住友化学、自動車マテリアルリサイクル事業化へパイロット設備導入~リバーHDと協業
~使用済み自動車を利用した廃プラスチック再資源化の取り組み加速~
住友化学は、今回、使用済みの自動車から得られる廃プラスチックを再資源化するマテリアルリサイクルの事業化に向け、パイロット設備を導入することとした。2023年度中に顧客向けにサンプル提供を開始し、自動車分野のリサイクルプラスチックの商業生産を目指した取り組みを加速させていく。
日本では年間約300万台の自動車が解体処理されているが、バンパーや内装材などのプラスチックは解体後の分別や異物の除去が難しく、マテリアルリサイクルを行う上で大きな課題となっている。一方、欧州では多くの自動車メーカーが新型車に一定の比率でリサイクル製品を採用するなどプラスチック資源循環の取り組みが進んでおり、日本でも同様の動きが広がることが予想される。
こうした中、住友化学は、長年培ってきたプラスチックの製造技術を生かし、使用済み自動車から得られる廃プラスチックを用いてポリプロピレンコンパウンドを製造する新たなプロセスを構築することとした。そのため、廃プラスチックの種類や特性に応じて高精度な選別や異物除去などを一貫して行う設備を導入し、今後、自動車向けに高品質なリサイクルプラスチックの商業生産を目指す。
住友化学は、マテリアルリサイクルの事業化を目指して、総合環境企業であるTREホールディングス傘下のリバーホールディングス株式会社と21年6月から業務提携に向けた検討を開始し、これまでに両社で一貫した選別工程の最適化や環境負荷評価などに取り組んできた。今回のプロセス構築は、同社から提供を受けた廃プラスチックを利用して行う。同社は、サーキュラーエコノミーの実現に向けて「静脈産業」との連携をさらに深化させていく。
(IRuniverse.jp)
関連記事
- 2025/06/16 三菱ケミカル 三菱化学高分子材料(南通)有限公司移転決定
- 2025/06/16 豪Livium社 レアアースリサイクル推進へ 複数の抽出技術開発企業と協議中
- 2025/06/16 環境大臣政務官が、自動車リサイクルの最前線リバー川島・ELV川島事業所を視察
- 2025/06/15 週刊バッテリートピックス「アイシンがファスナー式太陽電池」「FDKが高出力電池量産」など
- 2025/06/13 DOWA子会社が村田製作所からサプライヤー表彰を受賞―リサイクル金属の循環スキームを共同構築
- 2025/06/13 日本が中国製ソーラーパネル調査開始
- 2025/06/13 環境省 中環審の脱炭素型資源循環システム構築小委員会開催〜高度化法概要について
- 2025/06/13 トクヤマ他 使用済太陽光パネル資源循環推進・北海道コンソーシアム設立
- 2025/06/13 レゾナック、日本製鉄他 排出 CO2 の有効活用によるグリシン製造研究開発が、NEDO 採択
- 2025/06/13 東ソー クロロプレンゴムの生産能力を増強