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金相場4,000ドル割れ、強気予想に修正広がる BofAは金価格を下方修正も金鉱株に投資妙味

2026/07/14 10:47
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金相場は7月13日、一時1トロイオンス=4,000ドルを割り込み、年初の史上最高値5,600ドル近辺から大きく水準を切り下げた。中東情勢の緊張や原油高を受けても安全資産買いは広がらず、米利上げ観測やドル高が重石となったようだ。

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NY Gold(USD/toz) 20年

国内山元建値(JPY/g) 10年

 

もっとも、今回の焦点は地政学リスクそのものより、これまで高値予想を維持してきた金融機関が相次いで見通しを修正し始めた点にあるのではないか。


BofA、2026年平均予想を4,360ドルへ引き下げ
バンク・オブ・アメリカは顧客向けリポートで、2026年の金平均価格予想を14%引き下げ、1オンス=4,360ドルとしたとKitcoが報じている。
同行は、米連邦準備制度理事会(FRB)が2026年中に複数回の利上げに動く可能性を想定しており、実質金利の上昇が金価格の上値を抑えるとみているようだ。
年初には中央銀行買いやドル資産からの分散を背景に、6,000ドル台を見込む強気予想が相次いだ。しかし、足元では金利高止まりや金融引き締め観測が再び価格形成の中心に戻りつつあるのかもしれない。


HSBC、UBSも短期見通しを引き下げ
HSBCも7月9日、2026年の平均価格予想を4,864ドルから4,560ドルへ引き下げたと報じられている。年間レンジは3,800~4,700ドル、年末価格は4,750ドル程度を想定しているという。
UBSも短期的には3,850~4,000ドル圏までの下落余地を指摘してきた。強い米経済指標や実質金利上昇を受け、金は従来の安全資産という側面よりも、ドルや金融政策に反応する金利敏感資産としての性格を強めているように見える。
4,000ドルを割り込んだことで、当面は3,800ドル近辺が下値の目安として意識されやすくなりそうだ。ただし、急落後に売りが一巡すれば、4,000ドル前後でいったん下値を固める可能性も残るだろう。


金価格を下げても金鉱株には強気
一方、BofAは金価格見通しを下方修正しながら、金鉱株についてはなお投資妙味があるとの評価を示したと報じられている。
同行によれば、主要金鉱会社のフリーキャッシュフローは2020年比で大幅に増加し、負債比率も低下しているという。利益利回りは約12%に達し、金属・鉱業株は純資産価値に対して約19%割安な水準で取引されているとされる。
金価格が5,000ドルを超えて上昇し続けなくても、現在の水準が維持されれば鉱山会社の採算はなお高い可能性がある。金そのものよりも、財務体質を改善した金鉱会社の株式に妙味を見いだす動きが出ているとも考えられそうだ。


中央銀行買いは長期的な下支え
短期見通しが弱気方向へ修正される一方で、中央銀行による金購入は続いている。世界黄金評議会(WGC)によれば、5月の中央銀行による純購入は41トンとなり、6月の調査でも45%が今後12カ月に自らの金準備を増やす意向を示した。
中央銀行は短期的な金利変動ではなく、ドル資産への依存低下や準備資産分散という長期的な目的で金を購入しているとみられる。このため、短期筋が金利上昇を受けて売る一方、中央銀行が下値で買い続けるという構図はなお残りそうだ。


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3,800~4,300ドルで底固めか
今後の金相場は、FRBの利上げ観測がどこまで強まるかによって左右される可能性が高い。インフレ指標や雇用統計が強ければ3,800ドル方向への下押しもあり得る一方、景気減速が鮮明になれば、利上げ観測の後退を受けて4,300ドル台へ戻す展開も考えられる。
年初の「6,000ドル相場」という熱狂はひとまず後退したようだ。しかし、中央銀行需要や米財政への懸念まで消えたわけではない。
当面は3,800~4,300ドル程度の広いレンジで底値を探りながら、金利環境が変わるのを待つ展開になるのではないか。金価格には慎重姿勢が必要となる一方、採算力や財務体質の改善した金鉱株を選別する動きは強まる可能性がありそうだ。


(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)

本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。
 

青山 雫

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