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環境ビジネス問わす語り 目標は洗い替えされる

2020.09.23 12:19

 コロナ禍のおかげで世界のニュースが国内メディアに取り上げられる機会が相対的に減少していることもあってか、なかなか注目されないところもありますが、今年(2020年)は、生物多様性に関する愛知目標の最終年にあたります、と言われて「ああ、あれか」と反応して頂ける方は、残念ながら全国的にもごく少数だと思います。

 

 2010年に名古屋で開催された第10回生物多様性条約締約国会合(COP10)では、重要な二つの外交文書が採択されました。一つが生物多様性保全への努力目標を20項目にまとめた愛知目標、今一つが遺伝子資源の活用に関する名古屋議定書です。

 

 このうち愛知目標は2020年までに世界が取り組むべき課題を列挙しているのですが、目標1が「生物多様性の危機について人々に知ってもらうこと」となっていて、ひいき目に見ても今の日本でこの目標が十分達成されている、という評価は下しづらい状況です。

 

 厳しい見方をされる方は「愛知目標は失敗だった」と整理されているのではないかと思います。項目別にみても、専門家からは20個ある目標の1/3は達成度に不満あり、というような評価がなされているようです。

 

https://tokyo.birdlife.org/archives/world/17700

 

 このような整理は何も珍しいことではなく、ここしばらくのところ、各種の国際合意についてはむしろ当たり前の手順となっていて、実は「2030年のための持続可能な開発目標」:SDGsについても同様の結果が出ることがほぼ見えていたりします。

 

 あと10年もあるのに、そんなことどうしてわかるのか?と言われそうですが、国際社会のアプローチそのものが実はワンパターンで、さまざまな取り決めについて項目と目標値と期限を決めたら実行してその結果をモニタリングし、その結果によってその後の対応を決める、というプロセスを半ば機械的に繰り返しているからです。古くはオゾン層破壊物質の削減を決めたモントリオール議定書の時代から今に至るまで、環境問題に関わるほぼすべての国際合意がこの手順を踏んでいるのです。

 

 勘の良い方はもうお気づきかと思いますが、愛知目標にもすでに「次」が準備されています。2030年までの新たな目標の案文がそれで、今年10月に中国で開催される予定の生物多様性条約COP15で議論され、採択される予定ということで、草案はネットでも見ることができます。

 

https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/news/00067/?SS=emfimgview&FD=1672263899

 

 温暖化、汚染、有害化学物質など他の分野についても同様に言えることなのですが、環境問題は地球があるかぎりなくなることはないので、このような不断の対策も、今の形で人類社会が存続する限りにおいて続いてゆくのだろうと思われます。その意味においてCO2対策も、SDGsも、実施努力と継続的なモニタリングの先には常に「次の取り決め」がある、ということなのです。

 

 企業として、せっかく環境問題への取り組みを考えるなら、ぜひ「次の取り決め」にどう関与するかも含めてみてはどうでしょうか。実施努力の中で見えてくる企業ならではの経験値や言い分を積極的に織り込むことで、「次の取り決め」をより現実的で効果的なものへと作り上げて行けるのではないかということです。そこでは企業が果たす責任と引き換えに、妥当な利益を確保する機会も当然織り込まれるということになります。

 

 環境と言うと、何かメンドクサイ、おカネのかかる追加的な対策、というイメージがもう何十年もつきまとってきましたが、このように考えることで新たな事業機会になることは、すでに世界の経営者の間では半ば常識に近い考え方になってきています。せっかくサーキュラーエコノミーを通して環境問題にも貢献されている以上、経営者の皆さんにはぜひこのような機会を生かすことをお考えいただきたいものだ、私はいつもそんなふうに思っています。

 

 

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西田 純(環境戦略コンサルタント)

 国連工業開発機関(UNIDO)に16年勤務の後、2008年にコンサルタントとして独立。サーキュラーエコノミーをテーマに企業の事例を研究している。サーキュラーエコノミー・広域マルチバリュー循環研究会会員、サーキュラーエコノミージャパン会員

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