米国e-Bikeバッテリー収集活動22年8百万Ibリサイクル
どんな事でもきちんと数値を把握してデータ化する事に欧米は非常に真面目である。Call2Recycleは、米国がボランティア活動で国中のバッテリーを収集し、リサイクルを行い始めた。数値をしっかり把握し、しかもそれのシステマチックに展開する手法は非常にお手本となると思える。
Call2Recycle Releases 2022 U.S. National Battery Collection & Recycling Data
Nearly 8 Million Pounds of Batteries Collected; Data Shows Milestone Year for Lithium-Ion Battery Collection
Call2Recycleの結果、2022年の活動の結果、全部で8百万ポンド(3,629t)のバッテリーが収集され、そのうちLiBは3百万ポンド(1,361t)であった。
この結果はCall2Recycleプロジェクト始まって以来の成果となった。
Call2Recycleは非営利活動で、バッテリー製造メーカ、消費者、収集業者の協力で活動して収集からリサイクルまでを活動している。全体の収集リサイクル量は、2021年比で2%低下したが、LiBは13%の増加の結果となった。2次電池としては4%の増加となった。2次電池は560万ポンド(2,540t)1次電池は230万ポンド(1,043t)が夫々収集されリサイクルされた。収集方式はオンライン・ドロップオフで調べた消費者が16%増加し、レンタルサイトのバッテリー収集で参加した消費者が12%増加した。
米国でバッテリー製造メーカへバッテリーリサイクル計画への資金提供を最初に義務付けたのはバーモント州で、149,000ポンド(68t)のバッテリーがCall2Recycleプロジェクトで収集され、2021年以降増加してきた。
最初の年は産業界が支援して電動自転車のバッテリーリサイクル計画のボランティア活動で26,000ポンド(12t)以上バッテリーがCall2RecycleとPeopleForBikesの応援も得て収集された。現在では53ブランドで37団体が参加して、国内の収集拠点が1,600ヵ所以上にも拡大した。Call2RecycleのCEO Leo Raudys氏は、消費者、産業界の世話人、収集のパートナーのお陰で、毎年安全に責任を持ってバッテリー収集が継続できた事に感謝したいと語った。循環性は規制当局、製造メーカー、小売業者そして消費者全てが安全に重要な役割を果たし共にバッテリーリサイクルの責任を果たす事ができたとした。
我々はリサイクルの後進国ではないと思うが、これから更に本格化しなければいけないリサイクル社会に向けて、全員参加型のボランティア活動を提案し、賛同する人を募る活動は少し脆弱の様に感じる。
リサイクル量は未だ多いとは言えないが、米国の先進的な案件の進め方に学ぶべき点が多いと感じる。日本でも電動自転車の数は非常に増加している。EV車のバッテリーリサイクルの前に米国でも東南アジアと同様に電動自転車のバッテリーからリサイクルが始まった様だ。
(IRuniverse Katagiri)
関連記事
- 2024/04/23 国内パソコン出荷2024年3月 モバイルパソコン出荷 先行して増加基調に転じる
- 2024/04/23 2024年3月伸銅品生産速報 27か月連続前年同月実績下回る 80年代日米貿易戦争以来の長期低迷
- 2024/04/23 エンビプロHD:自動車再資源化協力機構のリチウムイオンバッテリー委託処理施設として認定
- 2024/04/22 パナソニック エナジー、次世代の蓄電池人材育成に向けて「MIRAI奨学金」を新設し募集を開始
- 2024/04/22 JX金属:資源循環分野における三菱商事株式会社との合弁会社の設立
- 2024/04/22 豪政府、国内資源2企業に計580億円融資へ アルミナとグラファイト、自国産業強化へ
- 2024/04/22 【MIRUウェビナー】欧州からの風~電池規則とELV規則(法案)~ 5/9 15時~
- 2024/04/22 アフリカ南部、2050年に鉱物生産高が世界の12%に IMFリポート、脱炭素で恩恵
- 2024/04/22 二次電池PSI-Report#160アルカリ二次電池 2024年販売単価上昇し販売額堅調に推移
- 2024/04/22 二次電池PSI-Report#159鉛蓄電池 自動車向け売上伸びても販売数減に注意