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小型家電リサイクル法制度の問題点を突く

2012.10.24 23:49

 写真1小型家電リサイクル制度は、国に再資源化事業計画を提出し、主務大臣の認定を受けた認定事業者(と、その委託を受けた者)が廃棄物処理法の特例を受けることができる法律で、来年の4月に施行される。
 三度目となる今回の勉強会では、現在の小型家電リサイクル法がどのような法案となっているかを確認するとともに、現行法が施行された際の問題点について議論された。
 国が主催する傍聴会や、レアメタル関連の研究をしている学者筋が集まるシンポジウムと違い、参加された方々の多くは、リサイクル業を生業としている中間処理業者の方々。
 そのため、本法案が施行された際に、小型家電の回収が事業として成立するのかが論点となった。
 中でも大きな争点となったのは、「認定事業者」の規模と審査基準についてだ。

 

 

 

 認定事業者はリサイクル業者が、特定地域に集中してしまう「いいとこ取り」を防止するため、活動する広域が「隣接する3都道府県以上」(ただし北海道と沖縄県については例外)人口密度は「当該地域における人口密度1,000人/k㎡以下」でなければならない。
 まず、この基準では都道府県で区分けされているが、法律が施行されればリサイクルは自治体単位で行われるため、この定義だと表面上は県をフォローできてもこぼれ落ちる自治体が出てくるというダブルスタンダードになってしまうのではないかということが問題になった。

 

 また、環境庁は、都道府県レベルで複数の認定事業者が重複し、個々の自治体は複数の認定事業者と契約することは可能だが、あまり好ましくないと発言している。つまり中間処理業者が認定事業者となった場合に、ほかの認定事業者の指導の下で中間処理業を行うルートに入れなくなってしまい、中間処理業者は認定事業者にならない方が見入りがいいとほのめかされているのだ。
 こうなった場合、制度から取り残される自治体が出てくることが懸念されるのだが、逆にそれを大義名分として、国は全国津々浦々を網羅できる大企業を認定事業者に沿えようとしているのではないかと勘繰ってしまう。現在の基準では、認定事業者が全国規模で認定事業者として実施する場合は運転資金が20億円、資本金水準では10億円程度必要となる。この水準をクリアできる業者となるとおのずと限られており、ある大手商社が名乗り出ることがすでに決定しているという説もある。
 そもそも運営資金とは認定事業者は中間処理業者に運営資金を先行投資しなければいけない金額なのだが、「支払い条件」まで法律で縛る必要はあるのだろうか?
 「たとえばスチール缶やアルミ缶の入札の支払条件は全国の各自治体によって違う。先払いも後払いもあるし、その条件もいろいろ。支払方法は自治体と当該者が各自で決めるべきだ」という意見も述べられた。

 

 また、認定事業者と中間処理業者の関係に対して、両者の関係が親会社と子会社であってはならないという規定がないため、商社が親会社と子会社のリサイクル関連会社に下請けに出すことでルートを独占することも可能だという指摘もあった。
 「全国認定事業者が大きすぎて。中間処理業者の仕事が零細化して、入口も出口も指定されてルートがしばりつけられてしまうのが中間処理のリサイクルをやってきたものとしては一番の問題だ」とあるリサイクル業関係者は語った。

 「地元の中で競争するのは仕方ない。だが、本来は広域よりも地産でのリサイクルを指導し、地元で出たものは地元で処理し、それができないときだけ、他県の業者に協力をお願いするという地産地消を推し進めるべきで、この法律は現在あるネットワークをつぶそうとしている」という厳しい意見も出た。
 それでは、大企業の全国認定事業者に対抗するために、支店ベースで物流や小売り業者が認定事業者になってはどうか。3都道府県以上であれば一番ベターな4都道府県以上にして(この場合、概算された額では、運営資金は約1.7億円、資本金が約8000万円程になる)各小売り業者の物流の下に入れば資本金の基準をクリアできる。全国規模で展開する必要はなく、小売り業者ベースでネットワークを生かし、社員を出向させることでマネジメントできる。そうなると資本金、運営資金の壁は結構軽いのではないか。という意見も会議では発表された。
 あるいは、この法案とは別に品目を限定して、リサイクル業者間で連携したチームを作って自治体を通さずに、家電量販店のネットワークを使い回収を行ったほうが、利益が出るのではないかという話も出た。だが、そもそも家電メーカーの側が、リサイクル責任を持ちたくないという背景があり、車のようにデポジットで回収できるなら別だが、後払いのため、なかなかリサイクルができていないのが現状で、現実に実行するのは難しいのではないかという反論も出た。

 ほかにも中間処理における再資源化の基準が細かく設定されており、その水準に従ってリサイクルを行ったときに中間処理業者の利益が出るのかという問題もある。
 最悪の場合、中間業者は利益にならない小型家電ばかりを押し付けられ、結局は処理できない小型家電が法律に守られた状態で海外に違法リユースされてしまうのではないかという意見も多く、中間処理業者から見たときにあまりにも問題が多い法案だと言うのが現状だろう。
 では、参入する自治体には、この法案はどう映っているのだろうか?
 現在のところ認定事業者制度に参入する意向を示している自治体は半分程度。リサイクルシステムが確立されている自治体は判断に迷っているが、小さな自治体ほど、施行されれば参入するのではないかと思われる。自治体との交流も深い中間処理業者は「自治体と話している感覚からすると、小さい自治体ほど乗る。環境部、環境課が少人数で、業者の選定を一から資料を作るのは大変。だから乗っかる。大きな自治体は環境部はたくさん分かれていて、今までのノウハウがあるから独自の考えで乗るか乗らないか考えられる」と語っており、場合によっては各自治体で出来上がっているリサイクルの仕組み自体とコミュニティ自体を壊してしまうことになるのではないかと懸念してしまう。

 最後に特定対象品目に入っているパソコンと携帯電話についても話題となった。
 パソコンにはPCリサイクル法、携帯電話には「モバイル・リサイクル・ネットワーク」という法律ではないが、リサイクル制度が存在する。特にPCリサイクル法にはデポジットがあり、施行された03年以前のパソコンや、海外製品以外には料金に回収費用3000円が上乗せされている。しかし、アナウンスが不徹底のためか(実際、勉強会の参加者のほとんどが知らなかった)回収率はPCが年間1000万台出ているとして10万台伝後しか廃棄に回っておらず、ほとんどが中古販売や海外のリユースに流れているのが現状だ。そのため二重取りではないかということが問題になっており、消費者団体からは、「先行する法律があるなら、そちらを最大限利用するべきだ」という意見が出ている。

 「この回を立ち上げたのも、優良なリサイクル業者であるみなさんで知恵を出し合って、ノウハウのある人たちが業のできるようにするため法律も適正にするべきだと思ったからです。参加するみなさんで知恵を絞って、対応できる状況を作って法律をまともにしていく必要がある。それを理解していただければと思う」
会の途中、主催者は勉強会の趣旨について、こう説明し「これは検討が進んでいる段階で直せるタイミングはまだある」と語った。ここでの意見はパブリックコメントとして議会に提出されるのだが、少しでも意見が採用され、中間処理業者の採が取れる制度に改定されればと期待している。
(IRUNIV 千野政史)

 

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