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粉末メーカーから見た積層造形 @ 大阪チタニウムテクノロジーズ

2021.02.26 18:01

 一般社団法人 日本チタン協会による「冬季賛助会員総会」が、2月25日(木)にWEBで開催された。研修会では、㈱大阪チタニウムテクノロジーズ(OTC)技監  大橋 善久氏による「チタン粉末メーカーから見た積層造形の趨勢、当社の取り組み、新技術紹介」についての講演会が実施された。

 

 

大阪チタニウムテクノロジーズ 企業紹介

 → 製品案内|株式会社 大阪チタニウムテクノロジーズ (osaka-ti.co.jp)

 

積層造形(3D プリンター)向け、低酸素球状チタン粉末

 → TILOP(タイロップ)|株式会社 大阪チタニウムテクノロジーズ (osaka-ti.co.jp)

 

 溶解時に坩堝を使用しない(非接触溶解)ガスアトマイズ方式により、不純物の汚染が極めて少ない製造プロセスであることを特長とする。溶解能力は年間150トンと世界でもトップクラスの生産規模を誇っています。

 

 2019年4月1日、大阪チタニウムテクノロジーズは、金属3Dプリンタ(積層造形装置)メーカーの豪州タイトミック社※1と丸紅の3社で、球状チタン粉末(商品名TILOP)の供給・拡販に関する提携覚書を結んだ。大型・高速造形が可能な3Dプリンタ向けに高品質粉末を供給し、航空機分野や産業分野での用途開拓を目指す。

※1Titomic Limited[オーストラリア・メルボルン:2014 年設立。事業内容:Titomic Kinetic Fusion Process(注) による構造体造形技術の開発と製造システム販売会社]

(注)Titomic Kinetic Fusion Process とは 他の積層造形技術と異なり、大気中で、粉末を溶融せずに高速噴霧して積層造形することが可能。 そのため、「大型部品が製造可能」、「熱歪がないため後熱処理において変形を生じない」、「生産速度が極めて高い」、「複合材料の造形が可能」といった各種特徴を有している。

 

講演内容

 ・イントロダクション:積層造形の概要

 ・積層造形の趨勢(市場予測、実用化の課題)

 ・大阪チタニウムテクノロジーズの取り組み(積層造形用粉末、プロセス、要求特性、課題)

 ・新技術紹介(国プロSIP第2期テーマ)

 ・将来への期待

 

 

<イントロダクション:積層造形の概要>

 2020 年3月23日に「JIS B 9441:付加製造(AM)-用語及び基本的概念」が、制定された。[JIS B 9442(3Dモデル用FAVフォーマットの仕様)も制定された。]

 

 附属書B(参考)基本原理には、

 「製造された部材の機能は、部材の形状と材料特性との組み合わせで実現される。製造プロセスにおいて材料に部材の形状を付与する工程は、三つの基本原理のいずれか又はこれらの組み合わせで構成される」との記載がある。

 

部材に形状を付与する3つの基本原理

 ① Formative Shaping(成形加工:原材料の塊に圧力をかけて目的の形状を付与する。

  例えば、鋳造、鍛造、抽伸、押出し、曲げ加工、プレス成形、射出成形)

 ② Subtractive Shaping(除去加工:材料を選択的に除去して目的の形状を取得する。
 ③ Additive Shaping(付加加工:材料を連続的に付加して目的の形状を取得する

 

 溶接、はんだづけ、接着剤、ねじなどの物理的、化学的又は機械的結合で複数の部材を組み立てることで、加工した部材から、より複雑な形状の製品を実現できる。付加製造(AM)では、付加加工の原理を適用して材料を連続的に付加し、物理的3D形状を付与する。

 

 多孔質構造も容易であり、カスタムメイド(個人にあった形状)が可能。

 

 三次元積層造形技術を用いてカスタムメイド寛骨臼形コンポーネントを製造することができる。

 → 平成20年度経済産業省委託事業 (meti.go.jp)

 

 

金属積層造形技術

 金属積層造形に用いられるのは,主に粉末床溶融(パウダーベッド)法と指向性エネルギー堆積(デポジション)法であるが,最近ではバインダジェティング法やマテリアルジェティング法も利用されてきている。チタンでは、パウダーベッド法※2(レーザー又はび電子ビームで溶解)が主に用いられている。

 

※2 粉末をブレードあるいはローラーなどでならし、できた粉末床をレーザーあるいは電子ビームで焼結・溶融する工程を繰り返しながら積層造形する方法

 

 【特徴】 ①高密度・高強度製品の製造が可能 (ほぼ真密度で、機械的性質は溶製材に匹敵) ②高精度複雑形状品の製造が可能(精度:50~100µm、表面粗さ:~40µm)

 

 【適用例】①航空宇宙部品(タービンブレード、噴射ノズル等)② 自動車用試作品

③インプラント等医療用部品

  → _pdf (jst.go.jp)

