Loading...

JX金属:25年度3Q決算説明会を開催、業績見通しを上方修正

2026/02/11 02:10
文字サイズ
JX金属:25年度3Q決算説明会を開催、業績見通しを上方修正

 2月10日15時半、JX金属は25年度3Q決算を発表し、15時半から決算説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら

 

関連記事

 ⇒「東邦チタニウム:26/3期3Q決算発表、通期見通しを据え置き

 ⇒「ドル安・貴金属高でLME銅相場続伸、銅建値は40円引き上げの2,140円に ZnもUP

 ⇒「JX金属、28年3月にりん青銅条の生産を終了

 ⇒「非鉄製錬:非鉄市況の上昇基調を受けてか、株価堅調

 ⇒「LME・為替変動に伴う業績影響:JX金属

 ⇒「非鉄各社26/3期の市況前提とのギャップについて(1/16):26/3期3Q以降の前提基準

 

<ハイライト>(資料4ページ)

〇3Q累計

 一過性要因除きの営業利益が1,223億円と、昨年同期比で415億円の増益。為替が前年同期と比べ円高でマイナス要因となったが、銅をはじめとする金属価格の上昇によるプラス影響や、AI、データセンター関連の需要増加を受けたフォーカス事業各製品の増販により大幅な増益。

 

図表1、25年度3Q実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇通期見通し

 営業利益は1,500億円と、前回の公表値から250億円上方修正。なお、この前提は、為替を1ドル149円、銅価は470セント/ポンド、足元の環境が続くともう少し上振れの可能性がある。

 これに伴い、公表している還元方針に基づき今期の配当額を計算すると、1株当たり27円と、前回公表の21円から一株当たり6円の増配となる予定。

 

図表2、26/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇主要製品

●半導体材料(同5ページ)

 各製品はこちらに記載の通り。いずれもAI、データセンター関連の需要急増を受けて、前年度に比べ大幅な増販となった。特に、インジウムリン(InP)基盤、キャパシタ向けタンタル粉は、前回公表値から更に上方修正。

●情報通信材料(同6ページ)

 特に銅の需要が急増しており、全公表値から更に上方修正。このように、半導体材料、情報通信材料ともにAI、データセンター関連の需要が急増していることから、設備キャパシティの拡大や生産効率の改善に取り組むとともに、各製品において適正価格への見直しを進めている。

 

〇トピックス

 最近の取り組み事例について、トピックスを紹介する。

●InP基板(同7ページ)

 AI、データセンター関連で情報通信業が増加していることを受け、通信手段の電気から光へのシフトが進んでいる。光信号と電気信号を変換する際に用いられるInPの需要が爆発的に伸びていることで、これに対応するために、同当社も今年度中に2回にわたり能力増強投資の発表を行っているが、つい先ほど、本日15時半に、3回目となる能力増強投資を公表した。

 今回の増強により、生産能力は前年度比で約3倍と大きく拡張されるが、それでも需要予測には追いつかない、こういう懸念があるので、生産の効率化などと合わせて対応している。このような状況踏まえて、価格の見直しについても進めている。

●チタン銅(同8-9ページ)

 これもAI、データセンター関連になるが、伸びている。情報通信量が増加することにより、AIサーバー内の発熱、これが問題となるため、これに対応できる耐熱性や強度、こういったものを持ち合わせたチタン銅の需要が大きく増えている。四半期ごとの決済発表の都度、見通しを上方修正している状況。

 今後もさらに需要が伸びていくものと想定しており、これに対応するために、この後説明するが、生産拠点である倉見工場において製品ポートフォリを入れ替えることにより生産キャパシティの拡大に着手。

 チタン銅の需要が爆発的に伸びている。今取り組んでいるロボティクスなどの新規用途のニーズが将来的に大きく伸びると、見ている。

 このような状況を踏まえて、生産拠点である倉見工場において、売上の半分を占めながらも利益率が相対的に低いりん青銅の生産・販売から撤退することとした。

●今後注力していきたいと考えている分野(同10ページ)

 現在の主力製品(左下)、ターゲットなどだが、これはもちろん拡販を進めていくと、最先端技術の進展に応じて、そのシェアを伸ばしていく、取っていく、拡販につなげていくのは大前提。今後、それに加えて市場の拡大が見込まれる領域のうち同社の要素技術が生かせる分野として、このページの右側に記載しているような領域、これに取り組んでいく。

 具体的な例の1つとして、このページの左上に記載しているCVD/ALDプリカーサ材料があるが、これを初めとして、従来取り組んできた分野に隣接しながらもリソースの問題などで着手できていなかったもの、

