カナダの鉱山会社アルモンティ・インダストリーズ(Almonty Industries)は7月7日、自社ホームページ上で、「米新興企業向けナスダック株式市場への上場を申請した」と発表した。現在上場しているカナダの新興企業向けOTCQX市場からナスダックに乗り換える形を採る。調達した資金は韓国などでのタングステン生産に充てる。
■公開株数などは未定、タングステン生産の開発拡大へ
ナスダック上場に伴う公開株式数などは当時の市況により決める。よって資金調達額は未定だが、調達した資金は酸化タングステン施設の開発資金、運転資金およびその他の一般的な企業目的に使用するとした。トロント証券取引所、オーストラリア証券取引所、フランクフルト証券取引所での取引は継続する。
同社はポルトガルなどにタングステン鉱山を保有するほか、韓国の大型休眠鉱山である上東鉱山の開発・運営権を持つ。上東鉱山についてはかねて米政府が関心を示しており、アルモンティは上場発表の資料の中で、「米国とその同盟国へのタングステンの大手供給者としての地位を確保することができた」と述べた。
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■中国輸出規制で供給ひっ迫、APT過去最高値
足元では、中国による輸出規制に伴う供給ひっ迫で、タングステン価格が上昇している。ベンチマークであるタングステンAPTは7月3日に高値$485/MTUと過去最高値を付けた。これに伴い、アルモンティはカナダ市場での株価が年初来高値圏に上昇している。
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過去20年間のタングステンAPT価格の推移(EU Fastmarket)($/MTU)
(IR Universe Kure)