1月のアルミ概況および2月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2300-2700ドル ↑
スクラップ +10円(前月最終価格より) ↑
為替 130-135円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
前半は中国の新型コロナ感染拡大に対する警戒感、世界景気後退に対する警戒感や米株安などのマイナス材料もあったが、12月の米CPIが事前予想の範囲内ながら物価の落ち着きを示し、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は0.25%にとどまるとの見方からドル安、米株の上昇などを好感しUP。
1月15日時点で2511ドル(セツル)と月初価格か174ドルUPの前半締めとなった。後半は米公開市場委員会(FOMC)が開始されるなか、米雇用コスト指数の伸び鈍化を受けた利上げ幅縮小期待などのプラス材料あったがドル高・原油安を嫌気してDOWN。
月末日 後半スタート価格26ドルDOWNの2577ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
133.70 → 131.47(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-1.3%の66万1012台
輸出は前年同月比-5.8%の33万4092台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+10.8%の22万9497台
自動車生産台数
自動車販売台数推移
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,貸家及び分譲住宅は増加したが,持家が減少したため,全体で前年同月比1.7%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.5%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 67,249 戸。
・前年同月比 1.7%減, 3か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,328千㎡。
・前年同月比 6.6%減, 4か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 846千戸。
・前月比 0.5%増, 先月の減少から再びの増加。
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 +82.5%の250t
二次合金 -40.4%の1191t
スクラップ +52.9%の3万4303 t
アルミ缶 -60.6% 2110t
輸出
輸出推移
【輸入】
新地金 -6% 10万261t
二次合金 -15.2%の8万5400t
スクラップ +30.5%の805t
合金スクラップ -16.8%の6872t
輸入
輸入推移
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -6.7% 14万3290t 9カ月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -2.3% 6万528t 4カ月ぶりマイナス
出荷は +3.5% 6万417t 4か月ぶりマイナス
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-1.3%の66万1012台
輸出は前年同月比-5.8%の33万4092台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+10.8の22万9497台
内 乗用車 +11.2%
貨物 +8%
バス +16.7%
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,貸家及び分譲住宅は増加したが,持家が減少したため,全体で前年同月比1.7%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.5%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 67,249 戸。
・前年同月比 1.7%減, 3か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,328千㎡。
・前年同月比 6.6%減, 4か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 846千戸。
・前月比 0.5%増, 先月の減少から再びの増加。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -6.7% 14万3290t 9カ月連続マイナス
板 類 8万7517t --5.5% 8か月連続マイナス
押出類 5万5773t -6.5% 12か月連続マイナス
アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -2.3% 6万528t 4カ月ぶりマイナス
出荷は +3.5% 6万417t 4か月ぶりマイナス
【輸出】
新地金 +82.5%の250t
二次合金 -40.4%の1191t
スクラップ +52.9%の3万4303 t
アルミ缶 -60.6% 2110t
【輸入】
新地金 -6% 100万261t
二次合金 -15.2%の8万5400t
スクラップ +30.5%の805t
合金スクラップ -16.8%の6872t
[見通し】
【自動車】
12月の自動車生産が-1.3%。1月国内販売台数が前年比+10.8%
生産が下げ止まりつつあり、それに伴い販売が回復の兆しあり今後に期待
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -6.7% 14万3290t 9カ月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -2.3% 6万528t 4カ月ぶりマイナス
出荷は +3.5% 6万417t 4か月ぶりマイナス
世界的なコロナ策の緩和からの自動車生産の回復により今後、自動車の挽回生産が進行するものと期待される
・アルミ輸出は中国向けや円安を受けてスクラップが増加
・アルミ輸入は内需回復や円安からスクラップが増加。
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月に続き欧米の金融引き締め策からLME価格が2200-2600ドルと安定。自動車生産は回復基調にあるが住宅着工の低迷から入荷も少なそう。
需要面に関しては世界的なコロナ政策の緩和により今後、自動車の挽回生産が進行するものと期待される
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米の金融政策
2、米中関係の動向
1、に関しては
米の金融政策に関しては年末からFRBの利上げ緩和観測が台頭し直近の利上げも0.25だったが1月の米雇用統計は雇用者数が市場予想を大きく上回って伸びた。失業率も半世紀ぶりの水準に低下し、FRBが「ハト派」に転換するとの期待が薄れた為今後も引き締めが続くのではないか
2、に関して
米国上空を浮遊していた気球問題で中国側が自国のモノと認めたことや米国側もブリンケン氏の訪中を取りやめでなく延期としたことから 双方 衝突は望んでないとの認識
ただ気球解析の結果 軍事偵察であれば 悪化は避けられない
これらを踏まえた2月のアルミ価格は 2300―2700ドル(セツル)との予想。
ドル円値は130円~135円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては +10円程度と予想している。
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