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バッテリージャパン2026:第一稀元素とGSアライアンス、材料技術で電池の高性能化に貢献

2026/10/02 14:27 FREE
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バッテリージャパン2026:第一稀元素とGSアライアンス、材料技術で電池の高性能化に貢献

9月9日から11日にかけて、幕張メッセで[国際]二次電池展(BATTERY JAPAN)が開催された。本展示会には部品・材料をはじめ、材料開発支援、評価・測定・検査、製造装置・付帯設備、バッテリーマネジメントシステム、二次電池・キャパシタなどに関する企業が世界各国から出展。活発な技術商談が行われた。

本報では、第一稀元素とGSアライアンスの展示内容を報告する。

GSアライアンス株式会社

GSアライアンスは脱炭素・カーボンニュートラル社会の実現に向け、環境・エネルギー分野の先端材料を研究開発する化学メーカーで、二次電池、燃料電池、太陽電池など次世代エネルギー技術の開発にも取り組んでいる。同社は顔料メーカーである富士色素のグループ会社であり、顔料合成や表面改質、インクジェットインクの開発で培った精密分散技術を電池材料に応用している。

電池事業では正極材、負極材、前駆体、電解液などの材料合成から、電極の塗工、乾燥、プレス、打ち抜き、積層、溶接、注液、封止までを社内で一貫して行う。さらに、結晶構造解析、粒径測定、元素分析、電子顕微鏡観察、充放電試験、インピーダンス測定、比表面積測定などの設備も備え、材料開発からセル試作、性能評価までをワンストップで提供する体制を構築している。

展示会では、顔料メーカーとしての技術を活かして個体材料を液体中に均一に分散させる技術を紹介。同社の強みの一つがナノメートル単位で粒径を制御し、材料を均一に分散させることで、電池スラリーの凝集や沈殿を抑えることができる。溶液は水のほか、NMP、IPA、酢酸エチル、酢酸ブチル、MEKなどの溶媒や危険物にも対応し、分散液、ペースト、樹脂コンパウンド、インクなど多様な形態で供給できる。

同社は本技術を活用し、顧客から預かった電池材料を液状化して性能を評価。用途への適性を見極めている。電池スラリーの開発ではカーボンナノチューブやカーボンブラック、グラファイト、グラフェンなど、凝集しやすいカーボン系材料の分散にも対応する。各種溶媒やバインダーとの組み合わせを検討し、二次電池や全固体電池用の導電助剤をはじめ、導電塗料や放熱材料などへの応用を提案している。

材料を実用化する上で課題となるのが、ラボレベルの少量試作から量産へ移行する際のスケールアップである。少量試作で良好な結果が得られても、量産時には処理量の増加に伴い、材料を均一に混合するための撹拌方法や速度、時間に加え、製造中の温度をきめ細かく管理する必要がある。このため、安定した品質を維持する難易度は少量試作に比べて高くなる。

同社はこれらの条件を調整し、100グラム程度の試作から量産まで一貫して対応する。さらに、船便での輸送を想定した高温環境下でも粒径や粘度が変化せず、成分が分離しないかを確認するほか、凍結・解凍後に安定した状態へ戻るかどうかも検証する。受託加工やOEM生産も手掛けており、材料を単に液状化するだけでなく、量産、輸送、保管を経ても性能を維持できる分散体に仕上げられる点を強みとしている。

 

第一稀元素化学工業株式会社

第一稀元素化学工業は、ジルコニウム化合物を中心とする機能性材料の開発・製造・販売を手掛ける素材メーカーである。ジルコニウム化合物は、耐熱性、耐久性、耐食性などの特性を生かし、自動車排ガス浄化触媒、電子材料、構造用セラミックス、リチウムイオン二次電池、燃料電池など、幅広い用途に活用されている。同社は、組成や結晶構造、粒子径などを制御する技術により、それぞれの用途に応じた材料特性を実現している。

エネルギー分野では、リチウムイオン二次電池の正極材向けに、正極活物質の安定化や高電位領域での劣化抑制に寄与するジルコニア材料を展開している。また、正極材用の添加材に加え、セパレーターや負極など、その他の電池部材への適用を想定したジルコニア粉末・ゾルや、全固体電池向けの酸化物系固体電解質材料の開発にも取り組んでいる。

こうした電池材料の一つとして、同社はリチウムイオン二次電池の正極添加材用ジルコニア粉末「DKZ-366」を開発し、国内外への展開を進めている。DKZ-366は、粉末中の金属異物量を同社従来品比で10分の1以下に低減し、ppbオーダーの極めて低い金属異物量を実現した。これにより、金属異物の溶出に起因する内部短絡や異常発熱、発火のリスク低減に貢献する。また、独自の粉末制御技術により、粒子の凝集状態や粒度分布を制御しており、正極材と均一に混合しやすい特性を備えている。同社が実施した評価用コインセル試験では、ジルコニアを添加していない正極活物質との比較において、所定の試験条件下で100回の繰り返し充放電後に約40%の長寿命化を確認した。今後、特に高容量の車載用リチウムイオン二次電池などへの展開を見込んでいる。

同社は製品の高機能化に加え、安定供給体制の強化にも取り組んでいる。ジルコニウム化合物の製造では、中間原料にあたる「ジルコニウム中間体(以下「中間体」)の供給が特定国に依存しており、安定供給に課題があった。これに対し同社は、2012年にベトナムに生産拠点を設立し、自社グループ内で原鉱石から中間体を製造することで、原料調達の複線化を進めている。中間体は日本へ輸送され、同社の国内拠点で最終製品へ加工される。このような原鉱石から製品までの一貫生産体制を持つ企業は世界でも数少なく、供給安定性だけでなく、品質管理の面でも顧客から高い評価を得ている。今後もジルコニウム材料の高機能化を進め、次世代電池市場における事業拡大を目指す。

 

(IRuniverse Midori Fushimi)

Midori Fushimi

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