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豪Cobalt Blue社、プレミアム混合水酸化物のサンプル完成 発送先からも評判上々

2021/09/14 09:15

 豪州コバルト企業Cobalt Blue Holdings Limitedは9月10日、自社プロジェクトBroken Hill Cobalt Project(BHCP)の進捗具合に関して新たな声明を発表した。これによれば、NSW州西部のBroken Hillプラントで開発が進められていたプレミアムコバルトのサンプルが全て完成に至り、パートナー企業の元へ発送されたとのこと。さらに、より大規模な実証プラントへの移行も計画通り進んでいることが発表された。

 

(参考記事)

 ・豪注目コバルト企業Cobalt Blue Holdings MIRU独占インタビュー(上)

 ・豪注目コバルト企業Cobalt Blue Holdings MIRU独占インタビュー(下)

 ・豪Cobalt Blue社、パイロットプラントの設置完了および試運転成功 サンプル供給開始へ

 

 

 同社のパイロットプラントは第2四半期初めから稼動していたが、新型コロナウイルス関連の諸々の影響があり、サンプルプログラムは第3四半期に延長されていたという背景がある。今回完成したサンプルは、高品位で様々な仕様の“プレミアム混合水酸化物MHP(コバルト35〜41%、ニッケル3〜10%の範囲内で含有)”。すでに製品を受け取った発送先の潜在顧客らからは、非常に好意的なフィードバックを得ているという。

 

 世界のコバルト取引の約75%を占めているのは水酸化物中間体で、この供給は、現在コンゴ共和国からものが大部分であるとのこと。しかし、コンゴ産の水酸化物の典型的なコバルト含有率が25〜40%であるのに対し、Cobalt Blue社のMHP製品はコバルト35〜41%、ニッケル含有率も3〜10%と高く、不純物が非常に少ないことが魅力的な特徴として挙げられている。

 

 このように、この工場で生産されたサンプルは高品質で、価格決定の基準となる業界のベンチマークを明らかに上回っているとのこと。同時に、パイロットプラントでは、上に述べた範囲内であれば、製品仕様を(顧客の要望・仕様に合わせて)容易にカスタマイズすることが可能であることも、重要な点として今回確認された。

 

 BHCP のグローバルプロジェクトパートナーの調査はこれらの結果に大きく助けられたとのことで、同社のRob Biancardi会長は、「我々の海外パートナーにとって素晴らしいニュースです」と述べている。

 

 CEOのJoe Kaderavek氏のコメントは以下の通り。「このように高品質なMHPサンプルをパイロットプラントで生産できたことは、Cobalt Blue社、そしてBroken Hillチームにとって非常に大きな成果です。約3,000kgのコバルトサンプルを生産する実証プラント(24時間週7日稼働)への移行は、世界的なプロジェクトパートナーを探すのに大いに役立つものとなると期待しています。BHCPは(今後)およそ20年にわたる大規模で倫理的なコバルト生産者であり、電気自動車500万台分に相当するコバルトを生産することができます」。

 

 大規模実証プラントは、引き続き2022年第1四半期の操業開始が目指されるとのこと。なお、BHCPの営業利益率を最大化するためには、製品仕様・価格と製造コストのトレードオフが重要だということで、これは言い換えると、「安定して生産できる最も利益率の高いコバルト製品は何だろうか?」という問いであり、実証プラントではそのような製品をターゲットにしていく旨が述べられた。

 

 なお、パイロットプラントに関しては、最初のサンプルプログラム後も稼働を継続させることを目指しているそう。すでにMHPを受け取っているパートナーから注文のあった一部の硫酸コバルトを含む、追加のコバルト材料が生産される予定だという。また、サンプル発送先のうちの1社からは、より大きなMHPサンプルの要望を受けているということで、同社は、サンプル発送依頼は今後も増えるものと見ている。

 

 

(A.Crnokrak)

 

 

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