6月1日に政府が韓国・中国・台湾からの熱延コイル、冷延コイルの輸入品に対してはAD(アンチダンピング)処置の調査に入った。調査期間は原則1年間だが、政府は既に25年8月より亜鉛メッキ鋼板に関してADの調査を開始している。
関連記事
⇒「政府、韓国・台湾・中国からの鉄鋼製品を反ダンピングで調査」
⇒「中国鉄鋼需要について:需要に見合った減産ができるのだろうか?」
〇25年度の3国からの輸入量
熱延コイル131万トン、冷延コイル78万トン、それどれ消費量の20%、25%程度を占めている。
〇AD課税が付加された場合
国内市況が上昇する可能性があるが、最も恩恵を受けるのが・・・
その前に4月の熱延コイルの平均価格は韓国がトン当たり92,200円、中国85,000円、台湾82,500円。一方、国内でみると高炉各社は10万円前後だと思われるが、東京製鐵の建値が6月で98,000円であるため、仮にAD課税が課されれば、東京製鐵が最も恩恵を享受するもことになる。
〇デメリットがあるのは・・・
一部輸入の熱延コイル絵を使用している丸一鋼管にはデメリットとなる。ただ、同社は製品である鋼管の価格で調整ができるので、その影響は限定的だと推測する。
〇最後に
多くの国が輸入制限を化している中、ようやく日本政府が重い腰を上げたことは評価できる。ただ、日本は鋼材輸出国であるため、国際市場での価格競争がより厳しさを増すことになろう。このためにも、中国の供給過剰問題の早期解決が不可欠である。
(IRuniverse 井上 康)