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アルミニウム圧延品の生産・出荷動向 速報 2022年2月

 2022年3月24日付、(社)日本アルミニウム協会発表の2022年2月の国内アルミニウム圧延品の生産・出荷動向の概況は以下の通り。

 

 

表: 2022年2月単体 実績 生産および出荷概況

表

 

 

<概況>

 2月は、第24回冬季オリンピック北京2022大会が2月4日~20日の日程で開催された。新たに7種目、ジャンプ混合団体、エアリアル混合団体、スノーボードクロス混合団体、ショートトラック混合リレー、フリースタイル・ビッグエア男女、女子のみのボブスレー女子1人乗り競技が採用され、選手失格や疑惑に揺れたフィギュアスケートなど物議を醸した場面はありながらも、競技はコロナ対策の元に無事実施され、幕を下ろした。

 

 その数日後の24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻した。現在、民間施設も攻撃対象となり被害が拡大、1945年以来、欧州最大の地上戦となっている。当時の第二次世界大戦で中止となった冬季五輪には、1940年札幌大会、1944年当時のイタリア王国コルチナ・ダンベッツォ大会があったが、平和の祭典として知られるオリンピックの閉幕を待つようにし、数日で状況は一変した2月であった。

 

 ウクライナは西側をEU欧州連合諸国、東側をロシアに囲まれた人口4千万人超の国であり、面積は日本の約1.6倍の国家である。その耕地面積は農業大国と言える広さで小麦などの産地とし「欧州のパンかご」とも呼ばれており、ウクライナ国旗の青色と黄色の2色は、青い空と黄色い小麦畑を表していると言う。そして現在、陥落阻止のため命がけで守っている首都キエフは、遡ること10世紀から栄え欧州の大国と肩を並べた、ロシアと同じ東スラブ民族からなるキエフ公国に帰する歴史を有する。

 

 2月末からのロシアの侵攻によって、経済や製造業など多方面で世界的に多くの影響が出ている。小麦などの穀物不足と価格の高騰など農業関連の影響や、エネルギー資源関連の大きな影響もさることながら、コロナ渦での世界的な半導体不足も甚大となっている。現在の半導体供給不足はアルミ関連への影響も大きい。

 

 ウクライナにある半導体関連メーカーなど生産工場の操業停止が発表されているが、半導体の製造に欠かせない気体ネオン生産を手がける、ウクライナのクライオイン社は、3月上旬に生産工場停止を決定した。ロイター報道によると、同社と他のウクライナ企業で世界シェアの約50%を占めるといい、世界的半導体不足に拍車をかける形となる。

 

 そして半導体の流通市場では、偽造品や型番・メーカー名の書き換えによる悪影響も広がりを見せている。今後製造の現場では、電子機器の半導体が粗悪品であった場合の重大な事故や故障も想定しなければならない事態となっている。外見は本物と似ても似つかぬため、正規品と見比べて、ロゴが消されているか、配線はどうかなど、多くの比較作業が必要になるという。

 

 また、ロシアへの制裁の一環としてアルミナ、ボーキサイトの禁止も発表された。3月20日、オーストラリア政府は、ロシア向けアルミナ・ボーキサイトを禁輸とすることを発表した。その数日前にはロシア新興財閥、オリガルヒのオレグ・デリパスカへの制裁も発動しており、原料のアルミナ約20%をオーストラリアからの輸入に頼っていたロシアのアルミ産業への打撃となる。今後アルミの需要が拡大する中で、アルミ製造とウクライナ情勢との関連性は更に大きくなるだろう。

 

 そしてアルミ需要については、3月2日、The Aluminum Associationは、2021年の北米(米国およびカナダ)におけるアルミニウム産業の需要成長率を推定7.7%と発表、米国の2021年国内総生産(GDP)成長率の推定値5.7%を上回る数値となった。アルミ需要は、COVID-19パンデミック時は2019年から2020年にかけて11.4%もの需要減となっていたものが、この2021年に回復基調にあるとした。

 

 アルミ圧延品の全体的な出荷状況は、2月もほぼプラスが継続し、板類の半導体向け材料「電気機械器具」が先月に続き非常に好調であった。押出類も建設分野の伸びが続くが、自動車はこれまで同様に、マイナスの状況が継続した。はくは、飲料用は好調であるが、それ以外の「食料品」の出荷数は微減であった。「化学工業」「金属製品」の日用品や雑貨は全て大きく伸びた。

 

 

・『板類』

 「電気機械器具」の「その他の電気機器」は前年同月比27.7%プラスの3,074トンで大幅増が継続した。「一般機械」も前年同月比29.6%増の2,319トンと好調であった。「建設」はすべてにおいて伸びたが、「サッシ・ドア」は84.8%増の536トンとなった。全体の出荷は合計94,669トンで前年同月比4.7%増とプラスが続き、うち輸出も、13,069トンと前年同月比1.2%増となった。

 

 “自動車”:自動車生産台数減少と国内生産調整によって、出荷数は台数を減らしマイナスとなった。

 

 2020年4月▲47.3%→5月▲61.1%→6月▲36.6%→7月▲36.0%(11,371トン)→8月▲ 21.9%(10,337トン ) →9月▲4.2%(15,967トン)→10月+6.0%(17,416トン)→11月+4.2%(16,761トン)→12月+6.2%(15,834トン)

 

 2021年1月+7.6%(16,115トン)→2月+16.9%(17,551トン)→3月+16%(19,861トン)→4月+33.1%(16,840トン)→5月+89.9%(17,524トン)→6月+123.5%(18,957トン)→7月+46.3%(16,636トン)→8月+37.3%(14,192トン)→9月▲6.9%(14,969トン)→10月▲19.5%(14,012トン)→11月▲5.1%(15,904トン)→12月▲11.8%(13,973トン)

 

 2022年1月▲7.7%(14,880トン)→2月▲10.4%(15,729トン)

 

 “缶材”: 7.2%増の31,448トンと更にプラスが継続し、RTD飲料やノンアルコール飲料などの好調が続いていることや、家飲みの定着により堅調な需要が継続している。

 

 

・『押出類』

 「自動車」は板類同様に減少、前年同月比20.4%減の9,644トンとなり減少が継続したが、「船舶・ 航空機・ 鉄道車両その他」は0.7%増の1,037トンとなった。「精密機器」は前年同月比13.5%増の833トンと好調を維持した。

 

 「電気機械器具」は前年同月比0.1%増の1,061ンと好調を維持、「食料品」は前年同月比2.2%増の46トンと増加した。「日用品」は前年同月比4.3%増の49トンと増加した。

 

 輸出は、前年同月比7.6%減の819トンであった。

 

 “建設”:建設関連は「サッシ・ドア」「内装材外装材」共にプラスとなり、住宅着工戸数も増加し好調を継続した。押出類「建設」は、前年同月比7.4%増の32,478トンであった。

 

 住宅着工戸数:

 2021年1月58,448戸(前年比▲3.1%)→2月60,764戸(前年比+4.0%)→3月78,787戸(前年比+1.5%)→4月74,521戸(前年比+7.7%)→5月70,178戸(前年比+9.9%)→6月76,312戸(前年比+7.3%)→7月77,182戸(前年比+9.9%)→8月74,303戸(前年比+7.5%)→9月73,178戸(前年比+4.3%)→10月178,994戸(前年比+10.4%)→11月73,414戸(前年比+3.7%)→12月68,393戸(前年比+4.2%)

 

 2022年1月59,690戸(前年比+2.1%)

 

 “自動車”:先月に続き5ヶ月連続で減少となった。

 

 2020年8月▲23.2%(7,523トン)→9月▲3.8%(11,142トン)→10月+2.2%(12,295トン)→11月+10.8%(12,312トン)→12月+11.7%(11,449トン)

 

 2021年1月+2.4%(10,735トン)→2月+9.3%(12,123トン)→3月+11.2%(12,987トン)→4月+19.6%(11,555トン)→5月+56.1%(9,894トン)→6月+64.3%(12,179トン)→7月+45.5%(11,967トン)→8月+23.8%(9,316トン)→9月▲9.0%(10,134トン)→10月▲23.5%(9,401トン)→11月▲12.0%(10,838トン)→12月▲16.0%(9,618トン)

 

 2022年1月▲16.1%(9,008トン)→2月▲20.4%(9,644トン)

 

 

・『はく』

 生産、出荷共に16ヶ月連続プラスとなり、コンデンサー向け、LIB向け共に好調を継続した。

 

 輸出は大幅に増加し、前年同月比14.2%増の1,062トンとなった。

 

 “電気機械器具”は、「リチウムイオン電池」は3,289トン(前年同月比+7.8%)と増加し、全体で5,32トン(前年同月比+3.1%)と増加した。

 

 “食料品”は、「飲料用」が172トン(前年同月比+27.4%)と大きく増加した。

 

 “化学工業”「医薬品」は728トン(前年同月比+16.7%)と増加、「洗剤化粧品その他」は54.5%増の102トンとなった。

 

出典:

 ・https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220328/k10013553291000.html

 ・https://www.afpbb.com/articles/-/3396000

 

 

A L U C O

 流通業界に身を置くこと20年、中東、ヨーロッパの大学院に留学した経験から、エネルギー産業への関心が高い。趣味はスキューバダイビング、自然観察、ワイン(ソムリエ)。

 

 

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