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2026年3月フェロクロム輸入統計分析 高炭素フェロクロム輸入、3月急回復――カザフ主軸に「その他」急増

2026/05/26 13:37
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【貿易統計/日本】 2026年3月のフェロクロム輸出入推移統計


為替相場推移 TTS 3か月

 

(低炭素フェロクロム輸入分析)
【数量】
3月単月は970トンと、前月1,727トンから減少し前月比56%。前年同月比でも149%ながら、前月の増勢は一服した。1-3月累計は4,245トン、前年同期比83%と前年を下回る水準。
主要輸入元では、カザフスタンが10トン(前月比1%)へ急減し、前月の牽引役から後退。一方、トルコは300トン(同750%)と急回復し、ドイツも140トン(同156%)へ増加した。「その他」は464トン(同78%)と依然最大の供給源を維持。ロシアはゼロ、中国は56トンと小規模にとどまった。「その他」464トンの主成分は、米国279トン、インド84トン、英国20トン、オランダ40トン、スペイン40トン、タイ1トンで構成され、欧米向けを中心に複数ソースによる補完供給が続いた。

■総じてみれば、
3月はカザフスタン急減をトルコ・ドイツ・その他地域が補う構図となり、供給源の分散化が一段と進行。前年超え水準は維持しつつも、月次変動の大きい不安定な調達構造が続いている。


(表―1、グラフ―1)



【国別数量構成比】
3月はカザフスタンが54%→1%へ急低下し、主力の座から後退。一方、トルコは2%→31%へ急伸、ドイツも5%→14%へ拡大した。「その他」は35%→48%と再び最大構成となり、中国も6%へ小幅上昇。ロシアはゼロ継続。
総じて3月は、カザフスタン集中型から「トルコ+その他」分散型へ再転換し、供給構造の変動性の大きさが改めて鮮明となった。
(グラフ―2)。
 

 

【金額】
3月単月は6億61百万円と、前月9億22百万円から減少し前月比72%。前年同月比では142%と前年を上回った。1-3月累計は24億46百万円、前年同期比140%と増加基調を維持。
国別では、カザフスタンが5百万円(前月比1%)へ急減した一方、トルコは1億75百万円(同757%)と急回復、ドイツも1億29百万円(同197%)へ増加。「その他」は3億26百万円(同88%)で最大構成を維持し、中国は25百万円と小幅増、ロシアはゼロが続いた。
総じて3月は、カザフスタン急減をトルコ・ドイツ・その他が補完する構図となり、金額面でも供給源の分散化が進んだ一方、月次変動の大きさが続いている。

(表―2、グラフ―3)



 

【輸入CIF単価】
全体平均は2月534円/kgから3月681円/kgへ急反発した。3月は円安進行に加え、トルコ(584円/kg)やドイツ(924円/kg)など高単価品の比率上昇が押し上げ要因となった。
一方、最大供給源だったカザフスタンは468円→452円へ低下し構成比も急減。ロシアはゼロ継続、中国は453円へ持ち直した。総じて3月の単価上昇は、円安+高単価ソース(トルコ・ドイツ)増加によるミックス要因主導であり、市況全面高というより調達構成変化の影響が大きい。

(グラフ―4)。

低炭素フェロクロム(C0.06% Cr65% USD/LB)1年


主要税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績


(高炭素フェロクロム輸入分析)
【数量】
3月単月は3万6,729トンと、前月2万4,020トンから増加し前月比153%。前年同月比でも103%と前年水準を回復した。1-3月累計は8万8,425トン、前年同期比78%でなお前年割れ。
主要輸入元では、カザフスタンが1万7,253トン(前月比154%)と最大供給源を維持。インドは2,884トン(同201%)へ反発した一方、南アフリカは8,316トン(同81%)と減少。「その他」は8,276トン(同737%)と急増し、全体押し上げに寄与した。「その他」8,276トンの内訳は、トルコ4,000トン、インドネシア3,106トン、が中心となった。
■総じてみれば、
3月はカザフスタン回復+その他急増が全体数量を牽引し、2月の弱含みから持ち直した。ただ累計では前年割れが続き、輸入基調はなお力強さを欠く。
(表―1、グラフ―1)



 

【国別数量構成比】
2月→3月で再び変化がみられた。カザフスタンは46%→47%と最大供給国を維持した一方、南アは43%→23%へ大幅低下。これに対し「その他」は5%→23%へ急拡大し、トルコやインドネシアなど補完ソースの流入が目立った。インドも6%→8%へ小幅上昇。結果として、主要2国(カザフスタン+南ア)の合計シェアは89%→70%へ低下し、3月は二極集中からやや分散型へシフトした。もっとも、カザフスタン依存の基調自体に大きな変化はない。

(グラフ―2)。



 

■金額では、3月単月は95億09百万円と、2月(64億50百万円)から増加し前月比147%、前年同月比133%と回復した。カザフスタンは52億01百万円(前月比138%)で最大供給源を維持した一方、南アは16億47百万円(同79%)へ減少。インドは6億68百万円(同199%)と反発し、「その他」も19億93百万円(同781%)へ急増し全体を押し上げた。1-3月累計は238億73百万円で前年比92%。カザフスタンが底堅く推移する一方、南ア低迷をインド・その他の増加が補う構図となっている。

(表―2、グラフ―3)
 


 

■輸入CIF単価は、全体平均で2月のキロ269円から3月259円へ低下した。3月は円安傾向となったものの、カザフスタン337円→301円、南ア204円→198円、インド234円→231円と主要国単価が総じて軟化し、為替要因を打ち消した。加えて数量構成では、南ア比率が43%→23%へ低下する一方、「その他」が5%→23%へ急拡大し、低単価のインドネシア材流入も全体を押し下げた。結果として3月は、円安下でも調達ミックス変化とドル建て価格調整が勝り、全体単価は小幅に低下した。

(グラフ―4)。

高炭素フェロクロム(C6~8% Cr60~63% Si3% max $/LB)3カ月




 

主要税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF実績 (  )内は前月実績

 

【今後の展望(高炭素フェロクロム輸入)】
当面は底堅いが急騰力に欠けるレンジ相場が基本線となろう。第2四半期フェロクロム契約価格の上昇や国内ステンレス鋼板値上げ(JFEなど)は輸入価格の下支え要因となる。一方、日本鉄鋼連盟統計では粗鋼・特殊鋼生産の回復はなお限定的で、実需面からの買い上がり余地は小さい。3月は輸入量が3万6,729トンへ回復したが、主因はカザフスタン増加と「その他」急増であり、需要急回復を示す内容ではない。
価格面では、円安基調が輸入CIFを支える一方、南アやインドネシアなど相対的低価格材の流入が上値を抑えやすい。今後もカザフスタン主軸+南ア・その他補完の調達構造が続き、国別比率次第で月次単価が大きく振れやすい局面となろう。総じて2026年は、需要回復期待による底堅さと供給多極化による上値抑制が併存する相場として推移する公算が大きい。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。

 

青山 雫

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