位にあり、相場の下支え要因となった。

(マクロ経済・重要イベント)
―マクロ経済指標結果
【米国】
5月18日(月)
対米証券投資(3月、財務省)
→海外勢による米国債需要が引き続き確認され、米金利高がドルを支援。ドル円は158円台後半で底堅く推移し、LME非鉄はドル高に上値を抑えられつつも、AI関連需要期待が支援材料となった。
5月19日(火)
中古住宅販売仮契約指数(4月、全米不動産協会)
結果 ▲0.7%
予想 0.4% 前回 1.2%(前月比)
→住宅関連指標は弱含みとなったが、市場の反応は限定的。FRB高官のタカ派発言や米金利高が意識され、ドル円は159円近辺へ上昇。LME銅は一時調整したものの、高値圏を維持した。
5月20日(水)
住宅ローン申請指数(MBA)
結果 ▲1.8%
前回 2.5%
FOMC議事録(4月開催分)公表
→議事録ではインフレ高止まりへの警戒感が再確認され、早期利下げ期待が後退。米長期金利上昇を背景にドル円は159円台へ上伸。もっとも、AI・半導体株高を背景に米株が堅調だったことから、LME銅は13,600ドル台へ反発した。
5月21日(木)
新規失業保険申請件数(5月16日週)
結果 20.3万件
予想 20.5万件 前回 20.0万件
フィラデルフィア連銀景況指数(5月)
結果 ▲0.4
予想 18.3 前回 26.7
→景況指数は急悪化したものの、雇用指標は堅調。ドル円は一時159円台前半へ上昇後、158円台後半へ押し戻された。LME銅・ニッケルは利益確定売りで反落した一方、アルミは供給懸念を背景に堅調を維持。
5月22日(金)
ミシガン大学消費者信頼感指数(5月確報値)
→インフレ期待の高さが引き続き意識され、ドルは底堅く推移。ドル円は159円台後半を試す場面もあったが、160円接近では当局警戒感も意識された。LME非鉄は米株高や米・イラン協議進展期待を支えに総じて底堅く推移した。
-今週の重要イベント
【中国】
5月27日(水曜日)
【中国】
工業利益 2026年4月(国家統計局)
5月31日(日曜日)
【中国】
製造業購買担当者景況指数(PMI)2026年5月(中国物流購買連合会)
非製造業購買担当者景況指数(PMI)2026年5月(中国物流購買連合会)
→中国では、工業利益(27日)と月末PMI(31日)が焦点。とくに製造業PMIは、銅・アルミ需要の先行きを占う指標として重要で、50割れ/回復の有無がLME非鉄相場、とくに銅・亜鉛の方向感に影響しやすい。
【米国】
5月26日(火曜日)
【米国】
住宅価格指数 2026年3月(FHFA)
ケース・シラー住宅価格指数 2026年3月(S&P)
消費者信頼感指数 2026年5月(Conference Board)
5月27日(水曜日)
【米国】
住宅ローン申請指数(MBA)
5月28日(木曜日)
【米国】
GDP改定値 2026年1-3月期(商務省)
個人所得・支出 2026年4月(商務省)
耐久財受注 2026年4月速報値(商務省)
新規失業保険申請件数(労働省)
新築住宅販売 2026年4月(商務省)
5月29日(金曜日)
【米国】
卸売在庫 2026年4月速報値(商務省)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)2026年5月
→米国では、28日のGDP改定値・個人所得支出・耐久財受注が最大の焦点。インフレ再燃や景気底堅さが確認されれば、米金利上昇→ドル高→LME非鉄の上値抑制要因となりやすい。一方、弱い結果となれば利下げ期待が再燃し、銅・ニッケルなどリスク資産には追い風となる可能性がある。月末のシカゴPMI(29日)も製造業センチメントを通じて銅需要観測に影響しやすい。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。