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モリブデン&バナジウム市場近況12月 Mo急騰で08年以来の高値 V変わらず

 最近のレアメタル市場で最も注目されるのはモリブデン、ニッケルの高騰であろう。

 ニッケルは11月半ばに30,000ドルをつけた後に証拠金引き上げで一旦は下落したものの足元は再び30,000ドルを抜け、先物で33,000ドルまで上昇している。ここで再びの証拠金引き上げがあるのかどうか?一方、モリブデンはモリブデン精鉱のひっ迫に加えて、大手のカッパーバイプロプロデューサーサー(コデルコ、フリーポートなど)が来年の長契交渉において供給減少を伝えていることで急上昇している。

 

LMEニッケル相場の推移($/ton)最近3か月

酸化モリブデン相場の推移($/lb)15年間の推移

フェロモリブデン相場の推移($/kg)15年間の推移

 

 指標となる酸化モリブデンはここ1週間で続伸に続伸を重ねており足元はポンド当たり25ドルに迫っている。これは2008年10月以来、実に14年ぶりの高値圏である。この上昇についてモリブデン生産者筋は

 「昨年からモリブデンはタイトといわれていたが、来年は愈々本格的なタイトに見舞われる可能性がある。需要面ではガスパイプラインの敷設増加、風力発電向けの需要増、金属モリブデン需要の増加、といった需要が伸びるとみられているなかで、バイプロ勢の供給は増えない見通しになっており、もしかすると30ドルという線も見えてくるかもしれない」とみている。

 

 中国はプライマリーモリブデン鉱山が多いが、中国ではすでにモリブデン精鉱価格は過去最高値をつけている。

 

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 その中国は金属モリブデンの米国向け輸出が増加していることもあり、すでに需給はひっ迫している。

 またフェロモリブデンも上昇しており、足元はキロ当たり58.2ドル。こちらも2008年10月以来、14年ぶりの高値をつけている。モリブデンはなお強含みといえよう。

 

 一方のバナジウムはまだトンネルから脱せていない。五酸化バナジウム(V2O5)でポンドア当たり8.1~8.2ドル、フェロバナジウムでキロ当たり33ドル前後で推移。若干上昇しているが、モリブデンのそれに比べると弱い。それはまさにVの需要が弱いからに他ならないが、Vはやはり建設向け異形棒鋼向けの需要が回復しないと上昇は難しい。それは中国の不動産投資が復活するかどうかにかかっているのだが、こちらはなおさら困難なようにみえる。むしろカントリーガーデンという中国最大の不動産デベロッパーの倒産が噂されるほどであるため、中国のゼロコロナ規制緩和が広がっても不動産セクターの回復は容易ではないとみる。バナジウムは弱含み横ばいで年末年始を迎えることだろう。

 

五酸化バナジウム相場の推移(V2O5 $/lb)最近3か月

フェロバナジウム相場の推移($/kg)最近3か月

 

 

(IRUNIVERSE YT)

 

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