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2026年6月アルミ再生塊輸入統計分析 中国依存が一段と進行――UAE急減、円安で輸入コストは最高圏

2026/08/06 13:12
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2026年6月アルミ再生塊輸入統計分析 中国依存が一段と進行――UAE急減、円安で輸入コストは最高圏

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為替相場推移 TTS 3か月

(概況)
6月は輸入数量が8万3,904トンと前月比108%で増加した一方、前年同月比では97%となお前年水準を下回った。中国からの輸入拡大が全体を支える一方、UAE材は再び急減し、調達先の多様化が一段と進んだ。
価格面では、円安再転換とアルミ合金価格の上昇を背景にCIF価格は536円/kgと過去最高を更新した。一方、国内ではスクラップ・ADC12価格が調整局面に入り、実需低迷との綱引きが強まっている。市場の焦点は供給不安から、高コスト下での需要の持続性へと移りつつある。


(詳細分析)
(アルミ再生塊輸入分析・2026年6月アップデート)
■数量動向
2026年6月の輸入数量は8万3,904トンと、前月比108%で2カ月連続の増加となった。一方、前年同月比では97%と前年水準にはわずかに届かなかった。
国別では、中国が2万2,005トン(前月比119%、前年同月比176%)と増加し、最大供給国としての地位を一段と強めた。一方、UAEは1,700トン(前月比16%、前年同月比7%)まで急減し、中東材の供給縮小が鮮明となった。ロシア(5,587トン)、オーストラリア(4,043トン)、ニュージーランド(4,015トン)は増加した一方、マレーシアは8,943トン(前月比84%)へ減少した。
■累計動向
1~6月累計輸入量は48万2,936トンで前年同期比88%。中国は8万7,081トン(前年比134%)と大幅増を維持した一方、UAEは7万5,832トン(同61%)と低迷が続き、中東依存から中国・周辺国への調達シフトが一段と進んでいる。
■総括
6月は中国からの輸入拡大に支えられ総量は増加したものの、UAE材は再び急減し、供給構造の変化が改めて鮮明となった。市場ではLMEアルミ相場の調整後も円安基調が輸入コストを下支えしており、調達先の多様化を進めながら供給リスクを分散する動きが今後も続くとみられる。(表―1、グラフ―1、2)。


 

■数量構成比
数量構成比では、2026年5月から6月にかけて供給構造がさらに変化した。中国は24%→26%へシェアを拡大し、最大供給国としての地位を一段と強固にした。一方、UAEは13%→2%へ急低下し、中東材の存在感は再び大きく後退した。
ロシアは5%→7%へ上昇し、マレーシアは14%→11%へやや低下したものの引き続き主要供給国を維持した。オーストラリア、ニュージーランド、インドはいずれも5%前後で安定推移し、ナイジェリアは3%→4%へ小幅回復した。一方、カタールは0%と実質的な輸入停止状態が続いている。
総じて、6月はUAE材の急減を中国、ロシア、豪州・ニュージーランドなどが補完する構図となり、調達先の分散化が一段と進展した。中国の存在感は一層高まる一方、中東依存は大きく低下しており、多極的な調達体制への移行が鮮明となっている。

(グラフ―3)。


 

■金額動向
2026年6月の輸入金額は450億10百万円と、前月比113%、前年同月比141%で2カ月連続の増加となった。中国は115億54百万円と最大の調達先を維持し、ロシアやオーストラリア、ニュージーランドも増加した。一方、UAEは9億31百万円と前月比16%まで急減し、中東材の落ち込みが金額面でも鮮明となった。
1~6月累計は2,292億20百万円で前年同期比109%。中国(前年比182%)が引き続き全体を牽引したほか、ロシア(149%)、インド(145%)、オーストラリア(122%)、マレーシア(122%)も前年を上回った。一方、UAEは60%、カタールも71%にとどまり、中東材の縮小傾向が続いている。
■総括
6月は中国向けを中心に輸入金額が拡大した一方、UAE材は数量・金額とも急減し、調達構造の転換がさらに鮮明となった。輸入市場では、中国を軸にロシアやアジア・オセアニア諸国を組み合わせた多元調達が定着しつつあり、中東依存の低下が一段と進んでいる。
(表―2、グラフ―4)。



■CIF価格動向
CIF価格は、2026年5月の510円/kgから6月は536円/kgへ上昇し、12カ月連続の上昇となった。6月はドル円が再び円安基調へ転じたことに加え、LMEアルミ合金価格が3,233ドル→3,488ドルへ上昇したことが輸入コストを押し上げた。一方、LMEアルミ地金は3,670ドル→3,459ドルへ調整したものの、円安進行がこれを補い、CIF価格は一段高となった。
主要調達先では、中国が503円→525円/kg、ロシアが494円→525円/kg、UAEが544円→548円/kgと上昇。マレーシアは502円→515円/kg、インドは477円→590円/kgへ大幅上昇した。オーストラリア(636円→669円/kg)、ニュージーランド(647円→682円/kg)も最高値を更新し、高コスト圏での推移が続いた。
総じて、6月はLME地金相場の調整にもかかわらず、円安再転換とアルミ合金価格の上昇が輸入コストを押し上げ、CIF価格は過去最高圏を更新した。7月に入りLME地金は3,156ドル、アルミ合金も3,262ドルへ反落しており、今後は円安による下支えと海外相場の調整圧力との綱引きが輸入価格の方向性を左右する展開となりそうだ。(グラフ―5、6、7)。




 


主要税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 (  )内は前月実績

 

■今後の展望(アルミスクラップ・二次合金原料)
今後数カ月の市場は、供給不安と実需低迷が綱引きを続ける展開となりそうだ。中東リスクの後退でLMEアルミは一時3,100ドル近辺まで調整し、国内スクラップや国産ADC12も下落局面に入った。加えて、急速な円高進行や中国内需低迷を背景としたADC・ゾルバ価格の軟化も、輸入原料価格を押し下げる要因となっている。合金メーカーの原料買値引き下げや在庫調整も続き、市場全体には買い手優位の地合いが広がっている。
一方で、供給面の不安材料は依然として解消していない。LME在庫は26万トン台まで減少し、現物プレミアムを示すバックワーデーションも再び発生している。猛暑によるスクラップ発生減や、中東情勢の再緊迫化による供給リスクも残っており、相場が急反発する余地も温存されている。
総じて当面は、実需低迷による下押し圧力が優勢とみられるものの、供給不安を背景に下値も限定されやすい。自動車向け需要の回復時期、中国市場の需給改善、為替動向に加え、LME在庫や中東情勢の変化が、お盆明け以降のアルミスクラップ・二次合金原料市場の方向性を左右する最大の焦点となりそうだ。

 

(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

青山 雫

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