豪州企業IGO Limitedと中国のリチウム生産者Tianqi Lithium Corporationは、6月30日、新たなリチウム・ジョイントベンチャーの設立完了を報告した。これは、2020年12月に計画が発表されていたものである。
この新会社は、両社が中国以外の国でリチウム資源に投資するために設立されたとのことで、IGOが49パーセント、Tianqiが51パーセントを所有する形となっている。
このジョイントベンチャーではまず、世界有数のGreenbushesリチウム鉱山(51パーセント所有)と、Kwinana水酸化リチウム精製工場を含む、豪WA州にある既存の上流および下流のリチウム資産に焦点を当てるとされている(Greenbushesリチウム鉱山の残り49パーセントは、米Albemarle社が所有)。
今回IGO社が公開した声明によれば、Kwinana水酸化リチウム精製工場は、稼働が開始すると、Greenbushesの高品質のスポジュメンからバッテリーグレードの水酸化リチウムを生産する、豪州初の、完全に自動化された水酸化リチウム精製所となる。試運転プロセスはすでに開始されており、2021年後半に、最初の水酸化リチウムの生産が予定されているとのこと。
さらに、Greenbushes化学グレードプラント2の再稼働と立ち上げも進行中だといい、鉱滓回収プロジェクトの完了および試運転は、2022年初頭に予定されているとのことだ。
IGO社のCEO及びマネージング・ディレクターを務めるPeter Bradford氏は、Tianqi社との新しいパートナーシップについて、「IGOにとって真の変革をもたらすものであり、クリーンエネルギー革命に焦点を当てている我々の戦略を実現するもの」であるとコメント。世界に通用するリチウムビジネス構築に向けて、期待を寄せた。
Tianqi社の創業者兼会長のJiang Weiping氏も、今回の決定は両社に大きな利益をもたらすものであるとし、「この合弁会社を通じて、先頭に立つ世界的なリチウムビジネスを成長させること、そしてクリーンエネルギーの未来へ向けた我々の共通ビジョンを実現することを楽しみにしています」と述べた。
(A.Crnokrak)
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豪州シドニー在住。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには、是非お声がけください→MIRUの「お問い合わせ」フォーム又はお電話でお問い合わせください。
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