豊田通商 国内初、水酸化リチウムの製造工場が福島県楢葉町に竣工
~増加するリチウムイオンバッテリー需要に対応~
豊田通商株式会社(以下:豊田通商)のグループ会社である、豊通リチウム株式会社(以下:豊通リチウム)は、福島県の楢葉町に国内初となる水酸化リチウムの製造工場の建設を進めてきたが、本日、竣工したと発表した。
水酸化リチウムは、車載向けリチウムイオンバッテリーの正極材の原料であり、電動車普及の加速やバッテリー性能の向上に伴い、これまで以上に需要が見込まれるとともに、安定供給が求められている。
豊田通商は、2014年にAllkem Limited(オールケム社(旧Orocobre Limited(オロコブレ社))と共に、アルゼンチンのオラロス塩湖のリチウム生産拠点Sales de Jujuy(以下:サレス・デ・フフイ)で、炭酸リチウムの生産を開始した。その後、炭酸リチウムの供給にとどまらず、高品質な水酸化リチウムを国内外のメーカーに安定的に供給するため、2018年に豊通リチウムを設立し、国内初となる水酸化リチウムの製造工場建設をこれまで進めてきた。
同工場では、サレス・デ・フフイで生産された炭酸リチウムを、水酸化リチウムに加工。生産能力は10,000トン/年で、豊田通商のグループ会社である豊通マテリアル株式会社を通じ、車載向けなどの電池用途に限らず工業用途も含め、国内外のメーカーに販売する。
まずは試運転を行いながら、製品の品質が適合しているかなどの確認を行った後、本格稼働へと移行する。当面は工場の安定生産・安全操業に注力するが、急拡大するリチウムイオンバッテリー市場の期待に応えるため、将来的には生産能力の拡大や、海外への展開も視野に入れている。
豊田通商グループは、自動車の電動化シフトに伴い増加するリチウムイオンバッテリーに必要な水酸化リチウムを供給していくことで、カーボンニュートラル、CO2排出量削減の取り組みを加速させていく。また、同事業は、東日本大震災の復興支援である経済産業省の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金の対象事業として、経済産業省および福島県の協力を得ながら、地域経済の活性化や被災地域の産業復興にも貢献していく。
(IR universe rr)
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