 

 

「次世代型産業用3Dプリンタの造形技術開発 ・実用化事業」 事後評価報告書(案)概要

 → 100922599.pdf (nedo.go.jp)

 

 

  <積層造形の趨勢(市場予測、実用化の課題)>

 大橋氏は、チタンの優れた実用性能から、利用上の課題はあるが、積層造形への期待大であると考えている。

 

  ・軽量 比重4.51 鉄の約6割、ニッケル基合金の約半分

  ・高比強度 重量あたり鉄の約2倍、アルミの約3倍

  ・高耐食性(耐海水性) 安定酸化皮膜形成、海水中で白金並み

  ・優れた生体適合性 金属アレルギーを起こしにくい

  ・資源が豊富 地球上の埋蔵量は金属として4番目

 

 世界の積層造形用チタン粉末の需要について、特に医療・航空機用途での適用が期待され、2018年~2026年に向け、年平均成長率は約35 %、2026年には4000トン/年を予想している。

 

 AM装置の世界市場は、2022年には約8700憶円、内日本は2%と推定され、世界における日本の積層造形の位置づけは相当に遅れている。実用化のために乗り越えなければならない壁が高い。

 

《積層造形技術実用化の課題》

 ・相互に影響しあう工程の掛け算で、多くの専門家を巻き込まなくてはならない。

  一般的なAM部品実用化の流れ:37=2187

  材料DB⇒設計⇒粉末⇒AM⇒後処理⇒評価⇒品質検査⇒認証

 ・材料DBから認証方法まで、全工程をそれぞれゼロから作り上げなければならない。

 ・各工程のいずれもレベルアップ・コストダウンすることが必要

 ・書き換えではなくAMの特徴を生かす設計(DrAM:Design for AM)が必要

 ・こなれた従来技術、保守的思考との競争がある。(コストと文化の壁)

  実用化には膨大なエネルギーが必要。

 

《実用化の壁を超える世界の取り組み》

 米国 M&Aと資金力

 欧州 多国間のチームワーク

 中国 国家の力

 

に、強力なトップポリシー及び活発なベンチャー企業力が加わる。

 

一方日本は、各社レベルでの奮闘。

 

 

<大阪チタニウムテクノロジーズの取り組み(チタン粉末に求められる課題)>

《経済性》

 低酸素 AMによる造形時の粉末の再利用回数の増加⇒初期粉末の低酸素化

・直径25µm~45µmの粉末1㎏の表面積は約50㎡に相当する。表層4 nmの酸化膜は、約80 ppmの酸素量に相当する。

・チタンの積層造形では造形毎に酸素が増加する。30層で約300 ppm増加する。

 粉末製造工程の改善 適正な粒度分布による必要粒度の収益向上

・製造方法毎に適正な粒子径が異なる。パウダーヘッド(電子ビーム):45 µm~105 µm、パウダーヘッド(レーザー):25 µm~4 5µm、デポジッション:105 µm以上、バインダージェット:25µm以下

・チタンは微細化しにくい。アトマイズ条件変更による調節

 

《リサイクル》

 使用量増加に伴い使用済粉末の増加が見込まれる⇒スクラップの再利用を含めた有効活用の開発

 

《積層造形に適した機能性粉末(ユーザーと共同開発)》

 造形プロセスの課題解決への貢献

 造形プロセスを活かした新材料開発

 

 

<新技術紹介(国プロSIP第2期テーマ)>

 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期(2018~)

 -逆問題MIの実構造材料への適用- C3:Ti合金粉末・3D積層造形プロセスの開発

 

【研究課題データ】Ti合金の粉末・3D積層造形プロセスの開発 | 日本の研究.com (research-er.jp)

 

 

<将来への期待>

 積層造形によって、チタン本来の材料性能を生かした新しい用途が広がると期待できる。

 製造業は国の基盤であり、積層造形で欧米中においつくだけでなく凌駕するため

 

 ・共通基盤技術の構築と共有化で、産業・規格の枠を超えた大胆な協力が必要

 ・日本の得意とする材料技術を織り込み、一歩先を目指す

 ・積層造形は総合技術であるため、日本の得意なすり合わせが活かされる。

  海外の知恵やマインドを、改めて積極的に取り入れる必要がある。

 

日本溶接協会 3D積層造形技術委員会

 → 3D積層造形技術委員会: 2020年度 事業計画(委員会設置の案内及び活動内容)(2020.7.8) (jwes.or.jp)

 

会員一覧

 → 3D積層造形技術委員会: 会員一覧 (jwes.or.jp)

 

近畿経済産業局 Kansai-3D実用化プロジェクト

 → 日本初「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想(Kansai-3D実用化プロジェクト)」について(近畿経済産業局) (meti.go.jp)

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

 

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