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2020年度 表彰式・受賞記念講演会@日本チタン協会 その1 金属チタン製造の基礎編

2020.11.27 14:54

 一般社団法人 日本チタン協会による2020年度 表彰式・受賞記念講演会が、11月26日(水)に学士会館で開催された。この表彰式は、1984年(昭和59年)に始まり、今回が37回目となる。技術賞、協会事業功労賞、永年技術功労賞、賛助会員功労賞が贈呈された。

 

1.表彰式

 表彰式は、16時から、常時マスク着用で始まった。表彰状はチタン協会の柴田会長から贈呈され、感謝の言葉が述べられた。座席はあらかじめ指定され、着席位置は記録された。参加人数は、80名。

 表彰受賞者13名(奥様2名を含む)、柴田耕一郎会長(神戸製鋼所)、副会長2名[杉﨑康昭(大阪チタニウムテクノロジーズ)、越川和弘(日本製鉄)]、正会員[大阪チタニウムテクノロジーズ9名、東邦チタニウム6名、神戸製鋼所8名、日本製鉄4名、大同特殊鋼3名、三井物産メタルズ2名、住商メタレックス、メタルワン、アルコニックス、神鋼商事3名、日鉄物産6名、伊藤忠丸紅鉄鋼]

 賛助会員[アドバントマテリアルジャパン2名、チハラ産業、トーホーテック2名、日鉄鋼材3名、明珍本舗]

 研究機構(東京工業大学、東京大学、物質・材料研究機構)

 報道(ファスニングジャーナル、金属産業新聞社、ステンレスニュース、アイアールユニバース、鉄鋼新聞社)

 事務局(日本チタン協会2名)

 

 

写真

 

 

表

 

 

2.技術賞受賞記念講演

 講演者前には、アクリル板が設置され、ワイヤレスマイクは、講演の都度交換、会場の道路側の窓を開けての講演となった。

 

  ① 東邦チタニウム㈱ 執行役員 チタン事業総括本部

インゴット事業部長新良貴健氏

『EB溶解法による高効率チタンスラブ製造技術の確立』

 

  ② (株)神戸製鋼所 技術開発本部

材料研究所 材質制御研究室 主任研究員 伊藤良規氏

『航空機向けチタン合金鍛造品の超音波探傷性を考慮した組織設計技術』

 

  ③ 日本製鉄(株) 技術開発本部 鉄鋼研究所 材料信頼性研究部

  主幹研究員 國枝知徳氏

『Super-TIX523AFMの相変態を活用した高機能化に関する研究開発』

 

 

3.講演概要を理解するための基礎知識

3.1 チタン一般

 チタン(Ti)はクラーク数0.63 %であり、マグネシウム(Mg)に次いで9番目に多い地殻構成元素である。アルミニウム(Al)及び鉄(Fe)には及ばないものの、構造材料として利用できる金属のなかではMgに次いで4番目に多い。

 

 その人類との歴史をたどってみると、1791年(寛政3年)英国の牧師Gregorが元素として発見、1795年ドイツの化学者Klaprothがその元素にTitaniumと名前を付けた。

 

 不純ではあるが、チタン金属の製造に始めて成功したのはスウェーデンのBerzeliusで1825年(文政8年)、ヨウ化物の熱分解法で塑性加工可能な高純チタン(99.9%)の製造に成功したのが1925年(大正14年)van Arkel とde Boerである。1940年(昭和15年)になってアメリカ合衆国のKrollが、不活性ガス中で四塩化チタン(TiCl4)を金属マグネシウム(Mg)で還元する方法(開発者の名前にちなんで、クロール法と呼ばれている。)でチタンを製造し、1948年(昭和23年)にその多量生産方式を作り上げた。

 

 我が国では、1952年(昭和27年)にスポンジチタンの国産化に成功し、1954年には展伸材の工業生産も開始した。その後は、緩やかであるが着実に進展し、1990年代後半には、スポンジチタンは24 000トン、展伸材は13 000トンを生産する規模まで成長した。

 

 2018年度実績ではスポンジチタン56 080トン、展伸材18 992トンであった。

 

 