 あるいは事業を大きく拡大できていなかったもの、こういったものが数多くあるとは感じている。

 したがって、こういった領域を今後拡大していくためにも、同社だけではなく、タツタ電線や東邦チタニウムなどのグループ会社のリソースも全面的に活用していくことで事業拡大を加速させていきたい。

 

<25年度3Q実績>

〇損益計算書

 売上高は、6,145億円と、対前年同期比976億円の増収。営業損益は、1,248億円と、386億円の増益、当期利益は、796億円と、336億円の増益。また、為替は、153円が149円と、4円の円高、銅価額には、425セント/ポンドが460セント/ポンドと35セント/ポンド高となった。

 

〇事業セグメント別売上高と営業損益(同13ページ)

 売上高6,145億円のうち、半導体材料が1,302億円で193億円の増収、情報通信材料は2,362億円と493億円の増収、ベース事業は2,577億円と353億円の増収。

 また、営業損益は、半導体材料が299億円と97億円の増益、情報通信材料が238億円と29億円の増益、基礎材料が802億円と294億円の増益。事業共通費用等合計して386億円の増益。

 資料右側にある一過性の損益で▲29億円の減益要因、また、為替。銅価等で+292億円の増益(為替▲50億円、銅価等+340億円)。また、数量差は+69億円、うちフォーカス事業で+115億円、ベース事業は▲46億円。また、コスト差等で+54億円となり、合計して1,248億円、+386億円。

●半導体材料(同14ページ)

 前年度202億円が299億円と、+97億円。

 薄膜材料は、AI関連需要の拡大を受けた主力製品の増販継続により円高を吸収して増益。

 タンタル・ニポブは、前年度ののれんの減損や構造改革費用の反転に加え、キャパシタ向けタンタル粉の大幅な増販、販売価格改善等により増益。

 まず、一過性の損益だが、タンタル・ニオブ事業において、前年度のれんの減損を行ったことや構造改革費用を計上したことにより▲55億円の損失を計上、これは無いということで+56億円。為替は、ユーロ高、円高の影響で▲12億円。また、数量差は+79億円と、薄膜材料においては、半導体用ターゲット、磁性材用ターゲット、InP、各々の製品の増販により+70億円。また、タンタル・ニオブは、キャパシタ向けタンタル粉等の増販により+10億円、合わせて+79億円。また、コスト等は、▲26億円だが、関税、多くは償却等のコスト増、特に今期から償却を開始したアメリカのメサ工場が入って▲26億円、合計して+797億円、299億円の営業利益となった。

●情報通信材料(同15ページ)

 去年の実績209億円に比べて238億円と、+29億円。機能材料は、スマートフォン市場の回復やAIサーバー用途向けの採用拡大に伴うも増販。また、価格改定等の構造改革の進展により、為替の円高を吸収して大幅な増益となった。また、東邦チタニウムは、為替の円高、価格、チタン価格の影響等により減益。また、タツタ電線は、去年TOBを行った結果、負ののれんを計上した利益が反転したことを主因に減益。情報通信材料の29億円の増益のうち、機能材料が+63億円。東邦チタニウム・タツタ電線が▲34億円。内訳としては、左側、一過性の要因が▲36億円。前年度計上したタツタ電線の連結子会社化に伴う、負ののれんの計上等に伴う反転の益がなくなったことで▲45億円の減益。また、機能材は、前年度、海外子会社の減損が無くなったことによる反転が+10億円で、一過性の損益としてで▲36億円。為替は、15▲億円(円高要因が減益の要因)。数量差は、主に機能材料で+36億円。これについては、圧延銅箔やチタン銅、その他製品等の増販により+36億円。コスト差等は、+44億円だが、構造改革、主に価格改定の進展により+30億円。タツタ電線の取り込み利益増等で+10億円、コスト差等で+44億円となり、合計して+29億円の増益、238億円の営業理経となった。

●基礎材料(同16ページ)

 508億円の前年度実績が802億円と、+294億円。

 資源は、前年度のカセロネス権益の一部譲渡に伴う売却益の反転はあったが、銅価等の上昇を主因に増益。また、金属リサイクルは、一過性トラブルによる減益はあるものの、銅価等上昇を主因に増益。今回、ケチュア鉱山の権益を売却したことにより増益。

