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工作機械工業会3月受注確報 3月30.0%増1663億円、21年度68.7%増1兆6675億円

3月受注は1663億円30%増)と17ヶ月連続増加、単月で過去2番目の数字

 4/21の15時に日本工作機械工業会の3月工作機械受注確報が開示された。3月受注は前年同月比30.0%増の1663億円と17ヶ月連続増、47ヶ月ぶりの1600億円超、1000億円超が14ヶ月連続となった。コロナ前の3年前の2019年の同月比27.2%増と2ケタ増を確保、4年前のピーク時比較では9.1%減の水準となり、単月として2番目に大きな額となった。販売は1758億円(19.5%増)、受注残は69.7%増の7577億円と同期比大幅増も、期末でもあり販売が進み12ヶ月ぶりに前月比1.2%と減少した。

 

 

グラフ

 

 

外需は同月比21.3%増1060億円と17ヶ月連続増、48ヶ月ぶり1000億円超に

 外需は1060億円(21.3%増)と17ヶ月連続増、2月比でも17.6%増となり、2018年3月(1073億円)以来、48ヶ月ぶりに1000億円大台を超えた。主要4業種で同月比、前月比とも増加、一般機械がアジア、北米増で301億円(29.8%増)、自動車はアメリカの大型受注含め229億円(29.3%増)と4カ月ぶりに220億円超。

 

 電機・精密が218億円(0.0%増)とアジアの大型受注を含め12ヶ月ぶりの200億円超に。航空・造船・輸送用機械はアメリカの増加で56億円(59%増)となった。主要3極別では欧州が195億円(38.9%増)と14カ月連続増加、主要4業種すべて同月比プラスで地政学的リスク影響はまだ顕在化しておらず、ドイツ33.4%増、イタリア63.9%増、英国2.1倍、フランス72.8%増など高水準を持続している。なおロシア・その他は6.25億円のキャンセルが発生も欧州全体への影響はまだ軽微。北米向けは328億円(53.7%増)で14カ月連続増加、アメリカが60%増の301億円と高水準。業種別では一般機械が2.1倍、電機精密2.6倍、自動車が47.3%増。アジアは519億円(2.8%増)。中国が334億円(10.7%減)と2ヶ月連続で同月比減少、インドも31.3%減となったが、一方で台湾が半導体関連で大型受注から37%増、シンガポール7倍、マレーシア2.4倍などが寄与し、全体では増加。なお中国の業種別では電機・精密が94億円(39.0%減)で一般機械97億円(3.6%減)、自 動車107億円(35.4%増)を下回り、一服となった。

 

 

グラフ

 

 

内需は同月比48.8%増602億円で13ヶ月連続プラス、2018年9月以来の600億円超

 内需は602億円(48.8%増)と13ヶ月連続前年同月比プラス、2018年9月(644億円)以来、42ヶ月ぶりに600億円超に。主要4業種は全業種同月比増加、自動車が125億円(23.7%増)、前月比でも25.1%増と半導体不足が言われる中でも設備投資は継続している。一般機械は250億円(53.5%増)と13ヶ月連続プラス。電気・精密は半導体製造装増向け等が繁忙で99億円(2.0倍)と14ヶ月連続増加となった。

 

 

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3月販売は19.5%増1758億円と13ヶ月連続同月比増、受注残高69.7%増7597億円

 受注の拡大に伴い、受注残高も増加し7597億円(69.7%増)となったが、3月期末でもあり販売額が1758億円(19.5%増)と受注額を上回り、前月比では12ヶ月ぶりに減少した。

 

 なお販売額の伸び率が今年度最低となったのは、多分に部材調達遅れ、サプライチェーン混乱などが影響していると見られる。

 

 

グラフ

 

 

2021年度受注額は1兆6675億円(68.7%増)程度と2018年度並み、歴代3位の金額

 2021年度受注額は1兆6675億円(68.7%増)と、2018年度の1兆6891億円に迫る数字に落ち着き、過去3番目の記録となった。内訳は内需5662億円(73.7%増)、3年ぶりの5000億円超に。全業種増加しているが、主要4業種では電機・精密が861億円(2.4倍)とコロナからの回復、半導体・電子部品向けの需要増が寄与している。一般機械も2259億円(72.9%増)と3年ぶりに増加、一方で自動車は1182億円(38.7%増)と、伸び率としては全11業種中最も低い数字に止まった。

 

 外需は1兆1013億円(66.2%増)、4年ぶりの1兆円超で過去最高額を記録した。主要3極全て増加、アジアは5291億円(44.3%増)と半導体、EV関連投資が牽引、4年ぶりに5000億円を突破し過去3番目の数字に。北米は3167億円(75.5%増)と3年ぶりの3000億円超となり、過去最高額を更新、欧州はEU中心比回復2343億円(2.3倍)と3年ぶりに2000億円を超えた。

 

 2021年度、販売額は1兆3869億円(32.6%増)と、こちらは2019年度の1兆3679億円に迫る金額となり、歴代4番目の数字となった。また受注残高が伸び率として69.7%増と過去にない高い伸び率となっており、半導体不足などの部材不足、コロナ影響、サプライチェーンの混乱、収益認識基準変更による検収遅延による影響などが重なったものとみられる。このため21年度の販売額は過小表示されているとみられる。

 

 

グラフ

 

 

 21年度、機種別受注額ではMCが最大金額6988億円(60.9%増)となった。横型MCが87.4%増、また5軸以上の複合機が1485億円(83.1%増)と複合機化が18.7%から22%に上昇している。旋盤は5523億円(74.5%増)、こちらは複合加工機が2172億円(67.1%増)と複合機化は一服。研削盤は1034億円(66.3%増)で、特に平面研削盤が233億円(81.0%増)と高い伸びに。レーザー加工機も751億円(72.7%増)、放電加工機573億円(72%増)など、高い伸びを記録している。

 

 

主要7社の3月受注486億円(38.8%増)と16ヶ月連続増、日本電産が5000億円宣言

 日刊工業新聞がまとめる主要工作機械7社の1月受注実績は486億円(38.8%増)と16ヶ月連続プラスとなった。内訳は輸出288億円(54.2%増)、国内188億円(54.0%増)となった。

 

 

日本電産 売上高5000億円の国内最大の工作機械メーカーを目指す

 企業別では芝浦機械を除きプラス。ツガミが伸び率11%増ながら輸出が単月で107億円と過去最高を記録し、初めて100億円大台超え、全体でも115億円は2021年4月の107を抜いて月間最高額に。また日本電産グループが46億円(75%増)と高い伸びに。4/21の日本電産の決算説明会では電産グループとしてあと3社のM&Aが検討されており、中期的に売上高5000億円を超え、日本最大の工作機械メーカーを目指すという強烈なメッセージが発せられた。ある意味、工作機械業界は大変化の時代に突入する可能性が生じたと言えよう。

 

 

グラフ

 

 

(H.Mirai)

 

 

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