3.2 チタンの用途

 チタン合金は、比強度(=0.2%耐力/密度)において他の金属素材より優れており、世界で使用されているチタン合金鍛造品の50 %以上は軽量化と強度が要求される航空機向け部材である。

 

  一方、チタン合金は一般的に難鍛造材料であるといわれているように、金型への充満性が低く、形状を確保することが難しい。さらに航空機向けチタン合金鍛造品、なかでもエンジンディスク、シャフトなどの回転体部品では高い信頼性が要求され、鍛造時の温度やひずみ、ひずみ速度を制御して材料特性及び品質検査の仕様を達成することが必要である。

 

 

3.3チタンの製造プロセス

 チタンは、金属熱還元法の一つであるマグネシウム熱還元法によって製造されている、金属熱還元法の中でもチタンの塩化物を金属マグネシウムで還元する方法は、開発者の名前にちなんでクロール法と呼ばれている。以前は、金属ナトリウムを還元剤として利用するハンター(Hunter)と呼ばれる還元プロセスも工業的に利用されていたが、現在ではチタンのほぼ全量がクロール法により生産されている。

 

 クロール法の最大の欠点は、還元や冷却の速度制限が大きいこと、更には、反応生成物がスポンジ状の固体であり反応容器に固着するため、プロセスの連続化が実現できず生産性が低いことである。10トンのチタンを製造するのに約10日以上を必要とする、まるで、日本古来の製鉄法、たたら製鉄による玉鋼に匹敵する、貴重品といえる。

 

 バッチ式の還元反応の低い生産性を補うため、現状では複数の反応容器を還元工場内に設置し、並列処理によりチタンを製造せざるを得ない状況にある。

 

 チタン還元プロセスの連続化、高速化が課題となっている。

[参考文献 軽金属 第5巻 第11号(2005)537~543 チタンの新精錬法 岡部徹教授]

 

 

3.4チタン材料溶解技術

  加熱方式の違いにより溶解法は次のように分類される。

  ① 電極-溶湯間のアーク加熱(VAR)
  ② プラズマトーチによるプラズマアーク加熱(PAM)
  ③ 電子ビーム銃からの電子ビーム衝撃加熱(EBM)
  ④ コイルからの高周波誘導加熱(CCIM)

  [参考文献 神戸製鋼技法 Vol.49 No.3(1999)チタン溶解技術の進歩 草道龍彦氏]

 

 

消耗電極式真空アーク再溶解(VAR)法

 真空又は不活性ガス雰囲気下の水冷銅るつぼ内で、溶解材料自体で構成される棒状の消耗電極と溶湯表面との間にアーク放電を発生させ、その熱により消耗電極を溶融して溶滴として落下させる。溶滴が集まった溶湯プールで鋳塊が製造される。本法は電力消費量の少ないことが特徴である。

 

プラズマアーク溶解(PAM)法

 不活性ガス雰囲気下溶解であり、合金成分の蒸発ロスによる成分変動がすくないことが特徴である。

 

電子ビーム溶解(EBM)法

 本溶解法は、従来タンタルなどの高融点金属の溶解に適用されてきたが、米国でTiスクラップの溶解を容易にする水冷銅ハース(皿状容器)を用いる大型炉(EBCHM)が実用化され、THT社(現Timet)では、EB出力5MW(6EBガン)、最大スラブ鋳塊重量20トンの炉が稼働中である。EBCHM法では、比重の大きい超硬片(WC)などをハース上に形成される凝固層に沈降捕獲させ、上澄みの溶湯だけを出湯することでHDI介在物を除去できるとされている。

 本法は、高真空下溶解となるため、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、クロム(Cr)などの蒸気圧の高い合成成分の蒸発ロスを完全に抑制することが難しい。

 

コールドクルーシブル誘導溶解(CCIM)法

 CCIM法は、鉄鋼材料の溶解で一般的な真空誘導溶解法(VIM)の耐火物るつぼを、水冷銅製の多数のセグメントで構成されるるつぼに置換した溶解法である。本溶解法は、VAR,EBM、PAMなどと異なり、全原料を一括溶解する方式であり、溶湯成分の調整などが容易となるため合金の溶解に適しているが、実験炉の域を出ていない

 

⇒その2へ続く

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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