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「LiB to LiB」に経営資源を集中 アサカ理研・油木田社長が目指すレアメタル事業の集大成

 

写真

2022年5月に竣工したアサカ理研の新社屋

 

 

 創業(1969年)以来、有価金属の回収・再生事業を軸に環境、システム開発事業を展開してきた株式会社アサカ理研(福島県郡山市)は、2019年からリチウムイオンバッテリー(LiB)再生事業に本格参入した。会社の新たな柱「LiB to LiB」に邁進する油木田祐策・社長に展望を聞いた。

 

写真 5月に竣工したばかりの新社屋だが、社長室にはすでに油木田社長が発するバイタリティがしみ込んでいるような気さえした。三菱商事から前社長の山田慶太・現会長に招かれて2019年に社長に就任。「当時からJASDAQに上場していたこと、『LiBの再生』という新しい事業に取り組み始めていたことに伸びしろと面白みを感じました」と話す。2011年の東日本大震災で起こった原子力発電所の事故もあり、新しいエネルギーを福島で実現し復興に貢献したいとの思いを強くしたことも背景にあったという。

 

 EV導入とLiBのリサイクルで日本は「遅れている」と痛感している。「周回遅れじゃなくて2周遅れと言っていいかもしれない」と危機感を抱く。就任以来、ピッチを上げて研究開発・事業化に取り組んできた。いわき工場の改修も含めLiB再生の量産プラントの導入を進めている。2023年より稼働する設備では、乾式処理で製造された原料から湿式処理によってレアメタルを効率的に回収することができるようになる。

 

 社内体制は着々と出来つつあるが、油木田社長は「事業の拡大にはビジネスパートナーとの連携が不可欠」と確信している。LiBを製造する「動脈産業」と使用済みLiBからレアメタルを再生する「静脈産業」のいわば大連携だ。視野に入れているのは市場の膨張である。「LiB市場は民生用より車載用の需要が多くなり、2030年には現在の約6.2倍に膨らむ。さらに40年にはEV、PHV、HVの生産台数は約1億台、廃棄は約6200万台に及びます。LiBの寿命は約10年なので、10年後から廃LiBが大量発生すると考えています」(下のグラフ参照、アサカ理研調べ)。大連携の第一歩として2021年8月には、製錬・リサイクル事業を展開し乾式処理に強みがあり、いわき市内に小名浜製錬所を持つ東邦亜鉛株式会社(東京都千代田区)と共同研究開発契約も結んだ。

 

 

グラフ

※2021年現在

 

 

 グラフに示すステージ3に向け、パートナーシップの模索は続く。「様々なステークホルダーとの座組を考えていますよ。それには一度始めたらしつこく続ける覚悟が必要です。見切りをつけてしまうのが早かった過去に決別し、『到達するまでやる』といった気持ちが根付けば大丈夫です」と油木田社長。社風が変わってきたことに手ごたえを感じている。

 

 リサイクル技術への関心も尽きない。今気になっているのは「解体」処理。「焼く(乾式処理する)のは手っ取り早い半面、中身を殺します。解体がいいのは分かっているけどプラクティカル(実用的)なのかどうか。『LiB to LiB』を実現する会社として目指すのは単にLiBからメタルにするのではなく、あくまでも電池材料、最悪でもプリカーサー(前駆原材料)にすること。製品が産まれ、使われた地域内において再生し、新たな製品の材料として再利用するという持続可能な資源循環の『地産地消+地再生モデル』を実現するのに最適な方法は何か、です」。6月にアメリカで開かれるLiBについての国際会議にも出席して、世界の動向を探る。

 

写真 せっかくの機会なので、都市鉱山ということばが世に広まる前から有価金属の回収・再生を行っている工場を見せてもらった。独自の溶媒抽出法で低品位スクラップからでも貴金属類を回収する技術があったからこそ、レアメタル事業の集大成ともいうべき新たな柱「LiB to LiB」ができた。その伝統を育んできた工場建屋の中にはタンクが並んで配管が走り、成分を分析する電子機器が設置されたラボもあって、全体の印象は化学工場だ。女性技術者の姿も結構目についた。

 

写真 ここでは銅やプラチナ、パラジウムなどを扱うが何といっても圧巻は金だ。一角には金の抽出用設備があり、部屋の中央に据えられたやぐらの底部にはふた抱えはありそうなガラス容器が置かれている(写真下左)。中はウイスキーのような色をした液体でほぼ満たされている。なんとこの液体こそ、金の〝原液〟だという。ここから抽出した金は純度99.99%。純金である。その金で作った延べ棒が下の写真。ここはまさに「アサカ金山」なのだった。

 

 

写真

 

 

 

 

(IRiniverse 阿部治樹)

 

 

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