東京製鐵は13日、2026年8月契約の鋼材販売価格を2カ月ぶりに据え置いた。ただし、今回の据え置きは国内他社との価格差を考えた調整の意味合いが強く、今後も価格転嫁による販売価格の上昇は続く見込みだ。
物件価格や在庫販売価格は、H形鋼が11万8000円、異形棒鋼が9万5000円、厚板が10万8000円。(前月参考価格から変更なし)。
また、岡山工場は冷延めっきラインの更新に伴い2026年12月~27年2月頃までは営業生産を休止予定で、3月から試運転を行う予定としている。既に顧客には休止について通達ずみで、前倒し発注などを受けていくことで顧客の事業に影響が生じないよう準備を進めていくという。
東京製鐵の基調コメントの概要は以下の通り。
――――
不安定な国際情勢のもと世界的なインフレ傾向が続き、為替動向も相まってエネルギーコスト影響はこれから本格化してくる。市中相場もメーカー出荷単価上昇に伴い上伸を続けている状態だ。
また、世界貿易の保護主義化の傾向を受けた輸入鋼材に対するダンピング調査も進み、需給環境は整いつつあり、建設分野ではこれから大型プロジェクトの着工が本格化するため一層の需給引き締まりが予想される。
さらに、国内外でカーボンニュートラルや循環型経済に向けた仕組みづくりが進み、当社の幅広い電炉鋼材品種でニーズが強まり引き合いが本格化している。特に、データセンターは稼働後のエネルギー消費が大きいため建設時の素材カーボン削減要請が強い。
これらの要因を踏まえ、8月契約の販売価格は、今後の価格転嫁を確実なものにするため全品種据え置きとした。
――――
質疑応答では、執行役員営業本部長の伊藤岳氏が以下のように見解を示した。
――――
先行き、需要はしっかり出てくるとみており、それに向けた生産コスト高の価格転嫁は浸透してきている。今後も価格転嫁は継続していく予定で、今回の価格据え置きは、(周囲の価格を見ながらの)スピード調整の意味合いが強い。
コストを考えると追加で値上げ(価格転嫁)は必要。近日中には決算発表もあるので、その内容にも理解を示してもらいたい。
また、建材としての需要については、毎年言っていることではあるが、結構大きな案件が見えており、いよいよ本格化するとみている。製造業も落ち込んでいるわけではないとみているが、価格転嫁を急激に行っても建築業界のように柔軟に転嫁できるわけではないので、その点も踏まえて慎重に判断していきたい。
一方、海外の鉄スクラップの価格については、先月は為替の影響で少し下がったが長期的にみれば、まだ上昇トレンドだとみている。
足元の生産量は、国内はあまり変化がない状況。輸出向けは夏期の電力コスト高の影響もあり、抑えめの状態となっている。
――――
2026年8月契約の品種別販売価格(O/T NET ベース価格、トン当たり円)は前述の通り据え置き。価格は下記の通り。
H形鋼及び形鋼:2026年7月契約で3000円の値上げ
H形鋼=11万6000円
縞H形鋼=12万6000円
I形鋼=11万7000円
溝形鋼=11万2000円
角形鋼管(コラム):2026年7月契約で2000円の値上げ
角形鋼管=12万8000円
U形鋼矢板:3000円の値上げ
U形鋼矢板=12万5000円
異形棒鋼:2026年7月契約で3000円の値上げ
異形棒鋼=9万3000円(3000円の値上げ)
厚板:2026年7月契約で3000円の値上げ
厚板=10万8000円
コイル類4品種:2026年7月契約で2000円の値上げ
ホットコイル=10万円
縞コイル=10万3000円
酸洗コイル=10万6000円
溶融亜鉛めっきコイル=13万5000円
以下カットシート類:2026年7月契約で2000円の値上げ
熱延鋼板=10万5000円
縞鋼板=10万8000円
酸洗鋼板=11万5000円
申込締切日:2026年7月15日(水)12時まで
なお、夏季定修期間は次の通り。(既報)
田原工場 7/31~8/6
岡山工場 8/17~8/21
九州工場 7/27~8/7
宇都宮工場 10/26~11/5