経産省は24日、再生可能エネルギー主力電源化小委員会の会合を開催し、2030年エネルギーミックスに対する施策の進捗状況を報告した。太陽光発電については、目標達成には程遠い進捗状況が報告され、参加委員からは批判が相次いだ。
2030年エネルギーミックスとは、2050年カーボンニュートラル実現に向けた道筋として、2030年度に目指す最適な電源構成(発電方法の組み合わせ)の目標のこと。安全性、安定供給、経済性、環境適合の「S+3E」のバランスを考慮し、再生可能エネルギーの主力化や原子力の活用などが定められている。太陽光電源の目標値は103.5 ~ 117.6GWとなっている。
このような野心的な電源構成の実現が掲げられているものの、実際の導入状況を詳しく分析していくと、掲げられた理想と現実の進捗の間には、依然として埋めがたい大きな乖離が存在していることが浮き彫りになってきた。
太陽光発電の2025年12月末時点の導入量は78.0GW。直近数年間では概ね3.5~5GW/年のペースで導入が進んでいる。しかし2030年目標(103.5~117.6GW)の実現には、今後約5年間で26~40GWの導入が必要で、年に5~8GWペースでの導入を継続していくことが求められる。
一方で、日本の国土面積当たりの太陽光導入容量は、既に主要国の中で最大級となっており、特に地上設置型について、今後の導入余地となり得る適地が減少。FIT/FIP制度の認定容量も足下では減少している。
「導入コストの低減が進み、FIT/FIP制度によらずに事業を実施する形態も現れてきているとし、それも含めると」と経産省はプラス要因を示したが、目標達成が難しい状況には変わりがない状況だ。
同省は今後の対策として、▽公共部門の率先実行(6.0GW)▽民間企業による自家消費促進(10.0GW)▽地域共生型再エネの導入促進(4.1GW)などを関係省庁と連携して促進する方針を示したが、委員からは「以前の方針から改善が見られない」「実績が芳しくない」といった声が多く挙がった。
行政側が提示した対策の数々に対し、専門家である委員からは、過去の施策の延長線上にある手法への限界や、当初の目標設定そのものに内在する無理を指摘する、極めて冷静かつ批判的な見解が投げかけられた。
地球環境産業技術研究機構(RITE)でシステム研究グループリーダーを務める秋元圭吾委員は「そもそも目標設定の際にリードタイムの短い太陽光の配分を大きく積み増して無理をしてしまった」と指摘したうえで、「(導入における)直接的なコストだけでなく隠れたコストがたくさんあるため、しっかりその点を理解して現実性を考慮した対策を考えてほしい」と求めた。さらに、「目標値はあくまで目安であり。これを必ず達成しようとすると無用なコストが生じてしまう可能性もある」とリスクを示唆した。
2030年の目標達成には今後5年間で例年を上回るペースでの導入が必要とされるが、適地の減少や施策の停滞といった厳しい現実に直面している。目標達成を諦めたうえで、いかに現実的で実効性のある対策を講じられるかが、今後の再生可能エネルギー政策の成否を分ける鍵となるだろう。