工作機械工業会7月受注速報 7月5.5%増1424億円も2020年11月以来の低い伸び
7月受注は1424億円(5.5%増)、21ヶ月連続増加も、2020年11月以来の低い伸び
8/9の15時に日本工作機械工業会の2022年7月受注速報が開示された。7月受注は1424億円(5.5%増)と21ヶ月連続で前年同月比プラス。3年前のコロナ前比較で40.6%増、4年前ピーク時同月比では5.8%減。7月としては2018年の1521億円に次ぐ過去2番目の数字ながら、伸び率が5.5%増と、2020年11月以来の低い伸び率となった。
内訳は外需が904億円(0.9%増)と21ヶ月連続増加し、7月として2021年7月の896億円を抜き過去最大。但し伸び率0.9%増は2020年10月の1.3%減に次ぐ低い数字で高原状況と言える。コロナ禍で欧州などでは例年より早めの夏期休暇に入るなどの影響もあった様子。内需は520億円(14.5%増)と17ヶ月連続で2ケタの伸びを記録、3年前比では26.2%増、ピーク年4年前比では22.9%減と、多少勢いが鈍ったが、半導体製造装置や自動車もEVを見据えた投資が継続している模様。
金属加工機械として鍛圧機械7月受注は29.0%減194億円と2020年12月以来の減少
工作機械と同じ金属加工機械ながら、鍛圧機械の受注は急減した。8/7に発表された日本鍛圧機械工業会の22年7月鍛圧機械受注は、機械全体で前年同月比29.0%減の194億円と、今年最低の数字とともに2020年12月以来のマイナス成長となった。
国内は100億円(10.6%減)と17ヶ月ぶりに減少した。電気22.4%増も、自動車、一般機械、鉄鋼、金属製品など軒並み減少している。輸出は93億円(41.9%減)と16ヶ月ぶりに減少した。内訳は主力の中国、また北米、欧州ともに減少、一方で台湾・韓国、インド向けは増加した。機種別内訳はプレス機械が100億円(45.7%減)と落ち込み幅が大きい。大型、超大型プレスが大きく落ち込み、中型プレスなどの72.2%増を打ち消している。板金系は94億円(5.2%増)と、レーザープラズマ10.6%増など堅調もパンチング等が減少した。
6月工作機器生産は14%増196億円と18ヶ月連続増、ボールネジ、直動軸受は最高額
工作機械に関連する工作機器では、日本工作機器工業会が8/5に発表した22年6月の生産額は196億円(14%増)と18か月連続増加した。主力ボールネジが19ヶ月連続プラスで前年同月比29%増の39.5億円、直動軸受は20ヶ月連続プラスで20%増の69.7億円と何れも生産金額で月間過去最高額となった。なおボールネジは数量が5月に同月比17.6%減と2020年10月以来の減少も一転増加に回帰、直動は数量1ケタ増も19ヶ月連続増加を継続している。工作機械以外で半導体製造装置向け等の増加、用途拡大が寄与している。
(H.Mirai)
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