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ユニオンツール(6278):22/12Q3WEB取材メモ 先端半導体向け好調で再増額期待

22/12期先端半導体向けULF1続伸、6.5%増収10.5%営利増予想は再増額期待

 

株価(11/28):3585円、  時価総額709億円、  発行済19780千株 

PER(22/12DO予):11.9X PBR(0.98X)配当(DO予100円)配当利回り:2.8%

 

 

22/12Q3は先端半導体向けULF1続伸継続し7.6%増収24.1%営利増と収益上伸継続

 

 22/12Q2決算が11/9に開催され、その後WEB取材を行った。22/12Q3は売上高77.74億円(同期比7.6%増)、営業利益19.94億円(同24.1%増)、経常利益20.95億円(同31.2%増)、税引利益16.03億円(同39.1%増)と収益上伸が続いた。

 

 地域別収益では、主力の日本地区がセグメント間取引含む売上高で57.11億円(7.7%増)、営利17.25億円(38.6%増)と伸長を続けた。国内向けではULF1コートドリルが半導体フリップチップパッケージ向けにインテルの出荷遅延影響で高原状況から外部売上は31.20億円(5.8%増)に止まるも、台湾向け、ロックダウン影響のあった上海の代替生産など内部売上が拡大、内部売上が25.92億円(10.0%増)と、国内を上回る伸びに。利益面ではPCBドリル販売数量に占めるコーティングドリルの構成比が29.2%まで高まり(21/12Q3は18.6%)、特にULF1は17.2%から28.7%に上昇、ULFシリーズは国内でしか生産しておらず、高収益のULF1が牽引した。また円安効果もあり営業利益率が13.3ポイント向上し30.2%となった。ちなみに外部取引での営利率は26.3ポイント向上し55.3%となっている。アジア地区は売上高37.76億円(4.2%増)ながら営利2.66億円(38.7%減)と、上海工場で約2ヶ月にわたる生産停止影響が残り、円安で見かけの売上は膨らんでいるものの、上海子会社が16%減収、50%営利減、東莞子会社が24%減収、60%減益などが影響した。売上は少ないが北米は48%増収、営利2.1倍、欧州も28%増収、31%営利増と、円安効果がフル寄与している。

 

 製品別では切削工具売上高が69.12億円(4.3%増)、営利17.35億円(15.7%増)。内訳は主力のドリル売上高が54.25億円(2.4%増)、エンドミル14.87億円(12.0%増)。ドリルはULF1以外でスローダウン、一方エンドミルは4半期で過去最高売上となった。超硬ドリルの販売量が7800万本(20%減)も、高単価のコーティングドリルは推定2280万本(25%増)となり、円安効果もあり利益率の向上があった模様。エンドミルは数量の開示がないが、過去最高の売上高で利益率も向上しているとみられる。

全体を通じ、先端半導体製造向に高収益なULF1の拡大が継続、売上増効果とともにMIX良化、円安効果で収益上伸が続いた。なお、会社側ではQ3累計で営利55.15億円(前年同期比16.23億円増、41.7%増)となっているが、この中で円安効果が11億円億円あり、実力値では5億円の増益、率にして29%営利増との認識で、Q3では1.40億円の円安効果と想定され、Q3は実質15%営利増益と見られる。

 

22/12期6.5%増収10.5%営利増に変更無くQ3累計営利進捗率92%は再増額期待

 

 22/12期予想の変更はなく、売上高300億円(6.5%増)、営利60億円(10.5%増)、経常利益60億円(11.0%増)、税引利益44億円(15.7%増)予想としているが、Q3累計で売上高こそ77%とほぼ計画通りも、営業利益進捗率が92%、経常利益では96%となっている。昨今の半導体生産軟化の影響があっても、同社はULF1を中心に先端半導体向けが中心で、メモリ減速の影響は軽微と見られ、利益の大幅増額が見込まれる。なお為替前提を1$=120円前提を据え置いているため、仮に1$=130円平均で推移した場合は売上高315億円(11.8%増)、営業利益65億円(19.7%増)と試算されるとのこと。現状年平均で130円となっており、315億円に対してのQ3累計売上高進捗率は73%となり、売上面では多少の増額、利益ではULF1の寄与度の向上で、大幅増額が期待される。

 

23/12期はULF1需要増、エンドミル拡大で非コート品伸び悩みを補い収益拡大期待

 

 現状、構成比40%超に達した半導体パッケージ向けは、需要家のニーズが依然高く、先端パッケージ向けのULF1能力を月産800万本超から23/12期末には第五世代の無人化設備投入で月産1000万本体制とする計画で構成比はさらに高まろう。パッケージ基板は難削化、大型化、コア材厚板化で製造工程の付加(SAP)が増加、ドリル使用量が増えている。実際にパッケージ基板用でサーバー向けドリル使用量がPC向けを抜き、最大使用量となり、ネットワーク向けの使用量も増加率も高まっている。23/12期はインテルの遅延しているサーバー用新世代パッケージが年央には本格投入される見通しで、イビデンや新光電気向け等に拡大が見込める。但し、台湾向けは勢いが急速に弱まっているとのことでUFL1の伸び率は鈍化しよう。なお全体として非コート品は半導体生産の下ブレ等で弱含み、23/12期のドリル収益拡大テンポは鈍化しよう。

 

 エンドミルは全体の80%が金型向けで、用途はワイヤレスイヤホン用ソケット向け金型、スマホ用レンズ金型向け等の伸び悩みが見られる。一方で自動車向けが本格拡大、今後四半期15億円超が期待される。また海外向けにφ3mmシャンクエンドミル「Vシリーズ」を投入、23/12期はシリーズ化も進め、急速な拡大を目指す。現在、東南アジアで「Vシリーズ」をきっかけに新規代理店契約が相次いでまとまっており、エンドミルだけで早期に売上高100億円を目指す。

 

 全体として世界的にPCBへの要求品質の高まりで同社PCBドリルの需要増が見込まれ、特に先端半導体パッケージ基板向けの拡大から、23/12期は伸び率鈍化も収益拡大が続こう。

 

 

(H.Mirai)

 

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