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ユニオンツール(6278):20/12期WEB説明会・電話取材メモ

2021.03.01 11:06

 20/12期は米中摩擦、コロナ影響で収益低迷も来期は5G、先端半導体向けで収益回復。

 

 

要 約

 ・20/12期はHuawei規制等響き2.2%減収6.8%営業減も計画対比で上振れて着地

 ・21/12期3.0%増収11.7%営利増予想は控え目で半導体パッケージ増で上期より増額含み

 

 

グラフ20/12期はHuawei規制等響き2.2%減収6.8%営業減も計画対比で上振れて着地

 20/12期業績が2/12に開示され、2/17のWEB説明会後にWEB取材を行った。20/12期は売上高228.17億円(0.3%減)、営業利益28.64億円(6.8%減)、経常利益28.36億円(4.3%減)、税引利益25.39億円(投資有価証券売却益7.63億円含む、6.5%増)で着地した。Huawei規制、自動車向け回復遅れから半導体向け等の好調があったものの収益が伸び悩んだが、計画地に対してはQ4で営業増益に転じ、売上高で14.17億円、営利で4.64億円上振れた。

 

 地域別収益では、主力の日本地区がセグメント間取引含む売上高で160.34億円(3.5%増)、営利16.53億円(0.2%減)。Q1が低迷も、夏場からの半導体向けの回復、Q4での自動車向けの回復が加わり、前年度並みで着地した。 アジア地区はセグメント間取引含む売上高114.91億円(2.3%増)、営利10.10億円(3.4%増)に。Huaweiへの規制強化などで伸び悩みがあったものの、コロナからの早い回復もあり、堅調な推移に。なお、その他地域は、売上規模が小さく、営利 は1.44億円(19.0%増)と全体影響は軽微。

 

グラフ 全体で営利減となったのは、内部取引による利益調整が0.57億円(82.2%減)となったため。全体では下期が健闘し、収益横ばいを確保した形に。他の機械工具メーカーが軒並み数量減や大幅売上減と なる中で、同社はミクロンドリル中心であり、顧客も半導体パッケージ、車載、デジタル・モバイル、通信などがメインのため、他社とは異なる状況となっている。具体的にはQ4の12月断片での仕向先別数量構成では、半導体パッケージ基板向け構成比が34%に達しているが、これは最先端CPUデバイス向けにフリップチップパッケージ(イビデンや新光電気工業の先端基板向け等)が本格拡大、またスマホ端末向けアプリケーションプロセッサなどアップルの好調もあり繁忙だった事による。

 

 逆に通信向 け構成比が13%に下がっているのはファーウェー排除の影響で5G基地局向けPCB需要の急減が影響しているなどである。

 

 製品別では切削工具売上高が209.9億円(0.4%減)、営利29.29億円(3.1%減)。内訳は主力のドリル売上高が165.33億円(0.9%増)。ドリル生産数量は34700万本(1.5%増)、販売数量が34900万本(2.3%増)と微増を確保。注目すべきは高付加価値のコーティングドリルの構成比が一貫して向上している点で、20/12期は3.2ポイント増加し17.2%がコーティングドリルとなった。とりわけ中心となるのがULF1コートドリルで、10.5%が13.7%と、比率増加分はこのULF1コートの拡大が寄与した。一方、エンドミルは売上高44.58億円(5.2%減)と自動車向けの回復が遅れ減収に。

 

 

グラフ

 

 

グラフ21/12期3.0%増収11.7%営利増予想は控え目で半導体パッケージ増で上期より増額含み

 会社側は中国の春節前に21/12期予想を策定、売上高235億円(3.0%増)、営業利益32億円(11.7%増)、経常利益33億円(16.3%増)、税引利益24.5億円(3.5%減)予想とした。今年は春節でも需要対応で工場稼働している企業も多く、会社側でも上振れの可能性を示唆している。

 

 但し生産能力がかなりタイトであり、大幅な増産にはならないとのこと。また設備投資計画をコロナで設備投資を抑制した20/12期の21.73億円(19/12期は34.23億円)に対し、22.99億円に止めており、今後、設備増強を行っても、効果は来期になる見通し。

 

図 現状、前期末で構成比34%に達した半導体パッケージ向けの拡大が今期も継続しよう。具体的に日本におけるプリント基板販売状況でも、フリップチップBGAパッケージ基板大手のイビデンや新光電気工業のインテル向け売上が前年度比30%超の伸びを示し、22/3期も大幅拡大が見込まれる。パッケージ基板ではビルドアップ層はレーザーで穴加工、コア層はガラス繊維など含まれるためドリルによる穴開け加工がなされているが、パッケージ基板が難削化、大型化、コア材厚板化してお り、ドリルの使用量が増えている。今後も新世代パッケージが相次いで投入される見通しで、一部コアレス基板もあるものの、大半がコア材を有し、コーティングドリル中心に拡大が続こう。

 

 また自動車生産の回復で、構成比の1/4を占める車載向けの拡大が期待される。車載向けは電装化加速による数量増に加 え、耐折損、耐熱性からガラス繊維強化、耐熱硬質基板ニーズが高く、レーザー対応が難しいPCB基板が多い。このためULF2等のより長寿命化したコーティングドリルへの需要が高まり、収益性もアップする見通し。また通信向けも5G基地局でHuawei向けのボトムから の回復と、非Huawei向けではレーザーでは抜けない耐熱基板向け需要が拡大しよう。

 

 20/12期末で構成比が19/12期比で19%から13%へ低下したが、基地局のアンテナ駆動で無線信号を増幅させる機能を担う「RFアンプ」など、ミリ波対応で難燃性材料やフッ素樹脂材など難削基板も増える事もあり、再度構成比を上げてこよう。加えてデジタル・モバイル機器向けも、ハイパフォーマンスPCマザーボード向けは今後もリモートワークスタイルの定着で堅実な伸びが見込める。

 

写真 さらに昨年末のマイクロソフト「Xboxシリーズ5」、ソニーの「PS5」の投入があり、ゲーム用MPUでAMDがULF2を採用、任天堂「スイッチ」ではNVIDIAのGPU向けも好調持続で、供給が追いつかない中で一時的に構成比が低下しているが、こちらも数量増が期待される。その他では、半導体エッチング装置シャワーノズル向けに微細な穴開けをダイヤモンドコートΦ0.1~0.2mmULF2等が伸びるなど、用途拡大も見込める。

 

 エンドミルについては全体の80%が金型向けで、用途はワイヤレスイヤホン用ソケット向け金型、スマホ用レンズ金型向け等が伸びている。前期はQ3まで自動車向けが不振で5.2%減も、Q4では12.44億円まで回復、今期は自動車生産の回復などで緩や かな拡大が見込める。なお同分野では既存のハイス鋼、特殊工具鋼金型向けに加え、超硬合金金型など、被削材の硬度化ニーズが高まっており、同社ダイヤモンドコートエンドミルなど高付加価値製品の売上拡大も期待される。

 

 全体として世界的にPCBに対する要求品質の高まりが同社PCBドリルへの需要を支え、高機能製品群の拡大による単価アップ効果も加わり、会社予想を上回り2ケタ増収増益が見込まれる。但し、生産面では現在月産3500万本態勢まで拡大しているが、既に上海が工場用地を含め余力が無く、東莞も900万本に対し1000万本と超過生産の状況で、現行の設備投資計画では大幅な増額とはならないと判断される。同社は生産設備機械について自社製を利用、特に生産性が格段に増すと言われるNラインは、国内ドリル部門での導入がほぼ完了、今後、東莞などでも増設するかがポイントとなろう。Nライン投資は月産30万本程度の1ラインで1億円強の投資で実行出来るが、コーティング設備では別途特殊な炉が必要で操業度確保リスクも伴うため、投資計画見直しが今後の成長の大きなポイントとなってこよう。いずれにしても5Gの拡大、IoTの推進、自動車のEV化、自動運転ニーズの高まりなど、高機能PCBへの需要拡大が続く見通しで、22/12期も収益拡大が続こう。

 

 

グラフ

 

 

表とグラフ

 

 

(H.Mirai)

 

 

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