 去年、前年度実績508億円に対して802億円と、+294億円。まず、一過性の溶益要因、前年度、カセルネスの一部権益売却の反転、▲75億円あるが、今期ケチュアの権益を売却したことにより+25億円。また、為替は、円高で▲25億円だが、銅価等金属価格の上昇で+345億円、合わせて+319億円。数量差は、鉱山での増産の+20億円だが、金属リサイクルのトラブル等による減益▲65億円があり、▲46億円。コスト差等は、+70億円と、鉱山のコスト等で+20億円のプラス、金属リサイクルでの硫酸価格の上昇で+30億円で、+70億円。合わせて+294億円の増益、802億円の営業利益となった。

 

〇バランスシート・キャッシュフロー/投融資・減価償却費・研究開発費

 こちらは資料の17ページ参照

 

<25年度見通し>

〇損益計算書(同19ページ)

 売上高8,200億円、前回委比+300億円。営業損益は1,500億円、同+250億円、当期利益930億円と、+140億円を見込む。

 今回の為替と銅価の前提は、為替は2-3月で145円、銅価は3月まで500セント/ポンドを見込む。感応度(資料下)、5円の円安になった場合は+15億円の営業損益。銅価格は10セント上昇で+20億円。

 

〇セグメント別売上高と営業損益(同20ページ)

 売上高8,200億円、半導体材料で1,800億円、前回比+100億円、情報通信材料300億円と+100億円、基礎材料は3,400億円と+200億円を見込む。また、営業損益は、半導体材料が400億円と据え置き。情報通信材料は、270億円と同+5050億円、基礎材料は、940億円と+200億円を見込み、合計しまして+250億円を見込む。

 内訳としては、資料右側にあるように、一過性の要因で+25億円、為替と銅価で+295億円、為替で+60億円、銅価等で+235億円を見込む。また、数量差については、フォーカス事業で+32億円。ベース事業で▲79億円、その他コストと等で▲23億円で、前回比+250億円、1,500億円の営業利益を見込む。

 

〇営業損益差異分析(前回比)

●半導体材料

 今回据え置き。箔松材料で+10億円、タンタル・ニオブ事業で▲10億円を見込む。角膜材料は、半導体用ターゲットの増販及び為替安を主因に増益。タンタル・ニオブは、キャバシタ向けタンタル粉増販の一方、構造改革関連費を織り込み減益を見込む。

 為替は、円安の影響で+億円、数量差は、半導体関連製品で+6億円、コスト等で構造改革の関連費用▲10億円等含め、▲13億円の減益要因で、営業損益は400億円と横ばい。

 構造改革関連は、先般アナウンスしたドイツ工場のシャットダウンとタイ工場への移管を行っているが、その中で、在庫の評価損や予備品の評価損と今回見直した結果、▲10億円程度を計上して、今回、タンタルは▲10億円を見込む。

●情報通信材料

 前回220億円の営業損益を見込んでいたが、今回270億円の営業損益を見込み、+50億円の増益を見込む。

 機能材料で+40億円の増益、東邦チタニウム、タツタ電線等で+10億円。機能材料は、圧延銅箔、AIサーバー向けのチタン銅の増販、為替安等による増益を見込む。また、東邦チタニウム、タツタ電線は、為替安等による増益を見込む。

 資料左側、為替の円安の影響で+15億円、また数量差で+26億円、主に機能材料事業で+25億円、圧延銅箔やチタン銅と各製品の増販により増益を見込む。機能材の工場のコスト等で+9億円の増益、合わせて+50億円。情報通信材料では270億円の営業利益を見込む。

●基礎材料

 前回740億円で、今回940億円と、+200億円を見込む。

 資源で+120億円、金属リサイクルで+70億円、調整等で+10億円を見込む。主に円安や銅価等の上昇や鉱山の権益の売却益等を見込む。

 今回、一過性の利益は、ケチュアの売却関連を計上。また、為替・銅価等は、+273億円、円安で+35億円、銅価等で+240億円の増益を見込む。数量差は、資源で▲50億円、金属リサイクルで▲30億円を見込む。これについては、資源で、鉱山のトラブルや新年度になって計画を更新したことによる生産計画の変更、また、金属リサイクルについても一時的なトラブル等の影響を見込む。コスト差等でも、▲19億円、鉱山の操業費用等の増加を見込む。合計して、+200億円、940億円の営業利益を見込む。

 

<バランスシート・キャッシュフロー/株主還元>(同24ページ)

〇バランスシート・キャッシュフロー

 こちらは資料のとおり。

 

〇株主還元

 損益を受けて21円から27円に、6円の増配を見込んでいる。

 

<参考>

図表3、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表6、銅価格と会社前提とのギャップ(前提=100)

出所:LMEよりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング