豪州にてミネラルサンドおよびレアアース関連の事業を行う資源企業Iluka Resourcesは、6月22日付で、同社のレアアース事業に関する2つの声明を発表した。
一つは、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム、テルビウムといった磁石用希土類酸化物を供給するための、拘束力のある複数年のオフテイク契約を締結したとの発表だ。契約相手は、“商業上の秘密”として企業名こそ明かされていないものの、“世界的な自動車メーカー”であると述べられている。
テイク・オア・ペイ方式である本契約は、2028年に開始される見込みで、当初の契約期間は4年間。量としては、磁石用希土類酸化物(Nd、Pr、Dy、Tb)1,200トン分が想定されているといい、当該期間における同社の計画生産量の約10パーセントに相当すると考えられている。
引き取り価格は、こちらに関しても具体的な価格には言及がないものの、リスクを避けるため、各製品について“最低価格と市場連動価格のいずれか高い方”が選択されるという。また、契約期間中のIlukaの最低収益は1億5,500万米ドル、業界の価格予測を前提とした場合には1億7,200万米ドルとなる見込みであると述べられている。また、Ilukaはこの契約以外に、その他の見込み顧客とのオフテイク協議も現在進行していると明かしている。
ちなみに、Ilukaはこの契約を“非常に重要なマイルストーン”と評している一方で、オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(6月23日)などの現地報道によれば、市場の反応は芳しくなかったようで、この日のIlukaの株価は大きく下落したという。同紙はこの理由を、このオフテイク量がEneabba精製所の初期生産量のわずか10パーセントにしか過ぎない点にあるかもしれない、との分析を掲載している。
同日発表されたもう一つの声明では、Eneabbaレアアース精製所の建設のために豪州政府が提供する16億5,000万豪ドルのノンリコースローンを同社が全額利用可能であることが政府系機関エクスポート・ファイナンス・オーストラリア(EFA)によって確認されたこと、および、同精製所の建設完了に向けた構造、機械、配管、電気、計装(SMPEI)工事の契約が豪エンジニア系建設会社Civmecに授与されたこと、の二点が発表された。同精製所の建設進捗率は、現在50パーセントを超えているという。