世界が注目した米中会談から5日が経ち、双方政府による発表や記者会見も5月19日までに一巡した。米中間の懸案といえば中国が輸出規制をかけるレアアースだが、これについては米側が「中国が対応する」と発表した一方、中国側からは言及なし。輸出規制緩和は実現するのだろうか。(写真はホワイトハウスホームページから)
米ホワイトハウスは5月17日に発表した米中会談のファクトシートで、中国との貿易パッケージの第1項目にレアアースを挙げた。以下の通りだ。
・中国は、イットリウム、スカンジウム、ネオジム、インジウムなどの重要鉱物に関連するサプライチェーン不足に関する米国の懸念に対応する。中国はまた、希土類の生産・加工機器や技術の販売禁止や制限に関する米国の懸念にも対応する。
プレスリリース(米ホワイトハウス): Fact Sheet: President Donald J. Trump Secures Historic Deals with China, Delivering for American Workers, Farmers, and Industry – The White House
一方の中国側は5月19日の外務省報道官による定例記者会見、5月16日の商務省による米中会談の貿易に関する詳細資料でも、話題は人工知能(AI)や農産品、航空機などに限られ、レアアースについては言及がなかった。
プレスリリース(中国外務省):2026年5月19日外交部发言人郭嘉昆主持例行记者会_中华人民共和国外交部
プレスリリース(中国商務省): 商务部新闻发言人就中美经贸磋商初步成果答记者问
これについてロイター通信は5月19日、ホワイトハウスの発表について「中国の輸出管理体制が今後も続くことを暗黙のうちに認めた。また、11月に期限切れとなる中国のより広範なレアアース規制に関する1年間の休戦が延長されるかどうかについても言及しなかった」と指摘。「米国は小さな勝利をおさめたが、中国の輸出規制自体は続くだろう」と予測した。
やはりレアアースについては米側がかなり焦っていると言え、中国としてはカードを保持しておきたいのが本音とみられる。しかし、ファクトシートで発表されてしまった以上は中国も一定の対応をせざるを得ないとみることもできる。レアアースを巡る次の山は米中が1年間の休戦期限とした11月になりそうだ。