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BIR国際リサイクル会議2026、スペイン・マラガ 展示ブース訪問③:Tungco 「日本はタングステン業界で重要な役割を果たしている」

2026/11/03 20:49 FREE
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BIR国際リサイクル会議2026、スペイン・マラガ 展示ブース訪問③:Tungco 「日本はタングステン業界で重要な役割を果たしている」

MIRUでは、スペイン・マラガで開催されたBIR国際リサイクル会議の展示会場に出展した企業を紹介する。今回は、産業スクラップからのタングステン回収で長い実績を持ち、新たに「Project 74」で加工能力の構築を進める米国のTungcoを取り上げる。同社CEOのCliff Nance氏に、現在の事業と今後の見通しについて伺った。

55年の実績を持つ家族経営のタングステン専門企業

Tungcoは米ケンタッキー州マディソンビルに本社を置く家族経営の企業で、従業員は約70名。タングステン二次原料の分野で世界的なリーダーを自任しており、労働集約的な産業からタングステンを回収する事業を55年以上にわたって続けてきた。欧州事業と国際的な取引関係はTungco GmbHが支え、世界各地のサプライヤーと顧客のネットワークにサービスを提供している。

Nance氏は「当社の調達チームには、業界屈指のタングステン専門家がそろっています。専門知識と人間関係、そして調達の全工程でサプライヤーに最高水準のサービスを提供することを土台に、この事業を築いてきました」と語る。

Project 74:回収した素材を「使える原料」へ

今年発表されたProject 74は、Tungcoの取り組みの一つだ。使用済みの切削工具やドリルビットなど、米国内の産業スクラップに含まれるタングステンを、新たなタングステン製品の基礎原料となるタングステン酸ナトリウムに加工する。

Nance氏は「素材を回収することは不可欠ですが、それをメーカーが使える形に変える能力も必要です。Project 74はその能力を強化し、供給の多様化に寄与します」と説明する。タングステン市場の強靭化には、信頼できる市場の生産者、リサイクラー、メーカーのそれぞれの貢献が必要だとも述べた。調達の選択肢が広がっている例を尋ねると、同氏はこのプロジェクト自体を挙げ、「Project 74は、調達の選択肢がどう広がりうるかを示す私たち自身の例です。こうした能力を業界全体で増やしていくことが、顧客の選択肢を広げ、世界のサプライチェーンを強くします」と語った。

日本需要とスクラップへの注目

中国が2025年2月にタングステンの輸出管理を導入して以降、米国産スクラップの日本向け輸出は2026年初めに約24倍に急増したと報じられている。MIRUが日本の顧客への供給状況や日本の需要が事業に与えた影響を尋ねたところ、Nance氏は個別の取引には触れず、日本市場の重要性を強調した。「日本は、高品質な原料の安定供給に依存する製造業を擁し、タングステン業界で重要な役割を果たしています。スクラップへの注目が高まっていることは、すでに流通しているタングステンが貴重な資源であるという、私たちが数十年前から理解してきたことを裏付けています」。

採掘とリサイクルの両輪が必要

同社が現在注力しているのは、Project 74を通じた信頼できる加工能力の構築と、世界のサプライヤー・顧客へのサービス継続だという。今後の見通しについて、Nance氏はメーカーがタングステンを確保するうえで、リサイクルの重要性が一段と高まるとみる。「日本のような国々は豊富な製造の専門知識を持っており、重要原料への安定的なアクセスは、持続的な成長に欠かせません」。

同氏は「タングステンの安全保障には、採掘とリサイクルの両方が必要です。新規鉱山は市場に追加の供給をもたらし、リサイクルはすでに使われているタングステンを回収して市場にとどめます。どちらも、加工能力への投資とサプライチェーン全体での強い関係が必要です」と締めくくった。

取材協力:Tungco, CEO, Cliff Nance氏

Mehmet Gönültaş

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