米財務省は6月25日、ホームページ上で、「アフリカ東部ルワンダの金精錬所およびコンゴ民主共和国(DRコンゴ)からルワンダに向けた違法鉱物の密輸ネットワークに制裁を科す」と発表した。反政府の武装勢力による違法鉱物の流通を阻止する。米国の支援を対武装勢力の頼みとするコンゴ政府は、コバルト産業などで米国寄り姿勢に転換しつつある。
■関連の米国人や企業をブロック
制裁はルワンダが支援するとされるコンゴの武装勢力M23が展開する、密輸ネットワークと企業および個人。制裁により、すべての関連鉱山に関わる米国企業や米国人をブロックし、取引を禁じる。違反者は外国人も含めて罰則に問われる。
コンゴ東部で武装勢力が運営する鉱山では、かねて強制労働や児童労働といった人権侵害や劣悪な労働環境が指摘されている。特にルワンダ経由で運ばれた鉱物は、日系を含む世界の半導体大手の材料となっているとされていた。
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■コンゴ政府は親米あらわに
米国が武装勢力と宿敵・ルワンダに強硬姿勢を執ることを好感し、コンゴ政府は親米姿勢に転じつつある。米資源ヴァータス・ミネラルズ(Virtus Minerals)は3月、コンゴ民間コバルト企業チェマフ・リソーシズ(Chemaf Resources)を買収したと発表した。また、米国が2月に開催した「重要鉱物サミット」には、コンゴの閣僚が出席。友好国にレアアースなど重要鉱物の「特恵貿易圏」(Preferential Trade Zone)を設置することを提案した、脱中国依存目的の会議だっただけに、目を引いた。
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欧米はアンゴラのロビト港を通るロビト回廊を整え、中国勢とは別の輸送ルートを建設中だ。さらに、コンゴが2025年から続けるコバルトの輸出統制も、中国勢によるコンゴでのコバルト増産の阻止に向けた措置とされる。
しかし、現実には中国は既に水利から物流までコンゴのコバルト産業を事実上掌握する。米国の対抗措置がどこまで奏功するかは、米国が対ルワンダに関与し続け、コンゴ政府を惹き付けられるかどうかにかかっていると言えそうだ。