エキュリブル・デ・エネルジ(Équilibre des Énergies)はフランスの政策シンクタンクで“エネルギーのバランス”を意味する。それによる最新の研究は、道路貨物輸送の脱炭素化を検証し、電動大型トラックは特定の用途において既に技術的にも経済的にも実現可能であり、2030年までに標準的なソリューションとなる見込みであると結論付けている。
「エキュリブル・デ・エネルジ」とは
2010年に設立された「Équilibre des Énergies(EdEn)」は、エネルギー、建築、交通インフラ、サービス業、製造業の各分野の関係者を結集し、経済の脱炭素化に向けて協働するシンクタンクで、フランスおよび欧州の公的・民間意思決定者に示唆を与えることを目的とした、分析、提言、および政策提言を展開している。
今後の大きな障壁
この報告書は、車両の航続距離、充電インフラ、バッテリーコストの急速な進歩を強調しており、大規模導入がますます現実味を帯びてきていることを示している。また、主な障壁は現在のところ経済的なものであり、特にトラック本体購入に関わる初期費用が高く資金調達が困難な中小規模の運送業者にとって大きな課題となっていると指摘している。
移行を支援するため、本調査では中小企業が電動トラックに投資できるよう公的保証制度を導入することを推奨しており、更には、移行期におけるバイオ燃料とバイオガスの役割を強調するとともに、限られたバイオマス資源は航空輸送や海上輸送などの分野に優先的に配分すべきだと述べている。
明確な政策と投資の必要性
本報告書には、購入奨励策、充電インフラの整備、競争力のある電力料金設定を組み合わせた明確な政策枠組みの必要性が強く強調されている。
こうした状況を踏まえ、EU内でかなりの発言力のある欧州荷主協議会(ESC)、在ベルギー・ブリュッセルは、業界と政策シンクタンク間の対話の重要性を強調し、次のように述べている。
「荷主団体は、様々なエネルギー源の利用についてバランスの取れた見解を推進する「エキュリブル・デ・エネルジ(Équilibre des Énergies)」のようなシンクタンクとの連携を望んでいる。EUおよび各国レベルの運輸政策は、車両の電動化を推進しており、また、バイオマス燃料を海運、特に航空輸送向けに徐々に確保する動きも見られる。その結果、エネルギーバランスは重要な課題となっている。」
全体として、この調査報告は、貨物輸送の脱炭素化はもはや技術的な課題というよりも、政策と投資の課題であり、エネルギー、運輸、産業の各分野にわたる協調的な取り組みが必要であることを改めて示している。
フランスの現状と課題
フランスでは現在、大型貨物車両の96.9%がディーゼル燃料で稼働しており、低炭素ソリューションへの移行にとって大きな課題となっているとのことが、今回の電動トラックへの提案が持ち上がった大きな理由のようだ。
フランスにおける貨物輸送総量の86%以上(2023年のトンキロベース)を大型貨物車両が占めている。2024年においても、1990年と同様に、これらの車両は2,660万トンのCO₂排出量を占めている。海上輸送や鉄道貨物輸送の拡大、および物流全体の効率化に向けた取り組みは依然として不可欠だが、道路貨物輸送の脱炭素化は必須の課題のようだ。